第29話 王国議会
「久しぶりだな、レイド。」
「はい、お久しぶりですね国王陛下。」
周りを官僚、貴族に囲まれているため対外的な挨拶を行う。
「例の旧帝国との件は非常に助かった。が、冒険者としてのおぬしの立場は大丈夫だったのか?」
「ええ、何とか謹慎と強制召集ですみました。」
「そうか、ライセンスは剥奪されなかったのだな、よかった。」
「さて本題に移るとしよう。今回の議題は例の新帝国と人民連邦についてだ。評議会が独立に力を貸したそうだな。」
「はい、参戦という形ではないですが、実際戦闘には加担していました。」
「なるほどな、宰相、人民連邦とのコンタクトは取れたか?」
「それが非常に厳しい状態です。かの国は評議会意外とは現在外交的に閉鎖しています。」
「ふむ、つまり実質的に人民連邦は評議会と同盟関係にあるか、もしくは傀儡国とでもいったところか。」
「そういうことになります。」
「新帝国との外交はどうだ?」
「こちらは順調に進んでおります。現在軍事及び経済的な相互支援という形でまとまっています。」
「うむ、できるだけ早く締結するのだ。新帝国の国民は現在飢餓に苦しんでおるようだ。我が国から食料を渡し良好的な関係を構築しなければ世界のパワーバランスが崩れてしまう。」
「はっ!仰せのままに。」
「議会解散!!」
国王のその一言で議会は解散され部屋には俺と国王だけが残った。
「すまん、ありがとう。」
「いや、俺が勝手にやっただけだ。それに俺はあんたから受けた恩を返したいだけだ。」
「そんなことは気にしなくていいんだがな……。」
そんな話をしながら酒を飲み始めた。二人で酒を飲む機会は何度もあったが、死の直前から解放された時の酒はいつもと異なりまずい。でもそのまずさを流すため大量の酒を飲む。2回目になるこの飲み方、危険だと分かっていてもやめられないのだ。
「レイド飲みすぎじゃないか?大丈夫か?」
俺は意識が朦朧としていて、ここに泊まることになった。危険だから風呂に入らず客室に向かう。部屋の扉を開け、ベッドに横になる。客室にある水を飲み、夜風を浴びて少し酔いを醒ます。
「はぁ……今回も何とかなってよかった。死を実感するのは2度とごめんだったが、また感じる時が来るとはな……。」
「もう寝るか。」
俺ほ失念していた。この城には例の魔物が住み着いていることを。
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