第33話 ゲームの行方
「う、うん。自分で……それでその……出しちゃダメですからね?私が『出してもいいわ』って言う前に出したら、レオの負けですわ」
「うわ、また、リーナが変なこと言い出したよ……」
変なのは分かっていますし、自分から誘っているみたいで凄く恥ずかしいのですけれど。
ここは一線を越えない為に頑張らないといけないのですわ。
「でも、これだけですとレオが不利でしょ?ですから、譲歩して差し上げますわ。三十分、レオが我慢出来たら……」
「ねえ、リーナ。三十分って、長くない? リーナは自分で慰めて、三十分持つかな? 無理だよね」
「え? ええ!? そ、そうでしたのね。では十五分なら、いかがかしら?」
「十五分ね……それでもかなり、きついよ?もう一声」
「注文多いんですのね? 分かりましたわ。十分。これ以上はダメですからね?」
おかしいですわ。
最初から、ペースを崩されている気がするのですけど。
ここはお姉さんとして、寛大なところを見せないといけませんわ。
「分かった。それくらい、我慢してみせる!」
「ふぅ~ん、随分と自信があるようですけど。まぁ、いいですわ。でも、あくまで自分でするのですから、ズルはいけませんからね? ゆっくりとするなんて、時間稼ぎは許しませんのよ?」
あくまでペースを握って、レオのやる気を削ぐつもりでしたのに失敗した気がしてならないのはなぜでしょう。
でも、レオが困った顔で頼んでくるのに断ることなんて、出来ませんもの。
「あ、あの……私が直接……えっと…レオのを出させるようなことはしないから、そこは安心してくださいね」
「え? してくれないの?チェッ」
どうして、残念そうな顔しますの?
そんな顔されると私がしてあげないといけない気が……って、ダメですわ。
心の中で葛藤しつつもベッドに腰掛けているレオの下着に手を添えて、脱がせました。
レオのレオがぴょこんと顔を出すとつい『ひっ』って、悲鳴を上げそうになるのを我慢します。
刺激が強いのですわ。
部屋の照明を抑えても慣れないものは慣れないものなのかしら?
ただ、我慢出来るようになっただけ、成長した気がしますわ。
「ゲームスタートですわ」
外気に触れたレオのモノはもう既に元気いっぱいで過剰なまでに自己主張をしていて。
これから、起こることを期待してますの?
彼は自分のものに手を添え、ゆっくりと動かし始めました。
ゆっくりはダメって、言いませんでした?
楽しむ気じゃないでしょうね。
「ねえ、レオ。今、何を考えてますの? 私のことですの?」
レオに見てもらう為に結構、恥ずかしい思いをして、こんな大胆な寝衣を着てきたんですもの。
……返事がありません。
もしかして、自分でするのに夢中なの?
そうよね……余裕がないのよね。
レオの息遣いがちょっと荒くなった気がするわ。
「私の身体でも感じてくれるの?」
彼のモノの前に膝をついて、わざと胸がチラッと見えるように動いてみます。
だって、負けたくないんですもの!
ゲームですわ。
勝負ですわ。
勝たないと私の色々が危機に陥るのですから、切実なのです。
目の前に彼のがちらついて、ちょっとドキッとしましたけど。
レオは返事もしないで手の動きは早くなっていきます。
息遣いもさらに荒くなってきました。
まだ、五分経ってないのだけど大丈夫ですの?
「レオ、苦しいでしょ? もっと……いじめてもいいかしら?」
手を伸ばして、レオのモノの先端から溢れ始めた半透明の液体を指で掬い上げ、刺激するようにちょんちょんとなすりつけてあげます。
直接、私がしているのではないですから、ルール違反ではないと思いますのよ?
さらにレオの息遣いがさらに荒くなってきて。
これはもうゲームオーバーではないかしら?
「まだ、時間に余裕ありますのよ? もっと、早くして。こうもっと」
レオの手にそっと手を添えて、動きを早めてあげます。
直にではないですもの。
ただ、ちょっとだけ手伝っているだけ。
直接、アレを出させようとしてないのですから、問題ないでしょ?
あなたが出るのを我慢している顔が見たいの。
快楽を求めるように手を動かすレオを見て、私は舌なめずりをすると彼の隣に腰掛けて、彼の耳を甘噛みしました。
ふぅって、軽く息を吹きながら、耳たぶを甘噛みするとレオの身体がビクッと反応して、手の動きが早くなったから……何だか、ゾクゾクしてきますわ。
「ねぇ、レオ、これが気持ちいいんでしょ?」
耳たぶを甘噛みしてから、舌で軽く舐めるとさらに彼の手の動きが快楽を求めてきたように見えます。
勝ったわ!
まだ、残り三分もあるんですのよ?
身体をぴったりと押し付けると信じられないくらいに鼓動が早まっているのに気付いてしまいます。
レオも私も鼓動早すぎですわ。
もう、止めを刺した方がいいかしら?
「レオ、もう我慢するのやめてもいいのよ? もう出したいでしょ? ねぇ、今、出したら、きっと気持ちいいわよ。出しちゃいましょ。ねぇ、ほら?」
手の動きを止められず、快楽を求め、早くなっていく様子から、限界は近いと思いますの。
息遣いも荒いですし……ええ、私も?
ここに来て、残り一分しかないですけど平気よね。
「ゲームなんて、もういいから、我慢しないで。出しちゃっていいの。もう限界でしょ? ほらぁ、早くぅ……もっと! 出しちゃってぇ」
「うっ」
レオのくぐもったような声とともに彼のものから、白いものが勢いよく、迸るように飛び散っていきました。
私の足にも多少、かかったのですけど熱いのです。
どれだけ、出るのって心配になるくらい脈動が止まらないみたいで溢れ出る白いのは止まらなくて。
私はただ、それを呆然と見つめてしまい……。
えっと……私、勝ちましたよね?
「えぇ? あれ?私が勝って……」
あら?
どうして、天井が見えるのかしら?
レオに組み伏せられている気がするのですけど。
勝ったら、お預けのはずですわ。
それなのに激しい運動をした後のようにはぁはぁと荒い息遣い。
一心に見つめてくるルビーの色をした瞳に私が写っているけど、そこに浮かぶのは捕食者の色。
組み伏せられたこの状況、いくら鈍い私でも分かるくらいに危ないですわね。
「あ、あのレオ?」
返事無しに首筋に噛みつくような強すぎる口付けで痕をつけられました。
痛いのにレオに自分のものっていう目印を付けられたみたいで嬉しいかも。
そんな思いを他所に肩は強く押さえられていて、服を脱がされています。
脱がされるというよりも剥かれていると言った方が適切かもしれませんわ。
いつもよりも荒々しくて、寝衣が引き千切れてますもの。
どうしましょう?
さっき出したばかりなのにもう元気になっているレオのがつんつん当たっています。
いえ、わざと当てているのかしら?
その度に変な声が出てしまいそうな自分に戸惑いを隠せません。
もう逃げられませんわ。
私は覚悟を決めて、目を瞑りました。
レオの熱くて硬いモノがゆっくりと……
その時、聞こえた声は天使の声でした。
「パーパ! マーマ、いじめちゃ、めっーなの!」
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