第74話 誕生日のプレゼントは私・前編

 花園での告白から、話し合った結果、レオは少しだけですが譲歩してくれるみたい。

 譲歩した理由が抱き潰すと貴重な一日が失われるからというのは喜んでいいのか、怪しいのですけど。

 また、マッサージは毎日した方が効果的であるからも理由なのです。

 これも喜んでいいのかしら?

 また、レオに手や口で奉仕する方法を仕込まれたのも大きいですわ。

 予め、精を発散させておけば、その後の行為での負担が軽減出来るからです。

 ただ、手淫と口淫で彼に吐き出してもらって、回数自体を減らす。

 この手段が正しいのかどうかも分からないですわね。

 それにしても色々と腑に落ちない点が多いですわ。

 私は年上なのです。

 もっとお姉さんらしいところを見せられるのではありませんの?

 だいたい、仕込まれたって、何ですの?

 おかしいですわ。


 あちらの世界ではレオはまだ、中学生になったばかりのはず。

 私は女子高生ですわね。

 経験だって、知識だって、上だと思いますのよ?

 教えるのは私ではなくって!

 『お姉さんに任せてね』とリードするのが本当の姿ではないかしら?

 それなのに現実はレオに翻弄されるばかり。

 どんどん変に……いいえ、淫らにされているような気がしてなりません。


「リーナ。もういいかな?」

「ま、まだ! まだ、ダメですわ」


 はい。

 そして、レオの誕生日、当日を迎えました。

 彼の希望通り、私自身がプレゼントですわ。

 恥ずかしくて、死ねるのではないかしら?

 それというのも今、私がしていることが大きく、関係しています。

 用意してもらった熟した色とりどりのフルーツと生クリームで身体をデコレートしているのです。

 当然、服を着ていませんから、肌に直に生クリームをデコレートしています。

 妙な感触は意外と肌触りが良くて、気持ち良いなんて。

 変な気持ちに目覚めそうですわ。


 どうして、私がこんなことをしているのか、不思議でしょう?

 これは全部、レオっていう悪い子のせいですの。

 彼が例の本屋さんで銀貨を三枚も出し、購入したとてつもなく、いかがわしい本のせいですわ。

 あの時、思い出の花園で見せられたのは衝撃的な絵姿でした。

 あられもない姿で横たわる美しい女性の肢体に様々な食材を乗せているのです。

 食材を食べるという名目で身体を弄ばれるというプレイらしく、レオは満面の笑みで『リーナの女体盛りが見たいんだ』って、言うんですもの。

 『女体盛りって何ですの?!』という疑問よりも頑張るしか、ありませんでしょう。

 そもそもレオが『見たいんだ』で本当に見るだけで終わるのかしら?


「もうよろしくてよ」


 恥ずかしいから、目を瞑っておきましょう。

 生まれたままの姿で全身を生クリームや果物で彩ってますのよ?

 自分でも変態過ぎて恥ずかしいのにじっと見つめられるのに堪えられるでしょうか。

 堪えられる気がしませんわ。


「すごいきれいだ」


 ね? 恥ずかしいでしょ。

 顔を合わせるたびに『かわいい』『きれい』と言われ、『好きだ』『愛している』と正面から言われ続けていますが慣れませんわ。

 顔の火照りが抑えられませんもの。

 やはり、目を瞑っていて正解でしたのね?


「こんなところにきれいな苺があるなぁ。あむ」

「あんっ。それは苺でなくっ……やあっ。噛むのダメぇ」


 胸を生クリームできれいにデコレートしたのですけど、そのクリームをレオの猫科特有のざらついた刺激的な舌先で舐め取られるとゾワッとした快感を覚えます。

 『美味しいね』のあとに舌先で胸の先端の蕾をチロッと味見するように舐めてから、口に含んで軽く、歯で噛んで刺激してくるのです。

 あまりの刺激の強さに我慢出来なくて、つい甘い声を上げてしまうなんて。

 私はなんと愚かなのでしょう!

 そんな姿はレオを煽ってしまうだけですもの。


「まだピンク色だから、熟してないのかな?」

「やぁん、まだミルクなんて出ないからぁ。あんっ」


 そう言うとまだミルクが出ない胸を赤ちゃんのように吸いながら、また丁寧に揉みしだいてくるのです。

 いくら揉まれても出ない物は出ないのですけど…。

 もう許して欲しいですわ。

 刺激が強すぎて、拷問みたいなんですもの。


「ジュースが欲しいな」

「私も何か、冷たい物が欲しいですわ」


 ジュース?

 私も声がちょっと掠れてしまって。

 レオに啼かされたせいなのですけど。

 ジュースがあるのなら、欲しいですわ。


「リーナのを欲しいんだよね」


 ち、ちょっとお待ちくださいな。

 全くの勘違いでしたのね?

 『私のジュースって何ですの』という心の叫びを急に現実に引き戻されたような残酷な一言ですわ。

 混乱している私を他所にレオは容赦がありません。

 身体を動かして逃げたりしないように両足をがっしりと手で押さえているのですから。

 確かにそこにもクリームを盛りましたけども!

 覚悟はしていても我慢が出来るかどうかは別の問題ですわ。

 逡巡している間にレオのザラッとした舌が秘所の割れ目をなぞるように丁寧に舐め回しています。

 だから、それはまずいのですって!

 あっ……それ、ダメですってば。

 もう本当、おかしくなってしまいますわ。

 や、やめて……ううん、やめないで。

 あら???


「もうジュースが溢れ始めてるよ」

「あんっ、そんなこと言わないで……そこダメはですってばぁ」


 私の頭が限界温度に達したのではないかしら?

 頭が惚けてくるほどに熱くて、もう何も考えられません。

 なぞるのをやめたレオの舌先が割れ目を犯し、ジワジワと味見をするようにゆっくりと侵入してくるのです。

 浅いところから、執拗に這ってくるザラザラした舌のせいで無理ですわ。

 これ以上、我慢するのなんて、無理!


 溢れ出すものをジュルジュルと音を立てて、舐め取るのはわざと聞かせようとしているのでしょう?

 確かにその効果は大きいと思いますわ。

 直接、与えられる快感と耳から入る羞恥心でおかしくなりそうですもの。

 自分でおかしなことをしていると気付いた時にはもう遅かったのです。

 身を起こして、レオを止めるどころか、自分の手で彼の頭を押さえつけるようにしていたのですから。

 自分でも弁護しようのない行為ですわね。

『リーナはエッチだね』と言われ、それでも止めることが出来ずに『そんなリーナも好きだよ』と止めを刺されるともう我慢できなくなって。

 一際高い嬌声を上げて、達してしまいました。


 本当、おかしいですわね。

 レオの誕生日なのに私ばかりが気持ち良くなっているのですけど。

 奉仕するのではなくて、逆に甘やかされているようですわ。

 本当にこれでいいのかしら?

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