第164話 レオの望み②うさちゃんはうさちゃん好き!?

 夕食でお腹ではなく、お膣内なかまでいっぱいにされた私に休みなんて、ありませんの。


 本来は身体を休ませるお風呂。

 そこにも私の安息はないのです。

 レオの『きれいにしてあげたいんだ』は善意と分かってはいるのですけど、それはもう隅々まできれいにされますもの。

 心が休まる暇があるかしら?

 ないですわ!


 さっきまで舐めていたはずなのに気が付いたら、逆に全身を舐められて、吸われて……『私の体力はもう、ありません!』と声を大にして言いたいのですけど。

 おかしいですわね。

 意外と疲れてませんわ。

 『今日はもう疲れたの』という逃げの手が使えません。


「リーナの着替えはこれね。カチューシャも忘れずにね」

「えぇ……はい」


 渡されたのはバニーガールの装束一揃いです。

 よく考えれば、裸にエプロンを付けさせられるのに比べたら、ましかもしれません。

 肩、腕とそれに胸元が出てしまいますけど、最低限は守られていますもの。

 網タイツのお陰でレオタードでも恥ずかしくないですわ!


 嘘です、ないですわね。

 普通に恥ずかしいですわ。

 おまけに兎耳のついたカチューシャを付けないといけませんのよ?


 でも、お風呂上りなのが問題ですわ。

 きれいなツインテールにするにはアンに手伝ってもらわないと無理ですもの。

 どうしましょう。

 そうですわ。

 ポニーテールでもいいかしら?

 レオはポニーテールも好きですし、髪紐で結んでから、リボンで飾れば……大丈夫よね。


 姿見で最終確認をして、問題ないですわ。

 これなら、レオも満足してくれると自信を持って、言えますもの。

 問題は……自分で見ていて、恥ずかしいだけ……。

 まさか、部屋まで歩いて、帰るなんて……


「大丈夫だよ。そんなこと、させないから」

「きゃっ」


 いつの間にレオが来ていたの!?

 もう横抱きに抱えられていますし、これ以上ないくらいにご機嫌ですのね?

 私は慣れていない大胆な恰好のまま、急にお姫様抱っこですから、アワアワせざるを得ませんけど。


「焦ってて、かわいいんだけど」


 かわいいとか、言いながらキスの雨を降らすのはやめてくださいな。

 心臓が持ちませんわ。


「これ以上だとリーナが辛いから、部屋行こうか」


 アワアワしたままの私はただ、頷くだけしか出来ません。

 この恰好で部屋まで歩いていくなんて、無理ですもの。




 アワアワと焦っていた私が悪いのですけど、ベッドにお持ち帰りされました。

 お風呂から出て、直帰でベッドは最短ではありませんの?


 とはいえ、レオは優しく、丁寧にベッドに座らせてくれただけです。

 それだけなのに頭では分かっていてもバニーガールの恰好をしているからなのか、怖いのです。

 本当にうさちゃんになったような気がしてきて、レオがちょっと動くだけでビクッとなります。


「予定していたのと違うんだよね」


 不思議そうな顔をして、首を傾げるレオに見られているだけでなぜか、プルプル震えてくるのです。


「ご、ごめんなさい」

「これはこれでありかも」


 え? レオが薄っすらと笑ったのにちょっと怖く感じるなんて、何だか、おかしいですわ。

 普段でしたら、彼の笑顔に癒されて、見ているだけで幸せになれるのに。

 なぜか、分からないのですけど、視界が涙でボケて見えてきました。

 本当、おかしいですわ。


「リーナが涙目で上目遣いしてくれるだけでもレアだなぁ」

「ひゃぅ……んっ」


 レオの手が私の顎を捉え、いつになく荒々しく、唇を奪われます。

 ワイルドなんて、言葉では手ぬるいくらいに荒々しくて、彼の舌が私の口内を蹂躙していって、されるがまま、流されるままに身を委ねてしまいそう……。


 頭がボワッとしてくるのもいつものことでこのまま、押し倒されるのかしら? とぼんやりと考えているとレオったら、ここにきて、急に難しい顔で何かを考えているようです。


「リーナ。ポニーテール似合ってるね。だからさ……」

「えっ?!」


 押し倒されました。

 そうなるって、分かっていましたなどと余裕ではいられません。

 なぜなら、押し倒されて、仰向けではなく、うつ伏せにさせられたからです!

 あらあら? と思っている間にくるっと向きを変えられて、両手を後ろ手に拘束されてしまいました。

 器用なことにポニーテールを留めていたリボンを使ってくれたようですわ。


「レ、レオ。ちょっと酷いのではなくって?」

「痛くないように縛ったよ?」

「痛くはないですけど……って、違いますわ」

「この方がかわいい僕だけのうさちゃんを愛しやすいからね」


 私の手の自由が利かないのをいいことにベッドに押さえつけられ、膝を付いてお尻を高く上げられてしまいました。

 そうよね、レオって、これが好きでしたわ。

 私はレオの顔を見ながら、愛されたいって思いますし、彼もそれを理解してくれるのですけど、獣としての本性が求めてくるらしくて……。

 確かに興奮しますし、奥まで届いて気持ちいいのは事実なんですけど。


 ビリビリという音とともに大事なところを守っていた布地が破かれたようです。

 破くのなら、どうして着せたのかしら?

 そんな疑問が湧き上がってきましたけど、のんびりと考えている余裕はなさそうですわ。


「怖がっていて、嫌なのにここはもう潤ってるね……じゅるじゅる」

「あぁん、あぅ」


 身体は正直ですわ。

 バニーガールの恰好で怖がっていたのに体はレオを求めて、止みませんもの。

 なんて、余裕がないですけど!

 レオの舌はざらざらしていて、刺激的で……弱いところを知っているから、耐えられそうにありません。


「味見はこれくらいにして、えっちなうさちゃんにはお仕置きが必要だね」


 お仕置きされるようなことはしてないのですけど。

 お仕置きぽくされるとより強く、感じてしまうのはあなたに愛されすぎたせいだと思うんですのよ?

 あなただけを愛して、あなただけに愛されて。

 でも、その焦らすようにするのは意地悪だと思いますの。


「どうしたのかな、リーナ。何だか、苦しそうだけど」


 そう言いながら、伸ばしてきたレオの左手がちょっと強引に胸をはだけさせました。

 指の先で露わになった蕾を摘まむと捏ね回すのです。

 そこが弱いのを知っているから、反応を楽しむように強弱を付けてくるあたり、悔しいですわ。

 だって、気持ちいいんですもの。


「は、はやくぅ……欲しいのぉ」

「え? 何がかな?」


 右手で秘所を広げ、熱くて固い杭の先端を押し込んでくるのに挿入れてくれません。

 入口をこじ開けようとするだけで、そこからはしてくれないなんて!

 完全に弄ばれているのに不思議なことに不快感はまるでありません。

 不思議ですわね。 


「レ、レオの……意地悪」

「だけど、意外と気持ちいいんだよね? ほら、こうしたらどうかな?」

「きゃうっ」


 やるとは思ってましたけど、本当にやってきましたわ。

 今まで焦らすだけ、焦らしていたのに……。

 一気に挿入れるのはダメって、言ったら、受け入れてくれたのは何でしたの!?


 コンって、扉に当たるような感覚はナカが彼の熱杭で満たされたということ。

 あまりの快感に意識を全部持っていかれました。

 レオの手が胸から離れて腰を強く掴んだことに気付きませんでした。

 気付いていたからって、手は縛られているし、何も出来ないのですけどね。


「すごく締まってるね。僕もあまり、持たないかも」

「あぁっ、あんっ」


 今度は一気に引き抜かれました。

 彼の怒張が抜かれるのを嫌がるみたいに私のナカが抵抗しているみたいで刺激が強すぎて……もうダメ。

 意識が飛びそうだったのがもっと悪化しました。

 ほぼ夢の中にいるみたいですわ。


 レオも我慢しているのかしら?

 『くっ、もうちょっと』とか、何だかかわいいのですけど。

 残念ながら、それを楽しむ余裕が私にはありません……。


 どこで覚えたのか、激しくしたり、ゆっくりしたりと緩急を付けて腰を打ち付けてくるので無理……もう無理だってばぁ。


「リーナ、ちょっときつい。締めすぎだよ、もう我慢……出来ない、出ちゃうよ、うっ」


 その言葉とともに最奥に怒張の先から迸る熱い精を感じました。

 一緒に達した私は心地良い幸福感に包まれて、ゆっくりと意識が……


「まだ、終わりじゃないよ?」

「ふぇ!?」


 かなり、長く溢れるくらいに出ていたみたいなのにまだ、元気みたいですわね。

 そ、そうですのね?

 そのまま、元気なので戦闘は続行ですのね?


「うさちゃんの性欲が強いのは知ってた? 足りないよね?」

「それ、ダメぇ……あぁん」


 手を縛っていたリボンを解いてくれたのは自由にしてくれるのではなかったみたい。

 ええ、知ってますわ。

 腕を掴んでもっと激しくする気なのでしょう?

 それをされると深くて……あっ、ダメぇ……それ以上されるとおかしくなっちゃうわ。


 『締めすぎだよ。そんなに絞りたいのかな』と壊れるくらいに激しく突かれました。

 扉をこじ開けるどころの騒ぎではなく、快感の波が止め処もなく押し寄せてきて。

 きっと今、私は蕩けてだらしない顔になっていると思いますの。


 涙と涎でレオにも見せたくない顔になっていることでしょう。

 それでも彼は『そんな顔もかわいいね。僕だけが知ってる顔だし』って、言ってくれるんですもの。


 お互いに限界まで疲れ果てて、そのまま倒れるように横になりました。

 寄り添いながら、眠りについた頃にはもう太陽が昇り始めていたのですから……長いですわ。

 まだ、それほど強くない朝日を眩く感じながら、ようやく静かに意識を手放すことが出来ました。

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