第20話 決戦 中編
俺は現在無口の少女と本格的に魔術交戦をしている。少女が嘘をついている可能性もあったため張りぼての皇帝に降伏調印を求めてみたが意味をなさなかった。その張りぼての皇帝も今は頭が通路に転がっている。少女がこの男を殺すのに躊躇いが無かったことから本当に皇帝ではないのだろう。
「究極魔術(アルティメット)オーレ・アース」
無数の土の槍が地面から突き刺すように上へと瞬時に伸びていく。
しかし少女は何事もなかったかのように相殺していく。
「究極魔術(アルティメット)イル・フレア」
俺たちの地面はドロドロのマグマとなった。
「私とあなたは持久戦をすればあなたが勝つでしょうけど、レティシアの相手をしていた子はその時まで持ちこたえられるでしょうか?片方が居なくなり2対1ともなれば流石の剣聖であれど負けてしまうんじゃないでしょうか?あなたはそれを分かっていて博打に出たが失敗した。つまりあなた方の負けですよ。早く降伏しましょう?」
「悪いけどこの戦いは負けられなくてね……最悪玉砕してでも国防してみせるよ。」
「そうですか、全く気持ちは理解できませんが意思が固いことは良くわかりました。……では彼女たちには死んでもらいましょうか。」
そういうと魔術を起動したら4人が宮廷に突如出現した。
……ッ!?
ナミとミリアはすでに拘束されている、大勢は決した。そんなことは分かっている、しかし簡単に負けられる戦いでもない。
「ごめんレイド……わたし…まだまだあなたの隣に立ててなかったんだね…。私が足を引っ張ったから……ごめん……ごめんね……。」
「ごめんねレイ君負けちゃった……。」
泣きながら自分を責めるナミと完全に負けて心が折れているミリア。
「いや、俺が悪いんだ。元は俺が一人で行うものだったから……。だからお前たちに迷惑をかけるわけにはいかない。転移陣起動。」
俺は魔術で二人を俺たちの家へと転移させる。
「ふーん。私以外にも転移魔術使える人っていたんだ。」
「ああ俺も驚いたよ、俺以外に居たのかってね。」
「でもいいの?3対1だよ?」
「ああ、賢者の力ってやつを見せてやるよ。世界魔術(ワールドチェンジ)オール・アイス」
広大な範囲かつ強力な魔術のため執行までに時間がかかってしまう。1分間俺は全力で3人の猛攻を耐え、避けていくしかない。
逃げながら魔術を相殺して何とか時間稼ぎをする。魔術陣に魔力を流し続けて魔術を構成する必要があるため一定以上離れることができないのだ。
「あと30秒……!!」
3人も苦虫を嚙み潰したかのような表情を浮かべながら全力で攻撃してくる。
「ぐっ……あと15秒……!!」
俺の防御障壁にひびが入ってきている。まずいっ……!!
9、8,7……魔術の完成が先か防御障壁が突破されるのが先か……。
6、5、4,3……あと少し……頼む持ってくれ!!
2……バリン、、グサッ……防御障壁が破られ体を切りつけられる。
1……俺は意識が遠のいていたが、最後まで魔術のためにひたすら魔力を流していく。
0……
ヴォン、魔術を起動する音が聞こえ俺の意識は途絶えた。
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