第165話 レオの望み③朝から淫魔はないと思いますわ
あら? 若干の違和感を感じました。
ゆっくりと瞼を開くと逞しい胸板と私の心を捉えて離さない顔が目前にあって、胸の鼓動がどうしようもなく、高鳴っていきます。
まだ、幼さが残りながらもどことなく、精悍さを与える顔を彩っているのはきれいな紅玉色の瞳。
今は閉じられていて、見ることが出来ません。
静かな寝息を立てて、眠っているとレオは年下で……まだ、子供だと思えるのですけど。
しかし、昨夜の激しい情事を思い出すと顔が熱くなってきました。
結局、ずっと後ろから犯され、いつも以上に激しい彼にただ、翻弄されるだけでとても気持ちが良かっ……
「気持ちがよかった? じゃあ、またしてくれる?」
「は、はい?」
私を見つめるルビーの色をした瞳からは優しさと愛しか、感じられません。
それなのに獅子に睨まれ、動けない子兎のようになってしまうのはなぜなのかしら?
「だから、バニーガールをまた、してくれないかなって」
気に入りましたのね?
いつもより、激しかったし、量もたくさん出ていたみたい。
何だか、濃かったような気がしますわ。
でも、あのバニーガールの衣装はもう使えないですわ。
レオのでドロドロになっただけではなく、破かれましたもの。
「大丈夫だよ。いっぱいあるから、心配しないで」
「ふぁっ?!」
いっぱいありますの!?
そこ、違いますでしょう?
心配するのは私のか・ら・だ!
あんなのを毎日されたら、壊れてしまいますわ。
それに後ろからだけなのって、寂しいですし……。
「分かった! 向き合ってする方が感じるんだね? 僕もそれがいいから、いいよね?」
「え、えぇ」
レオの食いつきの良さと曇りのない純な瞳に絆されて、つい首を縦に振ってしまいました。
『やったー』と無邪気に喜ぶ彼の姿を見ていると嬉しいような、怖いような……。
毎日、バニーガールであのペースで愛されると……死ねますわね。
「それでさ。相談なんだけど、朝はリーナが上になってくれないかな」
「あぁ゛ん?」
違和感の理由が分かりましたわ。
私、いつの間に着替えさせられたのでしょう。
黒いレースの下着を着ているのです。
それも大事なところや胸の蕾が隠せてない薄いレース生地のですのよ?
どう見ても『もっとしてください』アピールをしているとしか、思えない恰好にちょっと頭痛がしてきましたわ。
「昨日、張り切り過ぎて、動けないんだ。お願い」
「えぇ……」
確かに昨夜のレオは頑張り過ぎたとは思いますのよ。
一回の量が濃くて、溢れるくらいでしたから。
それも何度したのか、記憶がなくなるほどに。
朝までずっと腰を振り続けていれば、そうなりますわ。
その割にレオのレオは元気そのものですのね?
彼のと私のが入り混じったものでぬめぬめと光っているさまは淫靡という言葉そのものですわ。
「ついでだから、角と翼があるといいかな」
「んんん? 何ですの、それ? 翼って……」
「蝙蝠みたいな方がいいね。
レオは本当、どこで学んできたのかしら?
いえ、誰に教わったのかしら?
変なことを教えたのがいますわね。
後で覚えておきなさい……。
「こんな感じでいかがかしら?」
「うんうん。いいね、それ」
螺旋を描き、捩れた二本の角と蝙蝠の翼をイメージした羽毛が無く、鉤爪の生えた漆黒の翼を魔力で作りだしました。
あくまで見た目だけなので翼を動かすことは出来ますが飛べません。
ファッションの一種ですわね。
動けないと言っているレオは仰向けになっているので、腰の上に跨って、ただチョコンと座ってから、その胸板に手を置きました。
「何か、足りない気がする。分かった! 尻尾を生やせるかな? 黒くて、先っぽがここみたいな形のやつね」
そう言って、自分のモノを指差すレオはまるで注文の多い料理店よね。
やりますけど。
彼がそう望むのなら、それにとことん付き合うと決めているんですもの。
魔力で彼が希望した尻尾を作りました。
単なる飾りではなく、ちゃんと動くようにしたのはサービス精神からです。
「動くのがいいね。こうしても、何も感じない?」
「特には何もないですけど」
レオは尻尾を掴むと握ったり、私がレオのにするように扱くように撫でたりしますが何ですの?
残念そうな顔をする彼が不思議で小首を傾げて、彼を見つめてしまいました。
「握られたら、感じるようには出来ないかな?」
「は、はい?」
どうして、わざわざ私が分かりやすい弱みをこさえないといけないのかしら?
そんな弱点があったら、レオにペースを握られるのが目に見えてますわ。
もう四の五の言わないように犯してあげましょう。
そうしましょう。
「レーオー、余計なことを考えないようにしてあげるわ」
「え? あ、あのリーナさん?」
ショーツをずらしてから、天を向きそそり立つ彼のモノをゆっくりと受け入れます。
ずらしたとしても多少、汚れてしまうでしょうけど。
以前、一気に受け入れてしまって、結局、いいように弄ばれたので今度はそんなへまはしませんのよ?
「んっ……あんっ」
ジュブジュブと淫らな水音が静かな室内を騒がせ、レオの怒張の先端をようやく呑み込みました。
彼にされる時は割合、すんなりと受け入れていたのに自分で受け入れようとするとこんなにきついなんて。
頭の部分を受け入れただけで押し寄せる快感の波に翻弄されてしまいます。
ナカを満たしていた精が溢れ出る音に私の感覚は狂っていき、彼のモノを全て、受け入れたのはいいものの快感で息が上がってしまいました。
「あぁん、あっ……はぁはぁ」
「リーナ、大丈夫?」
私のことを心配していると声色だけでも分かる優しい声。
それなのに伸ばされてきた彼の手には逃がさないという明確な意志が含まれているみたい。
荒々しさが溢れんばかりに出ていて、置き場が無く胸板に縋るように置いていた私の手はなすすべもなく掴まれてしまいます。
指を絡め合って、握り合うように……って、これはまずいですわ。
「もっと激しくしてもいいんだよ」
「あっ、やぁっ。あんっ」
動けないから、腰が痛いから、
しっかりと手を握られ、完全にペースまで握られたら、逃げ場なんてありません。
レオに激しく突き上げられ、逃げようとすれば、彼のモノが抜けていく時に与えられる快感で力が抜けてしまいます。
そこをまた、突き上げられて、抜かれて……おかしくなりそうですわ。
動けないどころか、私よりも元気ではありませんの!?
「やぁっ、ダメぇ」
「え、ダメかな。それじゃ、これは?」
「あんっ、ダメぇ。もっとぉ」
勢いよく突かれたと思ったら、ゆっくりと犯すのを楽しむように突いて、抜いてくる彼の腰使いに翻弄されて、ナカを掻きまわされているみたいでいつの間にか、自分から求めるように腰を振っていました。
気持ちいいところに彼のモノを導いて、快感に流され、室内に響くのは私の吐く甘い嬌声と二人の激しい息遣い。
そして、繋がった部分から漏れる淫靡な水音だけ。
「くっ。そろそろ、無理だよ」
「もう無理ぃ、ダメぇ、あぁん。イっちゃうのぉ」
「くぅ。で、出るっ。うっ」
達したのは二人同時にだったみたい。
熱病に浮かされたように頭がぼんやりとしながら、どこか恍惚とする不思議な感覚ですわね。
精を私のナカに吐ききって、ジュポという音ともにレオのモノが抜かれると信じられないような量の白濁が溢れ出しました。
昨夜の量も多かったのに大丈夫かしら? と頭の片隅で考えながらも今は愛されて、ものすごく気持ち良かったのとこれ以上ないくらいに動いたことで体に力が入りません。
彼の胸板に縋るように倒れ込むと優しく抱き止めてくれるレオはとても、優し……あら?
どうして、天井が見えるのかしら?
「リーナがかわいすぎて、我慢が出来ないっ」
「ちょっ!? ま、待ってぇ、まだ無理ですからぁ」
だって、そんなことを呑気に考えている余裕がなくなったんですもの。
レオったら、イったばかりで敏感になっているのにいきなり、奥まで
突然、見えた天井に『あぁ。私、押し倒されましたのね?』とぼんやりと理解しただけで、動くにはもう手遅れ……。
弱いところを知り尽くしている彼は胸の蕾を赤ちゃんみたいに吸ったと思ったら、軽く歯を立てて、噛んだりするのです。
そんなので感じたりしないと思っていたのですが、今はそれだけで軽く達しそうなのですから、調教って怖いですわ。
『おぅ。今、すごく締まった、やばっ。すぐ出ちゃいそう』と言いながら、腰使いが激し過ぎますの。
互いの肉がぶつかり合う淫靡な音が耳を刺激して、五感全部で責められているみたい。
それでもレオが執着するのは胸……。
ずっと揉みながら、吸われていて……まだ、出ないのですけど、これで本当に母乳が出るようになった時、大丈夫なのかしら?
今から、不安ですわ……。
お互いを激しく求めあう濃厚な口付けを交わしながら、彼のモノがナカの最奥に激しく、その熱く迸る精を放ちました。
あまりの気持ち良さに集中力は途切れ、角も尾も翼もとうに消えています。
もう、
今はただ、私の上で狂ったように腰を振り続ける彼とそれを求める私。
まるで獣みたいに求め合い、気が付いたら昼になっていました……。
『これはどう? 奥までいかない?』と片足を持ち上げられ、思い切り突かれるのが気持ち良かったので『そこ、いいのぉ。もっと』って、自分からせがんだのが悪いですわね。
私から、そういうことを言い出すのは珍しかったのもあるのでしょう。
レオもレオでやたらと張り切りすぎですけど。
はい。
おほほほほ。
また、体中が痛くて、動けませんの。
レオのアレは『まだまだ、いけるよ』とあれだけ腰を振って、出し切ったとは思えないくらい元気ですけど。
何なら、反り返るくらいの勢いなのですけど、私にはもう無理ですわ。
おかしいですわね……。
昨日、何か、重要なことがあったと思うのですけど、何だったかしら?
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