封印されてる祖だよ
この世界には様々な種族がいる。
人形(ヒトガタ)の種族は人数が多い順から
人族(じんぞく)
獣人族(じゅうじんぞく)
精霊族(せいれいぞく)
魔族(まぞく)
神族(しんぞく)
の約5種族がいる。
そしてその5種族の中で祖が居るのは精霊族と魔族のみ。
(なんだけど、、、私は神族の祖なんだけど。私まだ生きてますよ?死んでないよ?)
私は自分の肉体が入ってる透明なクリスタルの様な宝石の様なモノの前で考えていた。
『まぁ、幽体離脱してるから説得力は皆無なんだけどね。
、、、、目が覚めて意識だけだけど起きたら前世の記憶があるとは思わないよね?
、、、、誰も居ないから寂しいな、、、こんなこと考えるなんて祖としてはカッコ悪いかな?』
私が目を覚まして前世の記憶を思い出したのはついさっきだったので少し現実逃避をしていたが精神的にも肉体的にも特に問題はないみたいだ。
(いや、肉体は“封印”されてるから分からないけどなんとなく大丈夫な感じがするから大丈夫だよね?)
『う~ん、、、封印される前の今世の私は500年くらい生きていたから、、、前世を思い出すと500年って凄いな。けど神族は寿命が無いくらい長いから500年くらいって思うけど、、、私の見た目って人間でいうと12才くらいだよね?事情があるから仕方ないけどもう少し年食ってても良かったよね?』
透明なクリスタルみたいなモノの中に私が封印されているけれど私の肉体は白い布で覆われていて外からでは見えないが自分の肉体なので私には良く見えるのだ。
『しかし今世の私の心は死んでるから前世の私の意思が働いてるけど、、、あんなことあったのに日本んで平和ボケしてる前世の私の心が死なないって地味に凄い。
、、、、前世は普通だと思ってたけど前世の私の精神って鋼なのかな?、、、まぁいいや。
けど私が目を覚ましたのに封印が解けないのって何でだろ?』
私に施されている封印は私を守る為にされた封印なので完璧に私の意識が目覚めたら封印は解けるはずなのだ。
“カツ、カツ、カツ”
『ん?あ、また子供達かな?』
私が封印されている所に数人の足音が近づいて来る。
(あの子達一日一回は来るんだよね)
“ガチャ、ギィ~”
「おはよう、我らが祖殿。今日の天気はとても晴れていて良い天気でしたよ」
「いいから早くどけよオッサン!後ろが詰まってるんだよ!」
「おっと、すまないな。だが我が息子は口が悪いな」
「あんたの息子じゃねぇだろ!俺はあんたの兄弟の息子だっての!」
「いつも私の兄弟がすまないね」
「あんたのせいじゃないんだから謝んなよ」
「そうだぞ、それより祖にご挨拶がまだだぞ」
「オレはもうしたけどな?」
「あんたのせいで俺らがまだなんだよ!」
凄く重そうで頑丈そうなドアから四人の男が入って来た。
(二代目と三代目か、、、仲良いんだよねこの四人いつも一緒に私の所に来るもんね)
「おはようございます祖!今日もご挨拶しに来ました。ボクは三代目の光星(こうせい)の星輪(せいりん)です」
そう言って挨拶してくれたのは私にまだ挨拶をすませてないと注意してくれていた子で見た目はこの中で一番幼く10才くらいの私の見た目よりも幼いだろう男の子だ。
三代目というのは祖の私から三代目、、、つまり私の孫みたいな者だ。
「良い子だね輪(りん)なら私も、私は二代目の天光(てんこう)の天雷(てんらい)です」
次に挨拶してくれたのは最初に謝っていた子で落ち着いた雰囲気がある男の人だ。
年は20代前半くらいの見た目だ。
ちなみに二代目というのは簡単に言うと私の子供、、、息子みたいな者のことだ。
「騒がしくしてすみません祖。俺はこの輪、星輪の兄で三代目の光星の星嵐(せいらん)です」
その次に挨拶してくれたのは怒っていた子でまだ高校生くらいの見た目の男の子だ。
この中で一番とても華やかな見た目をしている。
「おっと、オレが最後か。オレは二代目の天光の天氷(てんひょう)です。オレと天雷とは兄弟さ」
最後に挨拶してくれたのは一番始めにドアを開けて挨拶してくれた子で年は天雷くんと同じくらいに見える。
この中で一番綺麗な男の人だ。
ちなみに光星とか天光とかは名前の事だ。
簡単に説明すると~の一族の名前が天光(または光星)で二つ名が天氷みたいなもので兄弟だと同じ名前になってしまうので二つ名をつけてる感じだ。
(みんな私が封印されてから生まれた子達だから私のこと何も知らないのに毎日来てくれるんだよね、、、嬉しいけど私の一族って私とこの四人しか居ないのかな?封印されて500年くらいたったけど最初の100年は私の兄弟達も何人か居たんだけど、、、それからずっと見てないって事は多分、、、居ないって事だよね)
ちなみに私は封印されてるときほとんど寝ていたけど意識は少しあった。
前の私の心はその時には死んでいるのでぼーっとしている感じで記憶にあるだけみたいなものだったけどこの500年間の事もちゃんと覚えていた。
(つまり私って精神的には1000才って事か~、、、、年寄りだなぁ)
「オレらの祖はどんな人なのだろうなぁ?」
「二代目のあんたが知らないんなら俺らが知ってるわけねぇだろ」
「私は親から祖は祖の中でも最後に生まれた末だったくらいしか知らないな」
「そうなのか?ボクは祖達がどんな方達なのかも知らない」
「そりゃオレもだって。けど仕方ねぇだろ?オレ達が生まれた時にはもう封印された祖しか残ってなかったからな」
その話を聞いてやっぱり私の兄弟達はもうこの世に居ないのだと分かった。
「祖よ、目覚めてくれないかい?オレ達はずっとあんたを待ってる」
「急かしてはいけないよ?私達の親は祖の心を癒す為に祖を封印したのだから」
「けどなぁ~、もう封印されて500年はたってるじゃないか」
やはり500年たってたかと思うよりももう起きてるのに封印が解けないんだけどと思ってしまった。
(本当にいつ解けるんだコレ(封印)は?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます