第159話 また、妙な知識を仕入れましたの?

 えっと……私は何をさせられているのかしら?

 日が落ちて、薄ら寒くなってきましたのに水着でも元気なレオの目の前でなぜか、ビキニに着替えさせられているこの状況は一体、何でしょう。

 着替えている間、後ろを向いてくれましたから、気を利かせてくれたのは分かるのですけど。

 そういう問題ではないと思いますのよ?


「ここにこうやって、手をついて。リーナって……意外と身体が硬いね」


 まるでレオに演技指導をされているかのようですわ。

 『この岩場に両手をついて』と手の位置まで指定されるのですけど何か、意味があるのかしら?


「それで足はこう延ばして、そうそう。それで足を開いて、上半身はもう少し屈めて」

「……はぁ」


 あまり、身体が軟らかくない私にとって、この姿勢が苦痛なのですけど、レオはすごく嬉しそうなので我慢します。

 でも、この体勢で水着ですから、後ろは無防備な訳で……。


「顔をこっちに向けられるかな?」

「……いっ」


 痛いって、言いそうになりましたけど我慢です。

 レオが喜んでいますから、少しくらいの身体の痛さは我慢ですわ。


「ひぃ?!」


 その時、急に頭から爪先まで抜けるような妙な感覚が走りました。

 犯人はレオなんですけど。

 彼が無防備に晒されている背の上を滑らすように指で撫でるからですわ。


「あれ、どうしたの、リーナ?」

「な、なんでもありませんわ」


 胸が苦しいくらいドキドキしてますけど、焦ったら負けですから。

 必死に動揺を抑えようと苦心している私を他所よそにレオは背を撫でていた指をツゥーと首のところへと這わせたのです。


「これを解いたら、どうなるかなぁ?」

「……うぅ」


 レオに着替える様にと言われたビキニはホルターネックのビキニだったのです。

 つまり、今、レオの指が私を脅すように這わせているのは縛っている紐のところ。

 彼がちょっと力を入れたら、紐は解けてしまうでしょう。

 そうなったら、まずいですわ。

 そうじゃなくてもレオのレオが元気いっぱいでさっきから、ずっと当たっているのです。

 むしろ、わざと擦り付けているのではありません?


「どうしたのかな? 顔が赤いけど」

「ひゃぅ。やぁん、そこダメぇ」


 また、心を読まれているのね。

 これはまずい……なんて、考えていたら、また背中を!

 あぅ、これはさっきの指よりもずっと……レオの舌が背を這いまわるのが気持ちいいですわ……あっ、このままでは本当にいけないですわ。


「はい、リーナの負けだから。没収ね」

「はい?!」


 背中を舐められ、感じているうちに紐を解くのは不意打ちですわ! 卑怯ですわ!

 ……などという抗議が届くよりも前に胸がはだけてしまって。

 でも、手で隠そうにも両手は身体を支えていますから、無理ですわ。

 さてはこの為でしたのね?


「そんなこと言ってて、これは?」

「あんっ……そんなに強いのダメだってばぁ」


 圧倒的に不利な状況ですわ。

 身体の硬さもあって、自由に動けません。

 背をゆっくりと執拗に舐めるレオの舌が気持ちいいんですもの。

 与え続けられる快感に頭が真っ白になってきます。

 このままでは流されるままでよろしくないのですけど……でも、気持ちいいですし、どうすればいいのかしら?

 悩む私をさらに混乱させたいのか、背後から伸ばされたレオの手がはだけた胸を下から、抱えるようにじっくりと揉みしだいてきました。

 さらに止めを刺すように指で胸の頂を摘まんで捏ねてくるのですから、もう耐えられませんでした。


「あぁん……はぁはぁ……あぅ」


 レオったら、胸を散々、弄ばれて息が上がってきた私が放心状態になっているのをいいことに大事な部分を覆っている水着をずらそうとしてくるのです。

 まずい! まずい! とても、まずいのですけど!


「ひゃぁん」

「もう十分過ぎるほどに濡れてるね」


 だから、まずいって言ったのですわ。

 これでは私がまるでこうされるのを望んでいたみたいじゃない。


「じゃあ、いらないのかな?」

「あんっ……そ、そういうことではなくって」


 先程の戦いの時から、既に元気いっぱいだった反り返るレオの怒張。

 既に十分過ぎるほどに潤っている秘所をこじ開けようと入口に当てられたので、挿入はいってくる……と思ったら、そうではないのです。

 え? そこでやめますの? と思っているとまた、熱くて固いモノが入口にじっくりと擦られて、ゆっくりと挿入はいってきて……。

 また、そこでやめますの!?

 まさか、このまましないなんて……


「いるんだよね? どうしようかなぁ」


 また、焦らすように互いの粘液を擦り付けながら、ギリギリのところで挿入れてこないのです。

 ええ、そういうことでしたのね?


「レオのを……ください」

「えー? 声が小さいよ。もっと、こうお尻を振って、おねだりしてくれるとかは?」


 うわぁ……。

 また、妙な知識を仕入れましたの?

 全く、もう……。

 そう思いながらも彼の言う通りに誘うようにお尻をゆっくりと振っている私って、何なんでしょうね!?


「早く、欲しいの……きゃぅ」


 我慢していたの私だけではなかったようです。

 実はレオの方が我慢していたみたい。

 腰が痛くなるくらいの強さで掴まれて、一気に扉に当たるくらいに突き挿入れてくるなんて、思わなかったので自分でも想像出来ないほど大声で喘いでしまいました。


 でも、残念なことに私とレオの体力には越えられない壁があるのです。

 レオが一回達する間に私は三回は達してしまいますし……。

 え? それは体力とは関係ないかしら?


 おまけにビキニが完全に脱げてない中途半端な着衣状態がレオを余計に興奮させるみたい。 

 獣のように後ろから、激しくするのが好きだから。

 レオがですのよ?

 私が好きなのではなくて……嫌いでもありませんけど。

 深いところを刺激されるのが癖になりそうなんですもの。


 でも、何度も膣中なかに彼の熱い白濁を注がれて、愛されて。

 体力の限界ですわ。

 幸せな気分を感じながらも強すぎる快感とともにその意識を静かに手放すのでした。


 暫くして、目を覚ますと『大丈夫?』とレオの心配する声がするのですけど、姿は見えません。

 『リーナが気絶しそうだったから』と彼の声はやはり、背後から聞こえてきて、股の間にまだ、違和感があります。

 ふと視線を下げるとレオのものを根元まで咥え込んでいるではありませんか。

 え? あら? これは一体どうなってますの!? という私の心の叫びは誰にも聞こえません。


 後から話を聞いたら、力を緩めたら岩場に頭を打って危ないのでレオが抱え込むように抱き上げてくれたそうなのです。

 レオは本当に優しくって……と言うと思いました?

 溢れるまで注ぐのはさすがの私も……


「嫌いになった?」

「ふふっ、まさか。レオが私を嫌いになっても私がレオを嫌うことなんて、絶対にありませんから……ちゅっ」


 舌を絡め、貪り合うように口付けを交わしてから、彼を砂浜に押し倒しました。

 思えば、これもレオの思惑通りだったのかもしれません。

 こうして私が上に騎乗って、愛し合うのに向いた場所に動いてますし!


 ええ、それでも空に星が瞬く時間までたっぷりと愛し合いましたけど。

 ただ、砂浜でするのではなかったと大いに後悔することになったのはまた、別のお話ですわ。

 でも、そのお陰でお風呂でも盛り上がったのですから、結果的に良かったのかしら?

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