祖である私と子供達の暮らし

子供達と会って1ヶ月くらいたった。

その1ヶ月の間に子供達に今の外の事を教えてもらっていた。

それと子供達の事も少しだけ分かってきた。


氷くんは綺麗で儚げな顔とは正反対に図太く心が強い。

飄々としていて悪意も煙に巻くのが上手い。

それと一番年上だという責任感もあってなにかとみんなをまとめるのが上手だ。

けれどみんなを守ろうと無理をする傾向がある。


雷くんは氷くんを補佐して助けていてとても穏やかで優しい。

それと子供達の中で一番料理が上手で人を落ち着かせるのが上手い。

けれど少し純粋(たぶん氷くんが守ってた結果)なのは良いが人が言った事(悪意ある言葉など)を本気に捉え気にしてしまう傾向がある。


嵐くんは華やかな雰囲気や容姿をしているが少し口調が乱暴気味だ。

だけどとても面倒見が良く人を良く見ていて気が使える良い子だ。

けれど人に自分の事より仲間や家族の事を言われると悲しそうにする繊細で傷つきやすい傾向がある。


輪くんは私の一族の年齢を人にすると10才くらいの年の子だがとてもしっかりしている。

真面目で我慢強く頑張り屋さんだ。

けれど我慢強く頑張り過ぎなので甘える事や休む事が下手な傾向がある。


一番年上で祖でもある私が起きたのだから少しずつでも良くない方は大丈夫にしたいと思っている。

(みんな頑張り過ぎで優し過ぎなんだよね、、、良い事なんだけどね)


「祖!朝ごはんが出来たと雷が言っているぞ」

「うん、直ぐに向かうよ。輪くんも呼んでくれてありがとう」

「うん!雷に伝えてくるぞ!」


今までも思っていたと思うが私の心の中の声と喋っている言葉が違うのは理由がある。

簡単にいうとこの世界に生まれた私の時の口調(穏やかな口調)がそのまま出てるだけだ。

なら何故精神体の時は普通に喋っていたのかというと精神=心みたいなモノだからだと思う。

ちなみにこの世界の私も普通に今の私みたいに喋る時もあるんだけどあまりにも慌てている時や冷静じゃない時に出る。

それと心を許した人にもたまに普通の口調で話している時があったみたい。


それと輪くんが呼んでくれたので朝ごはんを食べるために向かう事にした。




私がリビングに来るとすでにみんなが居た。

これは私が起きてからずっとこうだった。

(いつもみんなの方が私を待ってるんだよね)


「おはよう、雷くんの料理はいつも通り美味しそうだね」

「ありがとう、祖。そう言われると私も嬉しいよ」


お世辞ではなく本当に美味しそうというより美味しい料理なのだ。

ちなみに初めて朝ごはんを作ってもらった時は美味しかったけど量が多すぎて残してしまった。

女の子が食べれる量ではなかったので仕方なかったんだけど私が残したのが美味しくなかったからだと思われたのでちゃんと女の子は男より半分も食べない生き物だと伝えた。

(あの時は三分の一くらいしか食べれないくらい多かったからね)


「祖、どうぞ」

「ありがとう、氷くん」


私の椅子を引いてくれた氷くんにお礼を言って椅子に座った。

(これもいつも通りなんだけど、、、私も何かしたいな)


「、、、明日は私がご飯を作ろうかな?」

「え?祖、、、飯作れんのか?」

「嵐くん、私は一族の祖だよ?料理は得意だよ」

「あ、そうか!祖はボク達の一族の祖なのだから料理は得意なのだな!」

「うん、私達の一族は植物を司るからかみんな料理が上手だからね。私も得意な方なんだよ?」


私達の一族は何故か料理が上手い人が多い。

得意ではなくても一人で暮らすことが出来るくらいには上手い。

(本当に明日ご飯でも作ろうかな?、、、けど、今はまだ目覚めたばかりの私には何もさせないだろうなぁ)


「あ~、、、祖の料理は魅力的だが目覚めたばかりの祖にまだ無理はさせられないからなぁ」

「ああ、そうだね。明日も私が作るから祖は休んでてくれ」

「そうだな、祖が万全な状態になってからの楽しみにとっておくわ」

「ボクも楽しみにしておくから祖はまだ休んでないとダメだぞ!」

「ふふ、分かったよ。もう少しゆっくりさせてもらうね」


確かに起きたばかりの時は少しだけ体に倦怠感があったけど今はもう大丈夫だ。

(う~ん、、、この子達も兄様達みたいに過保護になってきたなぁ、、、、兄様と同じくらい過保護にならないと良いけど)



そんなこんなで封印された祖の私は少し甘やかされながらも今は一族と一緒に幸せに暮らしてる。





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封印された祖だよ あおい夜 @suzakumon

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