第15話 現地調査
帝国領帝都、帝国の首都にして世界二番目に巨大な都市である。世界一番の都市は王国領ヘイズ(王都の隣の都市)であるが、ここは連立都市であるため、単純な大きさでいえば実際は帝都が世界最大である。帝国は中央集権であり、独裁であるため帝都が事実上の世界最大都市になったのだろう。逆に王国は君主主義だが議会を有しており、立憲君主制を採用している。ある程度地方分権であるから都市の大きさが負けているのだろう。
仮に戦争が起きれば帝国は帝都を失陥すれば即座に降伏すると予測される。逆に王国は王都が陥落してもそれぞれの都市に逃げて臨時首都にすれば戦うことができるだろう。
そんなことを頭の中で考えながら先に夜飯を探して歩きまわる。帝都は栄えているだけあって人が多く非常に賑わっているが、その割には出ている店の数が少ない。情報収集すべく帝都のバーに入ってご飯を食べる。
「すまない、相席いいだろうか?」
「ああ、かまわないよ。」
俺は30代後半ぐらいに見えるおっさんに話しかけ同席する。
「俺は帝都に初めて来たんだが、帝都はすごいな。都市の大きさもさることながら、人の多さに驚かされたよ。」
「ああ、今は地方からも帝都に召集されているから特に多いんだ。ほら例の王国と帝国の問題がな……。」
「ああ、そういうことでしたか。俺は世界を旅してまわってるんですけど、あんまり帝都に長居しないほうがいいですかね?」
「そうだな、、帝都がいつ戦火に巻き込まれるかはわからんが近いうちに必ず巻き込まれる。早めに逃げておくことをおすすめするぜ。」
「おっさんは逃げないのか?」
「俺は逃げられねぇんだ。正規軍だからな。」
「なるほどな、そういえば帝国には3公とかいう化け物級に強いやつがいるらしいな。そいつらが動いたら帝国が勝つって噂があったが本当か?」
「本当だが、、、如何せんうまくはいかないんだ。3公は今回の戦争に参加する条件として3公による帝国支配と王国分配を条件にしている。つまり帝国の皇帝の座と王国の統治というすべてを渡せば参加してやる、というわけだ。もちろん皇帝陛下は許可するわけなく、現在は3公と皇帝の間にも亀裂が入っている。」
「なるほどな、ありがとな。こいつは俺からのお礼だ。美味しく飲んでくれ。」
店員に俺とおっさんの分のお金を渡して酒場を去る。
なるほどな、帝国と王国の対立のほかに3公と帝国の対立も起こっているのか。一回3公に会って話がしたいが、、、。
「まあとりあえずメインディッシュの娼館に行くとするか!」
帝都のメインストリートを歩いていると、絶世の美女が歩いていた。周りも美女のボディーガードがついていた。
あそこだけ雰囲気が違う、それにおそらくあの女は強い……、何者だ?
ばれないようにこっそりと移動し、3番通りに入っていく。
「ふぅ~あの人は危険だ、何者かは分からないがあまり目を付けられないようにしよう。」
小声でボソッとつぶやき、右から4番目の店に入る。
その時男は気づいていなかった、その店の看板がSMクラブだということに……。
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