第187話 大丈夫ではない理由はレオが一番、知っていると思いますのよ?

 五階層まで制覇しました。

 ここに至るまでゴブリン系の魔物しか、生息していないようです。

 少々、物足りません。


 ただ、ゴブリンなんたらという様々な亜種を観察が出来たから、かしら?

 爺やは『これで研究書の記述を補完出来るというものじゃ』と満足気ですもの。


 レオは力を発散出来ないから、欲求不満みたい。

 それというのもゴブリンが私達を怖がって、近付いてこないせいですわ。

 とって食べたりはしないのにそこまで怖がらなくてもいいと思うのですけど。


 ここで問題が発生なのです。

 欲求不満の解消手段が階層を制覇するごとにエスカレートする行為ですわ。

 お姫様抱っこをしてくれる時はそれほど、おいたをする感じではないですから、まだいいのですけど……。


 そもそも、一階層を踏破するのがいくら、障害が無くイージーとはいえ、要する時間はそれなりにあります。

 その間、ずっと胸を弄られているのは色々と辛いのです。

 具体的には口に出せませんけど、ええ、色々と……。


 レオも触っているだけでは発散が出来ませんから、余計に欲求不満みたい。

 可哀想なのですけど……どうしようもありません。

 そんな風に考えていた私がどうやら、甘かったようですわ。

 黒獅子になった彼に騎乗せてもらった二階層では声が出るのを我慢するので精一杯だったのですから。

 あのたてがみでもふもふを堪能出来ると顔を埋め、幸せを噛み締めていたら、ブラウスとショートパンツの隙間から、が侵入してくるのです。

 あのぬめっとしているようでぬめっとしていない。

 でも、感触はレオのレオで間違いないでしょう。

 でも、彼のモノというより、触手ですわね……。


 犯人がレオなのは分かっているのですけど、こうも堂々とした犯行とは予想外ですわ。

 器用にも何食わぬ顔で歩き、爺やと会話をしながらの犯行ですもの。

 その間、私は出そうになる声を我慢しないといけないのです。

 蛇の生殺しですわね。

 辛いですわ。

 しっかりと膣内なかに出されても我慢しないといけないので五階層を終える頃にはもう疲労困憊なのです。

 レオは逆にスッキリしているのですけど!


「ここらで一休みということにするかのう」

「はぁはぁ……そうですわね」

「リーナ、大丈夫?」


 大丈夫ではない理由はレオが一番、知っていると思いますのよ?

 下着も誰かさんのせいで汚れましたし……。


「一度、転移で戻れるか、確認するのもよいかのう」

「そうだね。そうしようか」

「わしがまず、試しにやってみよう」


 紫の光が宙に現れると爺やはその中に消えていきました。

 あれは闇属性の転移の門ポータルなので記憶にある限り、自由に瞬間移動が出来る便利なものです。


「ダメだよ、リーナ」

「レオがたくさん、出すからですわ」

「そ、それはごめん」


 彼に横抱きに抱えられて、見上げるレオの表情の僅かな動きに心がこんなに動かされるなんて、思いもしませんでした。

 はにかむレオに心臓の鼓動がどうしようもないくらい早くなって、息苦しいんですもの。


「じゃあさ。僕がきれいにしてあげるから」

「ふぇ? ち、ちょっとお待ちになって」


 お風呂もシャワーもないこの場所でこの状況です。

 明らかに絶体絶命の危機ですわ!?

 私の抗議なんて意にも介さず、木陰に連れ込まれました。


「大丈夫なよう……じゃぞ? どうしたんじゃ?」


 まとめていた髪と着衣が乱れ、荒い息遣いをしている私を見て、戻ってきた爺やが怪訝な顔をしています。

 それはそうでしょうね。

 たかだか数分、とても短い時間に起きた出来事ですもの。


「ポータルが大丈夫なら、リーナはちょっとみたいだから、一度戻るね」

「え? あの、その……え?」

「うむ、よいじゃろう。そう急がずともよいぞ」

「なるべく急ぐね」


 爺やも少しくらい、気付いてもいいと思うのですけど、わざとですの?

 でも、あの様子は本当に知らないのかしら?

 確か、爺やは生涯独身を通した人です。

 恋人がいたという噂を聞いたことすら、ありませんわ。

 だから、分からなかっただけ?

 本当にそうなのかしら?




 お姫様抱っこをされたまま、転移したのは例の部屋です。

 ええ、シャワーもありますし、大きなベッドもありますわね。

 着替えは収納ストレージから、取り出せるので特に問題がありませんわ。

 問題があるとすれば、レオなのです。

 既に服を脱いでいて、準備万端過ぎませんかしら?

 私は自分で脱げるのにあっという間に剥かれてしまいましたし……。


「あのレオ? 爺やが待っているのですから、あまりお待たせしてはいけないと思いますの」

「でもさ、さっきのだときれいになってないよね?」

「やぁっ。指でそこはダメだってばぁ」

「じゃあ、舌の方がいい?」

「それはもっとダメぇ!」


 二人でシャワーを浴びて、互いにきれいにするだけで終わらない。

 そうは思ってはいましたのよ?

 でも、そこまでしなくてもいいというくらいじっくりと弄られるとは思ってませんから……。

 本当に丁寧に掻きだすように指で散々、弄って満足……しないですわね。

 ええ、知ってますとも。

 熱いのをわざとらしく入口に擦り付けてきてるんですもの。


「ちょっとくらいはいいよね? すぐだから! 先っぽだけでも! ちょっとだけでも!!」


 何だか、必死過ぎて、逆にかわいいのですけど。

 だから、つい許してしまう私もいけないとは思いますわ。

 でも、彼に頼まれると断れませんもの。


「ち、ちょっとだけですのよね?」

「うん、ホント先っぽだけだから! 一回出したいんだ。君に」

「そ、それなら……一回くらいは」

「リーナ! もう我慢出来ない」

「ちょっとレオ!? 話が違うわ。きゃぅ」


 嘘でした。

 奥まで挿入れられて、扉を叩く音が聞こえるくらいに思い切り、貪られたのですけど。

 また溢れるくらいにた~くさん、出されました。

 そこからは『きれいにしてあげる』から『我慢出来ない』のループに陥りましたわ。

 ただ、レオも爺やを待たせているので申し訳なかったのでしょう。

 いつも以上に腰使いが激しくて、すごかったのです。

 レオが出していないのに一人で達してしまうくらいに気持ち良くって……


「じゃあ、もう一回ね」

「ふぇ!? いやぁ、もう無理だってばぁ」


 レオの何かに火がついてしまったみたい。

 獣のように求めてくる彼が愛おしくて、気持ち良すぎるのがいけないのですわ。

 結局、ベッドに戦場を移してしまえば、理性なんて吹き飛んでしまう訳で……。

 大事なことを忘れている気がするのですけど……何だったかしら?




骨Gのダンジョン日誌


 あやつら、着替えだけでどれだけかかっておるんじゃ?

 じゃが、リリーの身体が弱いことは知っておる。

 あんなに顔が赤くなっているということは熱が出た可能性もあるじゃろうて。

 心拍数の上昇も感じたからのう。

 大事を取って、休ませておるのかもしれんのう。


 ここは有能かつスーパーハイパーデラックスにして、マーベラスなこのわしが未知のダンジョンの調査報告書を記しておくべきじゃろう。

 まず、一階から四階までに特筆すべきことはなかったかのう。

 じゃが、これだけの空間を狭い塔内に再現しておるところからして、かなり出来る者がダンジョンマスターのようじゃな。


 まず、階層から階層の移動が階段ではなく、ポータルを使っとるのもその証拠じゃろう。

 そして、特徴は五階を一区切りとしておることじゃな。

 五階にはボスとも言うべき魔物がおったからのう。

 ゴブリン・ロード。

 実に興味深いモノじゃった。

 お決まりの台詞『ここから先に行きたくば、俺を倒してから行くゴブ』というのがヤツの遺言になってしまったようじゃが。

 何、お主は実に興味深いモノを持っておるからのう。

 わしが有意義に使ってやろう。

 これは実験が捗りそうじゃのう、嬉しいのう。


 あまりに戻ってこんから、暇じゃのう。

 六階の索敵でもするかのう。

 ほう、なるほどのう。


 ここからはゴブリンだけでないということかのう。

 ホブゴブリンとオークもいるようじゃ。

 駆け出しや低ランクの冒険者ではここから、厳しくなるかもしれんのう。

 これは重要なことじゃな。

 ふむ、それに風景も変わっておるようじゃな。

 森林だったのが低木しか見当たらない平原に変わっているようじゃ。

 ふむふむ。

 ますます難易度が高いということかのう。

 魔物が隠れている木々がないということは逃げる場合に隠れる場所もないということじゃ。

 平原じゃからのう。

 実に興味深いのう。

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