設定裏話(大陸/歴史/ソウル・リンク/貨幣価値/神々/魔法/アイテム/種族)*随時更新

大陸について

 異世界アースガルドにはいくつかの大陸が存在するが本作の舞台はその中でもっとも大きなミクトラント大陸である。

 この大陸を実質、支配しているのは神聖レムリア帝国であり、大陸のおよそ五割を上回る版図を有する。

 東部:

 ヴァイスリヒテン王国というエルフの王国が存在し、レムリアとは同盟関係にある。

 レムリア領東部にはアインシュヴァルト家の領地もあり、その同盟はかなり強固なものと言える。

 北部:

 勇猛果敢な少数部族による武装蜂起が絶えず起きる危険地帯。

 西部:

 小さな国が点在し、覇権を争っており、戦国時代もかくやという状況に陥っている。ある意味、もっとも大陸で危険な地方であり、戦う為に特化した独自の技術を有する国が多いのも特徴。

 南部:

 本作の舞台であるカルディア領都アルフィンや港町バノジェが存在する地方で未開地域と呼ばれ、住民に亜人や獣人が多いのも特徴。



歴史について

 神代 古代種である神々の時代

    他次元からの侵略者(混沌の神々)との抗争が始まる

    七十二柱の神により騒乱終わる

    冥界と冥府の女王の誕生

 古代王朝時代 スレイマン大帝による初の統一王朝の誕生と平和

        大帝崩御と長き動乱の始まり

        レムリアース王国の台頭

 帝国歴元年 レムリアース王国の終焉とレムリア帝国の誕生

 帝国歴890年 ド・プロット争乱と帝都炎上

        ノヴァ・グランツトロンへの遷都

 帝国歴1283年 アルフィン騒乱の発生(アイゼンヴァルト家断絶)

 帝国歴1293年 アインシュヴァルト家公女のアルフィン下向

        邪神の一柱ハイドラ降臨と討滅



魂の連鎖ソウル・リンクについて

 七十二柱とは別系統の神種に属するルキフゲ・ロフォカレによって、考案された強化魔法の一種。

 混沌勢力との戦いにおいて、個の戦いでは劣勢に陥った状況を打破すべく、魔動心臓アルケインハートを共鳴させることで疑似的に身体を共有する現象を引き起こし、能力の向上を目指して研究が進められた。

 計画では完全に力を共有し、200%の出力が見込めると思われていたが実際の稼働では良くて150%しか出力出来なかった。また、発動出来る者が限定されたこともあり、計画自体が凍結されることとなった。



貨幣の価値について

 アースガルドには大まかに分けて、五種類の貨幣(硬貨)が存在する。

 銅貨:もっとも価値の低い貨幣。日本円で約100円に相当。

 銀貨:もっとも市場で流通している貨幣で銅貨100枚が銀貨1枚に相当するので約1万円相当。

 金貨:お金持ちが持っているイメージがある貨幣。銀貨10枚が金貨1枚に相当するので約10万円相当の価値。

 白金貨:実質的にもっとも価値の高い貨幣。金貨10枚が白金貨1枚に相当するので約100万円の価値。

 古星貨:古代に落ちてきた星の欠片で鋳造された貨幣で現在、その技術は失われており、現存する数の少なさから希少価値が非常に高い。



神々について

 現在、世界各地の国の王族、高位貴族は七十二柱と呼ばれる神々の子孫を称している者が多い。

 古の昔、かつて人がまだ、未開の野蛮な部族であった時代に高度な文明を築き、世界を制していたのは古代種と呼ばれる現代人と違う種族だったと言われている。

 彼らは優れた文化と技術を有するだけでなく、長命で特殊な能力を使えた。彼らの影響で人は文明を築き上げ、やがて敬意を込め、彼らを神と呼ぶようになった。

 混沌と呼ばれるこの世界と相反する存在が世界を蝕み始め、それに抗い人と共に戦った神々が七十二柱である。

 その影響で子孫を称する者が多くなっているが実際にその血を絶やさず継いでいる家も少なからず存在するのは事実である。


アスタルテ

 七十二柱の一柱。紅の乙女。天の女主人。

 おとぎ話『黒騎士と氷の魔女』の氷の魔女。現代では愛の女神として信仰されているがその真名を知る者すらいない女神。皇祖。

 不死者ノスフェラトゥと呼ばれる不死の身体と高い魔力を持つ古代種。


バール

 七十二柱の一柱。遥か高き天の主。

 おとぎ話『黒騎士と氷の魔女』の黒騎士。現代では嵐と慈雨の神として信仰されているがその真名を知る者すらいない神。皇祖。

 アスタルテの夫であり、神々を統べる者でもある。


エレシュキガル

 冥府の女王にして死の女神、冥界を支配する者。

 正体は自らを罰して、冥府へと下ったアスタルテ。現代においては恐ろしい姿をして、魂を喰らうと伝えられているので本人が知ったら……間違いなくキレる。

 ブリュンヒルデ(ヘル)やニーズヘッグを過保護気味に甘やかして、育てた張本人。古竜種であるニーズヘッグの力を古竜王種クラスまで引き上げたのもエレシュキガルの育て方のせい。


ブリュンヒルデ

 愛称はヘル。燃え盛るヘルと名付けられた冥府生まれの半神半人。

 産後すぐに亡くなった母親の代わりに育てたのがエレシュキガル。死を与える力だけではなく、生を与える力を持つ為、調和のバランスを崩さないよう冥府を出ることは許されていない。

 現代において冥府の女王として知られているのはエレシュキガルではなく、ヘルの方。


ナムタル

 冥界の宰相として知られる冥府の女王に仕える下級の神。有能な官僚であり、実務はナムタルなくして成り立たない程。

 鋭く尖った猟犬のような面構えをした獣頭の神でもある。


サーベラス

 南の竜王エキドナの子。冥府に下り、冥府の番犬と呼ばれる守護兵になっている 

 見た目は漆黒の毛皮に覆われ、体長が5mほどもある巨大な狼。

 ただし、頭は一つであり、三つはない。むしろ『三つにした方が強くない?』というエレシュキガルの魔改造を拒否しての一つ頭らしい。


レライエ

 七十二柱の一柱。癒しの力で知られる女神。その権能から現代においても信者の数は多い方である。

 小柄・垂れ目の狸顔の癒し系。アスタルテのことを姉と慕っていた。


サタン

 試みる者と呼ばれる神々の一柱。見た目は少年のように見えるものの神々の時代から生きている存在だけに実年齢は不明。性格はものすごく悪そう。

 バールとしての記憶を取り戻したレオンハルトによって、その力を取り込まれ消滅した。


アスモデウス

 七十二柱の一柱。力ある武人として知られた神。

 威厳があり、騎士然とした貴公子。ただ一人の女性を一途に想い続けた神話は現代においても有名である。しかし、その権能は色欲という正反対のもの。

 その血を受け継ぐ子孫がレムリアの貴族として、その血脈を繋いでいる。


アガレス

 七十二柱の一柱。

 視ることに特化した権能を持つ。

 その血を受け継ぐ子孫がレムリアの貴族として、その血脈を繋いでいる。


グレモリー

 七十二柱の一柱。七十二柱の中では珍しい女神の一人。

 愛を司り、愛を交わすアスタルテに対し、愛を得ることに特化している。

 その血を受け継ぐ子孫がレムリアの貴族として、その血脈を繋いでいる。


ハイドラ

 混沌の神の一柱。ヒドラとも呼ばれる。多頭竜として知られるヒドラとは別の存在。

 別次元では神と呼ばれていた貴種だが蛇のような長い胴体に頭と首の代わりにハイドラが奪った犠牲者の上半身が生えているという悍ましい姿をしている。また、降臨には多数の命を捧げる必要がある。

 物理攻撃でも魔法攻撃でもなく精神攻撃により、心を壊した者を物理的に喰らうのが特徴。

 帝国歴1283年に起きたアルフィン動乱の原因であり、過去に何度も七十二柱と交戦している為、邪神とも呼ばれている。

 帝国歴1293年にアルフィン湖に再降臨したがレオンハルトとリリアーナによって、完全に倒された。



魔法について

 魔法を使える者は魔法使いと呼ばれる。

 冒険者や傭兵にも魔法使いは多い。

 魔導師は国に認定されたお墨付きの魔法使いである。

 爵位を持つ者も多く、特権がある反面、国に属するというしがらみもある。


 魔力はいかなるものにも存在しているので魔力を持つだけでは魔法使いではない。

 魔力が高いことこそが魔法使いの第一条件と言っても過言ではないのだ。

 魔法使いとしての力ある者は心臓を魔力の層が覆い、魔動心臓アルケインハートという特殊な器官が生成される。

 これこそが魔力を生み出す源であり、魔力量が常人よりも高くなるのだ。


 火を付ける、魔導灯に光を灯すなどの生活魔法は魔力が無いとされる一般人でも使えるように開発された魔法である。

 少なくとも魔法使いと呼ばれるにはレベルI以上の魔法が使えないと認められない。


 属性は炎土風水の四属性がもっとよく知られており、使用者も多い。光と闇の属性は特殊な血にしか、発現しないとも言われ、使い手の希少価値は高い。

 亜種の属性魔法も存在し、風属性には雷が水属性には氷、闇属性には死霊などが確認されているが使用者自体が少ないせいか、実データが取られていないのが現状である。

 また、固有魔法と呼ばれる術者が独自に編み出した専用の魔法も存在する。これらはレベル相当外とされるがレベルVと同等もしくはそれ以上の危険な魔法が多い。本編で使用されたものはエレシュキガルの使用する防御結界七つの門セブンスゲートのみである。


レベルI

 いわゆる初級魔法。無属性のエネルギーボルトや炎属性のファイアボルトなどの魔力も少ない、威力もそこそこなどの魔法が多い。

 無属性エネルギーボルト、炎属性ファイアボルトetc

レベルII

 中級魔法に属する。

 炎属性ファイアボール、フレイムフィストetc

レベルIII

 上級魔法であり、このクラスになると宮廷魔導師に登用されるような高名な魔法使いしか使えない。詠唱自体が難しくなり、消費する魔力量も当然のように多い。

 氷属性アイシクルランス、カリアッハベーラetc

レベルIV

 超級魔法。伝説的な魔導師にでもならない限り、使えない。難易度も消費魔力も高く、威力も地形を変えるような大規模なものになる。

 地属性メテオスォームetc

レベルV

 VもしくはV以上はもはや人ではない存在にしか使えない魔法とされる。消費魔力もずば抜けて高く、天変地異さえもを起こせる危険なものが多い。

 氷属性アブソリュートゼロetc

固有魔法

 レベル外の存在である高位術者が独自に編み出した専用の魔法を指す。異なる属性の魔法を組み合わせたものや世界自体を改変するような危険なものなど、術者の個性に応じて、様々なものが存在している。



アイテムについて

天剣オートクレール

 三剣の一つで天の剣、他に地の剣と人の剣があると伝えられている。神々の時代に戦女神アスタルテの愛剣として、幾多の戦場を駆け抜けた水晶の刀身を持つ美しい刺突剣。

 見た目は刺突剣だが魔力を流すことで連結刃チェーンエッジに変化する。その際は距離適性が近距離~理論上無限大になり、意のままに操ることが可能。

 現代において、本来の持ち主であるリリアーナの手に戻っている。


地剣デュランダル

 三剣の一つで地の剣。神々の時代にバールが使っていた剣であり、鋼の板ですらバターのように切り裂くことが可能。

 見た目は凝った意匠の施された非常に美しい片手持ちのロングソードである。

 ハイドラ撃破後に発見され、本来の持ち主であるレオンハルトの手に戻っている。


人剣ジョワユーズ

 三剣の一つ。所有者も所在も不明。伝説によれば、統一王であるスレイマンが所持していたとされるが形状も能力も一切が不明。


アーテル

 リリアーナの愛馬。バイコーンと呼ばれる双角を有する漆黒の馬の魔物に似た見た目をしている。しかし、実際にはエレシュキガルの創造した魔法生物であり、バイコーンとは似て非なるもの。

 その為、バイコーンが非処女しか乗れないとされているのに対し、アーテルにそれは当てはまらない。ただし、女性格であるせいか、男に近付かれるのは気に入らないらしい。


雷剣レーヴァティン

 ライモンドが雨宮ユウの為に製作した青い人工魔動心臓アルケインハートが組み込まれた片手剣。その形状は特殊で刀身から、切っ先が七本出ているいわゆる七支刀に似たもの。

 雷剣の名に恥じず、雷雲を呼び、その刀身に雷を纏わせ、雷撃を放つことも可能。元々、作られた時は炎剣だったが持ち主の成長に合わせ、剣が進化した。


レライエ

 ライモンドがリリアーナの為に製作した紅い人工魔動心臓アルケインハートが組み込まれた両手持ちの大鎌。形状としては武器の種別に入るものだが武器と言うよりも魔法使いが持つ杖に近い扱い。ただし、鋭利な刃が付いている分、殺傷能力は高くなっている。

 レライエの名で分かるように心臓部の人工魔動心臓アルケインハートは女神レライエが姿を変じたもの。なぜ、そうなってしまったのかは不明。


長蛇号ヨルムンガルド

 アイテムに入れるか微妙なところのロンディア侯アラーリックが配備した新造艦。

 偽装により、見た目は魔導砲すら装備していない大型の戦列艦を装っているがその内部に秘匿された銀色の船体は流線型でどちらかといえば、潜水艦に近い見た目をしている。

 艦橋や可動式の魔導砲を備えているだけでなく、翼のように側面から出ている鋭いラムと船首部分に装備された曲刀のようなラムによる突撃攻撃も得意としている。



種族について

エルフ・ダークエルフ

 妖精の亜種。人間よりも長命で美しい容姿で知られる。

 古エルフエンシェントエルフと呼ばれる不老不死に近い寿命と高い能力を有する存在も確認されている。

 ダークエルフは南に住むエルフの蔑称であり、見た目や力に差異がある訳ではない。


ドワーフ

 妖精の亜種。人間よりも小柄な体格をした人種で手先の器用さから、腕のいい鍛冶師を輩出することでも知られる。体格の割に屈強な肉体を有していることでも知られており、


人狼ルガルー

 いわゆる狼男。狼系の獣人。人→獣人→獣の三形態に変身が可能な獣人の一種。

 戦闘能力が高いことで知られ、傭兵や暗殺者などでも高名。アンヌマリーの属する影牙族シャドーファングやアモンの属する銀牙族シルバーファングが知られている。


竜人ドラゴニュート

 ドラゴンの眷属とされる二足歩行の爬虫類に良く似た獣人。

 同じ爬虫類系の獣人として知られるリザードマンがいるが一緒にされるとプライドが傷つけられるらしい。フュルフールの属する白の大盾ルフスアイギスが知られている。


コボルト

 一般的には魔物として扱われている犬系の獣人。人狼ルガルーなどのように変身するのではなく、犬のような頭部に人間の子供くらいの背丈しかない獣人態が通常の形態である。


オーク

 一般的には魔物として扱われている豚系の獣人。一般的に野蛮で食欲と獣欲にまみれた危険な種族と思われている。

 実際は絶対的な王による君主制が取られ、秩序だった社会を築いており、軍事国家のような存在。


ミュルミドン

 軍隊蟻がリリアーナとの魔法の契約とその魔力を帯びた血を浴びたことにより、急速進化して二足歩行型の獣人となったもの。

 蟻に似た頭部と強固な外骨格と生まれながらの戦士であり、高い戦闘力を有する。感情の類がないように見られ、まるでロボットのよう。

 元の個体の差なのか、能力に差異が出るらしく、高い能力を有するナイト種とそれ以下の平均的な能力のソルジャー種が存在する。


ディープワン

 深き者とも呼ばれる混沌の軍勢の一角を担う凶暴な肉食魚のような頭部に全身を鱗で覆われた外見の獣人。主に槍を使った戦闘を得意とする。

 仕える神に忠実な存在でもあり、その行動は神を顕在化する為だとも言われている。


グレイヴン

 潜む者と呼ばれる混沌の軍勢の一角を担う鼠に似た頭部と小柄な人間くらいの背丈の獣人。古の昔より狡猾で凶悪な魔物として知られていた。

 人狼ルガルー竜人ドラゴニュートが争うように仕向けたり、ニーズヘッグを唆したりした策士のラタトスクはグレイヴンの中でも高位の指揮官である。


不死族ノスフェラトゥ亜種

 吸血鬼ヴァンパイアの一種と思われる混沌に属する魔物の一種。

 別名・食屍鬼。しかし、その名に反して、生きているものの脳を啜る悍ましい性質を持っており、その見た目も内臓や器官、筋肉など全て裏返しになった見るだけで心を壊されるようなものである。

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