祖である私はまた眠る

クリスタルはヒビが入った所から崩れるように割れて欠片は消えていく。

そしてクリスタルがひときわ輝くとパリンという音が鳴り響き光が消えていった。

(あ、体にひっぱられ、、、ああ、封印が解けたのか)


私の精神は体に戻りそこから意識がなくなってしまった。





二代目・天氷視点


クリスタルが放つ光が強く輝きを増すので目を開けられなくなり目を閉じる。

すると直ぐにパリンという音が鳴り響き強い光が消えていくのを感じたので目を開けたがまだ光の影響で周りがボヤけて見える。

(何が起きた?みんなは無事か?祖は?)


「おい!無事か?」

「氷?ああ、さっきの光のせいで少し目が痛いが他は大丈夫だ」

「雷か、、、嵐!輪!大丈夫か!」

「俺は大丈夫だ!輪は?」

「無事だぞ!ちょっと目が痛いだけだぞ!」


どうやらみんな無事みたいだがオレ同様さっきの光の影響で目にダメージがきてるみたいだ。

(クソ!早く治れ!祖は無事なのか!?)


「チッ、目に深刻なダメージが、、、チカチカしやがる!」

「嵐もか?私もチカチカするがちょっと治まってきた」

「ボクはまだ目を開けるのが痛いぞ」

「輪は光の一番近くに居たからな。オレは一番離れて居たから落ち着いてきたぞ?もう少しでちゃんと見える様になるだろうな」


みんなの会話を聞いて少し落ち着いてきたオレはまだ少しボヤける目で祖が居た所を見た。

(祖のクリスタルが光ってそれからナニかが割れる様な音がしたんだよな?祖は、、、)


「は?、、、え?、、」

「氷?どうしたんだ?」

「、、、あ、あそこ、、、」

「あそことは?」

「祖が居た場所、、、く、クリスタルが、、」

「クリスタル?、、私もだいぶ良くなってきたな。祖のクリスタルか?それがどう、、、え?」

「おい!2人ともどうしたんだよ!祖のクリスタルがどうしたって?まだこっちは良く見えねぇんだよ!」

「祖がどうかしたのか?クリスタルならボクの近くにあるはずだぞ、、、、ない?」


三代目の2人は目がまだ回復しておらず現状を把握出来ないのでオレ達の言ったことに驚いて聞いてきた。

だが、オレ達も見たものに驚いて声が出なかった。

(クリスタルが無い?祖は?、、、ハッ!祖は無事か!?)


「祖は何処に?」

「おい?おい!落ち着け!どうなってんだ!少し落ち着いて話せよ!」

「あ、ああ、、、、すまない、、、祖が入ってたはずのクリスタルが無いんだ!」

「祖のクリスタルが?、、、ちょっと待て、、、もう少しで回復しそうだからオレも見る」

「ボクも目を回復させるのに全力を注ぐぞ!」


2人は目を固く瞑り手で目元を押さえ少しすると周りを確認するようにゆっくりと目を開けた。


「、、、あ?、、、本当に無い、、、祖のクリスタル」

「、、、、、え?」

「輪?」


2人とも目が回復したみたいで祖のクリスタルがあった場所を見ると驚いた顔をしたが輪は何かあったのか下を向いて驚いた声を出した。


「輪?どうした?」

「、、えっと、、その、、、これ、、、何か布が、、白い布がたくさん落ちてるんだぞ」

「白い布?、、、ちょっと待ってろよ直ぐに行くからな?」

「う、うん、分かった」


困惑しきった輪の声を聞いたオレらは直ぐに輪の元に向かった。

(白い布?)





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