タイトル通り、世界規模と思しき「缶蹴り」の大会が開幕され、参戦した超人たちが互いに死力を尽くして戦うお話。
スポーツもの、と思いきや、ゴリゴリの異能力バトルが繰り広げられる作品です。それも王道のトーナメント形式であるため、ある意味バトルもの美味しいところだけを持ってきたような形。各選手にそれぞれ背景があって、それがドラマを担っていると言えばそうなのですけれど、でも主軸はあくまで戦いだと思います。特殊な能力と能力のぶつかり合い。
といっても、競技はあくまで缶蹴りではあるのですけれど。ただしそのルールはひとつだけ、「自分が飲みほした空き缶を守りながら、相手の缶を倒した方が勝者」というもの。逆説、それ以外はなんでもありということになり、競技は必然的に激しい戦いの様相を呈してくる、といった感じの設定。このバトルの激しさとそれがあくまで「缶蹴り」であることの脱力感とのギャップが、シリアスでありながらもコミカルな雰囲気を醸しているように思います。
魅力はやはり登場人物の個性の振れ幅というか、能力の多彩さとそのわかりやすさ。ガンマンに吸血鬼、巨大ロボットに拳法家、さらには魔法使いまで。ある種のロマンというか、「全然違うもの同士、戦わせたらどっちが強い?」というような、異種格闘技戦にも似た趣の楽しさを提供してくれます。なんだかんだみんなこういうの燃えるでしょ、的なやつ。
総じて、肩の力を抜いて楽しめる、ライトでテンションの高いバトルもの作品でした。