第85話 第2章エピローグ③重い愛ですけど幸せです

「んんっ……うぐぅ」


 入口を探るように焦らすように擦り付けられていたレオの怒張が肉の壁を分け入りながら、私の膣中へと侵入してきます。

 けれど、私は声を出すことも許されないの。

 誰ですの?

 レオに触手を自由に動かす力を与えたのは……。

 そのせいで私は両方の口を塞がれているんですもの。

 下手に声上げたら、噛んでしまいそう。

 噛んでもいいのかしら?

 レオのではないけれど、レオのなのかしら?

 アレの味は同じですし、レオの味がするから、間違いはないと思いますの。

 やはり、噛んだら痛いのかしら?


 頭の中でそんなことを考えている間にも彼の熱くて堅い杭が私を容赦なく貫きます。

 腕を後ろ手に引っ張られているせいか、いつもより深く挿入はいってきて、すごく気持ちいいのに……。

 あぁ、もう!

 声を上げられないのがこんなに辛いなんて、思いませんでしたわ。


「この力、凄い便利だよ。リーナも気持ちいいよね?」

「んっ……んふっ」


 はい。

 気持ちいいのですけど、喋れませんわ。

 上の口は触手にずっと抽挿を続けられていて、たまに妙に甘ったるい物が出てきますの。

 いつもの白濁とはちょっと違って……これは!?

 この粘液、変な物含まれてますわね?

 頭が熱にうなされたみたいに惚けてきますし、この私がただ快楽を貪るだけみたいになるなんて、おかしいですもの。

 ただ、これ意外と美味しくて、癖になりそ……こほん、違いますわ。


 そうなのですわ!

 飲むと喉がこくんってなりますわね?

 それは単なる生理的な活動で意識しているものではありません。

 その度に『リーナ、それ凄くエロい』って、言われますと何だか、嬉しくて。

 それでそういう時、無意識に『締めている』みたいなのです。

 レオの息遣いがさらに荒くなってきました。

 『やばっ、出そう』って声が聞こえて、胸を執拗に嬲ってくる触手の動きがさらに激しくなってきます。

 彼の腰がお尻に当たるたび、卑猥な肉と水の音が部屋に響き渡って、もう彼のこと以外……たっぷりと注ぎ込んでもらうこと以外、何も考えられなくなっていました。


「くっ、うっ、出るっ」


 レオの呻きとともに彼の杭が最奥まで一気に貫き、こつんと扉をノックします。

 その瞬間、彼のモノが小刻みに脈動し、先端から熱くて、白い赤ちゃんの素を放ちました。

 口で抽挿を続けていた触手も脈動するとねっとりとした液体を注ぎ込んできて、私は上と下でその熱を感じながら、上げられない声を心の中で『きゃう』っと上げます。


 せめてもの抵抗?

 抵抗にはなっていない気がしますけど、気にしたら負けですわ。

 結局、私は快楽に負けて、あっさりと意識を手放してしまい、心地良い闇へ堕ちていくのでした。


 🦊 🦊 🦊


 うつらうつらとした状態のまま、ゆっくりと瞼を開けば、いつものように心配そうに優しく、見つめてくる紅い瞳と視線が交差しました。

 どこでそんなことを覚えたの?というくらい、自然な手つきで汗と体液に塗れて、身体に張り付いている髪を愛おしそうに優しく、梳いています。

 その姿にキュンと胸の辺りが痛くなったのですけど、どこか病んでいるのかしら?


「夜はまだまだ長いからね」

「えっ?」


 早いのです、力強いのです。

 頭の中にはてなが浮かんでいる間に身体を横向きにされ、『あら?』と考える暇もなく、右足を掴まれてレオの肩に乗せられたのです。

 そのような体勢にされれば、恥ずかしい部分が無理矢理、開かれて晒さる訳で……。

 これはもしかして!?と身構えるよりも早く、先程の交わりで十分に潤っている秘所に彼の熱杭が一気に打ち込まれました。


「あぁんっ」


 声上げられて、嬉しいですわ!

 ううん、違いますわね。


 この体勢でも深く届いて、嬉しいですわ!

 ううん、これも違いますわね。


 ええ、そんなことを考えている余裕……ありません。

 激しく穿たれながら、ちょっと骨ばった彼の掌で優しく、胸を揉みしだかれているとそれだけで意識が飛びそうなのです。


「あんっ、そこ気持ちいいの」

「リーナ、絞めすぎだって……ちょっ、待って」


 掴んで肩の上に乗せていた足が下ろされて、また体勢が変わりました。

 あっ、それダメだってばぁ。

 すごく当たってて、感じますわ。


「んっ……ちゅっ」


 深く繋がったまま、姿勢を変えたレオの顔が近付いてきて、唇が貪られるように激しく奪われました。

 その間も彼の手は休まず、胸をマッサージするように下から上へと揉みしだき、たまに先端の蕾を摘まんで刺激してきます。

 それもいいの!って、感じるだけでレオのモノを結構締めているみたいで彼も限界が近そうですわ。

 私もこんなに深く、肉を分け入って打ち付けられる杭にこれ以上、無理ですもの。


「あんっ。もうダメぇ……いっちゃう」

「僕ももうっ、出そうだ」

「一緒に……レオ、あんっ。いっちゃう、あぁんっ」

「で、でるっ、うっ」


 扉が強めにノックされて、胎に熱い白濁が解き放たれます。

 頭の中で火花が散る感覚とともに意識は遠のいていき、気怠さと心地良さを感じながら、静かに意識を手放しました。


 その後、意識が戻っては失いを何度も繰り返しまして……。

 はい、反省はしておりますのよ?

 半数以上はレオから求められて、応じたものですけど、それ以外は私から、求めたものですから。

 はしたないことに彼の上で何度も果てたんですもの。

 反省しても許されないかしら?


「レオ……何があってもずっと愛しているから」


 静かな寝息を立てながら、とても幸せそうな寝顔を見せてくれる愛しい人の頭を撫でながら、そっと呟くと……


「僕もずっと愛してるよ」


 起きてましたのね?

 お互いに重いくらいに愛し合っているけれど幸せ……。

 こんな時がずっと続けばいいのに。

 そんなささやかな願いすら、叶えられないのかしら?

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