第18話 開戦
俺はホテルに戻って事の顛末を娼館に行った事を隠して報告した。が、、、。
「……ねえ凄いエッチな匂いがレイ君の体からするんだけど……。」
「そうですね、何とか隠そうとした気配もしませんし、、、どういうつもりなんでしょうかね?」
ミリアとナミに怒られてしまった。
「いや、その移動で溜まってしまったというか、、、それに二人もお酒飲んでたから、俺も楽しんでもいいかなと……。」
「「ふーん、まあいいわよ(いいですよ)。」」
そうして二人はスタスタと寝室に戻ってしまった。今回は二人とも少しご立腹のようだ、何かで機嫌を取らなければ、、、。どうしたものか……なんか昨日の事思い出して来たらムラムラしてきたな……今日こそは普通の娼館に……!!
よしっ!早速行動だ!プレゼントで機嫌を取るためにホテルを出るか。ん?別に昼から娼館に行こうだなんて考えてないよ?本当だよ?
そして部屋を出ようとした時だった
カーン!!カーン!!カーン!!
鐘が三回なった。そして都市放送が流れ始めた。
「本日ただいまをもって我々帝国は王国に宣戦布告する。誇り高き帝国の臣民よ!我らの幸せを壊そうとする鬼畜王国を見返す時が来たのだ!!立ち上がれ!!立ち上がるのだ!!!!」
あちこちから怒号のような咆哮が聞こえる。帝国の結束力は存外強いのかもしれない。しかしそんなものは誤差でしかない。
「さてそろそろ動きますか。」
一人で呟いて一人で出ていく。
帝都の最高の出来と称賛される建築物の一つである時計塔に上っていく。
時計塔から景色を眺める。
「綺麗だ、帝国もそして帝国民も、、、ね?……そう思いませんか?レティシア様?」
「ええ、そうですわね。」
俺たちの間に緊張が走る。
「予定ではレティシア様は全線で指揮を執る予定では?大丈夫なんですか?こんなところに居て。」
「ええご心配なく。」
お互いの一挙手一投足に注目がいき脂汗が出る。
「例の件ですか?それともあなたの本当の目的である俺の無力化をしに来たんですか?」
「……気づかれてましたか、流石ですね。」
「ええ、貴方が自分の父を殺してまで国を3分割したいと言う人ではないと思いましてね……。」
「私が皇帝の娘であることまでばれていましたか……。」
「では依頼は無かったということで、、、。」
「はい。」
俺たちの間の緊張は最大になり、どちらが先に仕掛けるかの読みあいになっていた。
しかし予想外の展開でその時はやってきた。
「ちょっとレイド!!普通私たちのところにきて謝るのが筋でしょ!?なんで外に出てるのよ!!少しは反省しなさい!!」
ナミがやってきてレティシアの注意が若干逸れた。
俺はその僅かなスキを見逃さなかった。
「究極魔術(アルティメット)、エル・アイス」
エルは光線を表す魔術言語である。レティシアの体すべてを飲み込み光は帝都を真っ二つに分断した。
光線が通った後はすべてが凍り付き植物は死に絶え、軍人も犬もすべてが氷漬けになっている。
肝心の3公の一人レティシアはというと、、、
「ふぅ~危なかったよ~レティ、慢心しちゃだめだよ~。」
ゆるっとした感じの女の子と無口な女の子に防御されて無傷だった。
「お返し、究極魔術(アルティメット)エル・フレア」
無口な女の子から高温ですべてを焼き払い、溶かしつくす光線が放たれる。
間一髪でナミを抱えて避ける。俺たちがさっきまでいた場所は石作りの床だったが、ドロドロに溶け今もなおその温度は下がる様子がない。
「レイ君!!大丈夫だった!?」
ミリアも異常を感じ取り駆けつけてくれた。
「これで3対3ですね、恐らくこの戦いで王国との戦争の勝敗が決まるでしょう。」
こうして国家間の総力戦の裏で一大決戦も勃発した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます