第84話 第2章エピローグ②レオ、新境地を開く
『行きはよいよい帰りは怖い』だったかしら?
私達の旅はそれとは正反対ですわね。
行きは本来の姿に戻ったニールに乗せてもらい、およそ半日かかりました。
帰りは転移の魔法で十秒もかからないのです。
転移の門を潜って、部屋に戻った途端、瞬きする間もなく抱き締められたのにはびっくりしましたけど!
「リーナ! 会いたかった」
骨が軋むくらい力強く、抱き締められて、痛いのにレオが感じられるから、ちょっと嬉しい……って、考えたりする私なのです。
おかしいですわ。
これではまるでマ……いいえ、何でもありません。
「私も会いたかったですわ、レオ」
そう答えながら、彼の背に腕を回して、そっと抱き締めます。
少しくらい、力を込めた方が彼も喜ぶのでは?
そうしたい気持ちがない訳ではありませんけど、出来ません。
あまりにもがっちり、しっかりと軋む勢いで抱き締められてますでしょう?
力が入らないんですもの。
「夜が楽しみだね」
レオが耳元に口を寄せて、私にだけ聞こえるように囁きました。
ついでに耳たぶを甘噛みされ、顔の温度と心拍数が急上昇するのを感じます。
本当はこのまま、彼に激しく唇を奪われて、その場でめちゃくちゃにされてもいい。
そんな風に考えている私ですけど、ニールの目の前では教育上よろしくないですわ。
我慢ですわね。
🦁 🦁 🦁
レオとオーカスも森から、戻って来たばかりらしく、タイミングが良かったみたい。
ディナーの時間が近いのですから。
真っ赤な太陽が水平線の彼方に沈み、夜の帳が下りてくる本当にいい時間の到来ですわ。
とはいえ、着替えを済ます前に旅の疲れと汚れを落とすべきです。
レオは本当に不満たらたらな様子を隠そうともせず、心底、嫌そうにオーカスと連れ立って、男湯へと向かいました。
ええ、そうなのです。
大浴場はなぜか、私とレオ専用のお風呂という感じになっていますが、本来は混浴として開放されているものです。
そちらへ向かえば、いいと思いますでしょう?
彼と二人で大浴場に行ったら、どうなるのかなんて、言わせないでくださいませ。
夕食どころか、下手すれば、朝までお風呂から出られない可能性がありますわ!
ですから、別に用意されている男湯と女湯を利用することになったのです。
🦊 🦊 🦊
私はアンと一緒にニールをきれいにしつつ、自分達を磨かないといけません。
湯浴みのタオルを巻き付けていても……いえ、いるからこそ、より強調されるアンのスタイルの良さに溜息を吐きつつ、無事に入浴タイムを終えました。
ええ、髪が長くて面倒ですから、アンの手を借りたりなどしてはおり……はい、借りましたわ。
彼女に洗ってもらうととても気持ちいいんですもの。
その誘惑に抗える者がいるかしら?
私はニールの髪を洗って、アンは私の髪を洗う。
これだけでは不公平ですわね。
『お嬢さま、いけません。あぁ』と妙に艶めかしい声を上げるアンの髪を丁寧に洗ってあげたのは言うまでもありません。
🦊 🦊 🦊
それから、全員が正装し、ディナーへと出かけました。
お寿司屋さんなどの珍しいお料理屋さんが多かったバノジェに比べるとリジュボーは極めてオーソドックスな大陸西部の土地柄を表した店が並んでいるようです。
大陸有数の港町だけに海産物を使ったお料理を前面に押し出したお店が多いのですけど、ふわふわのパンで挟んだ豚肉のソテーが看板料理のお店もありました。
オーカスが興味津々と言った風でしたけど、共喰いはいけませんわ。
それにディナー向きではありませんもの。
相談の結果、蛸のリゾットと色々な野菜と海産物を蒸し煮にした鍋料理で有名なお店に決まりました。
しっかりとデザートまでいただいてしまい、お腹も満足したところでお開きとなったのです。
🦁 🦁 🦁
「えっとレオ?」
そして、今、私が置かれている状況はどう説明すれば、よろしいのかしら?
宿に戻って、夜着に着替えました。
はい、ここまでは問題ありません。
問題はこの後だったのです。
レオと想いを確かめ合うような甘い口付けを何度も交わしました。
彼はベッドまで私を優しく運ぶと手慣れた手つきでそっと服を脱がせてくれて。
それから、徐々に高め合って、愛してくれるのですけど……。
レオの息遣いが激しくて、『これはまずいのでは?』と思った時には既に遅かったのです。
『あっ』と思ったら、天井が見えていて、ベッドに荒々しく押し倒されたのだと気付きました。
服を脱がせるのすら、もどかしいらしくて、力任せにビリビリと引き千切られます。
これでは夜着に着替える必要性があったのかしら?
それにお気に入りの夜着でしたのに。
それから、貪られるように激しく唇を吸われ、レオの舌が口内を思う存分、蹂躙するのです。
あまりに激しいのに体は彼を求めて、疼くようで。
彼との間に銀色の橋が出来上がって、思わず見惚れてしまいました。
頭まで蕩け、レオのことしか考えられなくて。
ただ、熱に浮かされたように見つめているとふっと意識が遠のいたのです。
そして、現在の状況に至りますのよ?
『えっと』と言いたくなる私はおかしくないと思いますわ。
手も足も拘束されていますでしょ。
それに宙に浮いている状態なのです。
ええ、とても不自然ですわね。
それもうねうねと気味が悪い動きを見せる触手によって、ですのよ?
触手に寄って、手も足もがんじがらめに絡まれていて、動けないどころの騒ぎではありません。
「リーナ、今、どんな感じ?」
「んんっ、ふぇふぉ(レオ)? ふぉれふぁふぉうひうふぉふぉ(これはどういうこと)? んっ……んんっ」
薄っすらと笑みを浮かべながら、熱っぽく見つめてくるレオの顔にはまだ、あどけなさが残っていて、とてもかわいいのに……自己主張するように天を向く一部はかわいくありません。
今、している行動もかわいくなくて、『どんな感じ?』と聞いておきながら、触手で口を犯してくるのです。
容赦なく喉奥まで突き入れられる触手に目を白黒させていますと新たな触手が胸に巻き付いてきました。
どういう構造になっているのか、触手の先端が胸の蕾を摘まみ、母乳を吸うように刺激してくるのです。
そういえば、レオは胸が好きでしたわ。
なんて、考えている余裕もなく、背中にも一本の触手が這わされ、その這わせ方が弱いところを良く知っているらしく、絶妙なのです。
それだけでもう与えられる快感に流されそうになっているのに止めとばかりにさらに二本の触手が既に蜜の滴っているところへと伸ばされてきました。
触手がはしたないところを焦らすようにゆっくりと押し広げられ、熱っぽく見つめていたレオは顔を近付けると広げられたあそこに舌を
その瞬間、頭の中で白い火花が散ったような不思議な感覚が走ったのですけど、それはレオも同じだったみたい。
「んんっ……けほっ」
口を犯していた触手の先端から、熱い欲望の塊である白濁が勢いよく解き放たれ、その圧に
『いつ終わるの?』というくらい、勢いよく放たれた白濁を全て、飲み込み終わって。
解放され……ませんわね。
「夜はまだまだ、長いよ?」
ええ、宙に浮かされた状態からは解放されましたわ。
むしろ、宙に浮いていた方が良かったですわ。
また、獣が愛し合うような恰好なんですもの!
両手は後ろ手にレオにがっちりとホールドされていて、そのせいで強調された胸を触手が絶え間なく愛撫してます。
さらに逃げられないように腰とお尻も押さえられているのです。
でも、あそこは既に蜜でドロドロになっていて。
薄っすらと熱を感じる彼のモノを受け入れようとしています。
何か、この無理矢理されているのって、癖になってしまいそうですわ……。
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