第3話 伝説の武器

その女神の両掌に大事そうに持っていたのは一本の剣だった。



う~ん。。。。取っていいのだろうか。



僕は恐る恐る手に取ってみた。




剣を手に取って見ると、



それはとても美しい剣だった。




鞘から抜くと、その長い刀剣は白く輝き、

柄も白く美しい模様がされ鍔は小さく狭い。



「はぁ~。。綺麗だ。。。。」



思わずつぶやく。



正直、リアルで剣を持ったことなんてないから価値なんて分からない。

警察に捕まっちゃうからね。


でも、初めて持った僕でも普通の剣とは違うのが分かる。

それ程、この剣は美しく、綺麗で、そしてカッコよかった。


しばらく剣にみとれていたが、掲げてみると表示がされた。





白雪 『WHITE SNOW』


攻撃力+300 速さ+100 スキル <カウンター>


世界に7本しかない伝説の武器の1本。この剣は主と共に成長する。 




なに伝説の武器って。

そんな超レア物をゲットしちゃたの?しかも7本しかないの?




。。。まぁ~何はともあれ、諦めず頑張ったかいがあった。

深く考えるのはやめよう。



これで僕の武器は決まったね。しかも成長するなら他の剣をわざわざ調達する必要もないし。


表示で、攻撃力+300がどんな強さなのかは分からないけど、強い武器なのは間違いないだろう。


僕は今の格好で場違いなその剣を腰にさし、女神様に一礼して後にしようとして気づいた。



「あっ。帰れない。結局落ちて死ぬのね。」



僕は外にでて、崖から落ちた。






100万G。これがでかい。


まず僕は宿屋の確保をする為に、困った時の冒険者協会へ行って最初に応対してくれた美人なお姉さんにおすすめの安い宿を紹介してもらった。


おすすめの宿は、夕食付きだけでなく、掃除洗濯まで付いていて15,000G。


だいたいの冒険者はクエストやダンジョンで忙しく、自分の身の回りの世話をする暇がないので食事だけでなく、洗濯、掃除付きもある宿がいいとすすめてくれた。



ほんと美人なお姉さんありがとう。



ちょっと値が張るけど、こっちにきてまで掃除洗濯はしたくないのでこの宿に決めた。


とりあえず1ヶ月分、約45万Gを払った。



次は武器、防具を売っている店へと行く。


武器と防具を見ると、だいたい攻撃力、防御力+3~10の物がほとんど。


店主に聞くと高級素材を使った物やレア物だと+30以上の物もあるらしい。

ん?ちょっとまて?じゃこの腰にさしてある剣って。。。



まぁ~まだ実戦で使ってないし、分からないからとりあえずおいておこう。



武器はあるから防具を買った。


基本、性能よりビジュアル。カッコいいかどうかが僕にとって大事なのだ。


いかつい鎧や鎖帷子等はやめて身軽に動けるファッション性のある防具。というか服にした。


調べると、防御力+1だった。


後は、長旅でも対応できる様に、食材や道具が売っている店などに行き、食材、調味料、調理器具。


あと絶対に買った方がいいと美人なお姉さんに言われたテントを買った。


テントにもいろいろと種類はあったが、見張りができないソロで、夜を明かすのに必要な性能をもっているテントが欲しかった。


探してみると、一つのテントに目がいった。



身隠しのテント(レアアイテム)=魔力を流すと存在が消え5m以内は気づかれなくなる。



20万G。単品では一番高い買い物だった。



休みもなしにダンジョン攻略はできないしね。


後は、仲良くなった薬屋のおやじから薬を買って最後に寄ったのが、魔術の店。



いかにもといった雰囲気のある店構えだった。



中にはいると、ところ狭しと棚があり、分厚い本が並べられている。


個人でやっている本屋みたいな感じだ。


その奥には老婆が一人。近づくと僕を見るなり



「あれ。珍しい客が来たもんだ。冒険者かい。」


と楽しそうに僕を眺めている。


「冒険者はこの店には来ないんですか?」


「そうだねぇ~。この国の冒険者はあんたが初めてだねぇ。だいたい来るのは城付きか、珍しい魔道書をもとめて他の国の魔法使いが来る位さね。」


この世界の冒険者は来ないのか?


プレイヤーは、まだスタートして数日しか経ってない。しかもここは辺境の国。僕が初めての客というのもうなずける。


「魔法はまだ使ったことがなくて。。。どういう風に覚えるんでしょうか?」


「ふむ。。。まぁ~暇だし特別に教えようかね。その代わり何か買っておくれよ。」


「はい!ありがとうございます!」


教えてもらえる時はハキハキと答えるのが大事だ。


「いいかい。魔法を覚えるのは魔導書が必要なんだよ。手に入れる方法は3つあってね。1つ目は、魔法を使う魔物を倒して、たまにドロップする魔導書。2つ目は、宝箱に入っている魔導書。3つ目は、店で買う魔導書。だいたいこの3つで手に入れるのが普通さね。まぁ~覚え方は言うより実際にやってみた方がいいねぇ。どれ。一つ選んでおくれ。」


う~む。まいった。魔法は正直まだいいかなと思っていたが、ここまで親切に教えてもらっては何か買わなくては。。。


「そうだ!敵を調べられる魔法ってあります?」


そうそう。相手のレベルとか分かると戦いやすいもんね。


「調べる魔法。。。色々あるが、初心者で安い物だと、一つしかないねぇ。この本だよ。」


と言って入り口にある本棚から取り出してきてくれた。



「魔法名は、アイズ。唱えると相手のレベルが分かる魔法さね。ただねぇ~。自分より高いレベルの相手には効かないんだよ。高くても倒した相手はどの位のレベルだったかは見ることができるんだがね。」


なるほど。僕より高いレベルの相手には、効かないのか。でも。見れなければ僕よりレベルが高いって分かるだけでも大きい。



「じゃ~これください。」



「1万Gさね。」



「結構するんですね。」



「馬鹿言っちゃいけないよ。この魔導書は初級の初級さね。店売りの中では一番安い部類に入るねぇ。レアで強力な魔法だと1.000万以上する物もあるさね。」



まじか。



受け取ると老婆が言う。


「じゃ~その魔導書の表紙に手を置いて、アイズと言いさね。」


言われた通りに魔導書に手を置いて言う。



「アイズ。」



すると、魔導書が光だし、本文にある文字?らしき物が本から出てきた。それが宙で浮いてたかと思うとそのまま僕の胸の中へ吸い込まれた。



「はい。終了さね。これで唱えれば使えるさね。」



へぇ~おもしろい。



とりあえず、一つ魔法が覚えられた。


老婆にお礼を言って宿屋に戻ることにした。



ふぅ。さすがに疲れたわ。



服屋で買った服に着替えて、夕飯食べて、今日はログアウトしようか。






さぁ。いよいよ明日は冒険だ!








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