第8話 変態、花びら回転する
パチン、と合掌し天才美少女四人たちの衣を引き裂く。
彼女たちはブラとパンツだけの下着姿で吹き飛ばされていく。それも俺好みのもので。
素晴らしい目の保養ではあるが、養分にできたのは一瞬だった。
さっきの今で『仮装引裂』に順応してきやがったんだ。
極級を
なんと『奇跡不逃』が彼女たちを捉えたのは頭上――それも四方から再び極級を放つ手前ときた。
あの奇跡を逃さない《魔眼》が遅れを取り始めるという非常事態。
昨年の特待生で言えば最終局面で訪れた展開を今年の超超超特待生たちは中盤でやってのけてきた。
どうやらセラは吸血鬼のみ行使できる《黒血術》を発動していた。
彼女たちにとってまさしく命である血液。
それが黒く染まるほど肉体を酷使する術だ。発動する《魔法》の威力を桁違いに跳ね上がる。ダンチだ。
ギャル魔女は超級光魔法『天照』により高速移動ならぬ光速移動。
肉体を光に変化させていた。
魔法と魔術は初級、中級、上級、超級、極級、禁級と分類されている。光魔法を行使できる魔法使いは稀有な存在にも拘らず――超級。チビりそうだぜ。
続いて椿は《鬼術》『鬼人化』
彼女は人ではない。
種族という表現で言えば〝鬼〟だ。
この魔法は額に角が生える。
黒>赤>青と色で強さが識別できる他、一本角よりも二本角の方が術として完成度が高くなる。
椿は赤色の一本角。
現時点でそれ以上強化できるかは不明だが、この術は卓越した肉体と源泉のように湧き上がる魔力の恩恵を受けられると同時に活動限界時間が設けられ、バテて弱体化することを考えれば、おそらく全力と見ていいだろう。
余談だが、この学院の三年生――彼女の姉は黒色の二本角だ。
俺はパンティーをおねだりして死にかけたことが十七回あるが、その一回が椿の姉だ。
脱ぎたてが欲しかっただけなのに、意識が戻ったら
今回はそうならない油断しないでいこう。
それと『鬼人化』の恩恵か、剣術秘伝を放つまでの〝精神統一〟が割愛されていた。
俺を切る気満々だ。
乳デカは上級雷魔術『疾風迅雷』
紫電を纏い、空気をバチバチと弾きながら雷速で俺の背後へ。
雷属性の魔術師は先手必勝を重んじる。
雷を纏うことによる肉体強化、高速移動、遠隔牽制の代表格である『
(一般的に《魔術》などを連続で行使する際には術間にタイムラグが発生する。これを《魔術摩擦》、もしくは《魔法摩擦》という)
遠近、状態異常に術間を発生させない怒涛の展開――属性最強との呼び声も高い。
それを習得しているのだから乳デカの技量も大したもんだろう。
結論から言う。
――間に合わない。
『奇跡不逃』でさえ遅れを取った現状。
彼女たちの術こそ《魔眼》を通して認識できているものの、肉体が追いつかない。
さらに俺と彼女たちの距離もこれまた絶妙だ。もちろんミニスカに手は届かない。
不全の俺は《魔術》も使えない。というかまともな《魔法》を持っていない。
『仮装引裂』だって四方位を順番に見て回っているようじゃデッドエンド確実だ。
「極級熔魔術――」
「上級雷魔術――」
「極級光魔法――」
「――流剣術秘伝」
俺を鬱にさせる言葉が耳に入ってくる。
この決闘が終わったらしばらく極級なんて言葉が聞こえて来ない山奥に艶かしい人妻と隠居しよう。
そこでくんずほぐれず熱を帯びる運動だけをするんだ。
老後の夢だったけど、決めたぜ!
ここから生きて帰ってきたら、性に乱れた甘美な生活を送るんだ。
俺は腰を落とし、全身を捻り始める。
「『
「『
「『
「『儚桜』」
各々、ヤバそうな術をぶつけようした次の瞬間、
「《百花繚乱》『
俺は全身を回転させながら360度に花柄が刺繍された『
俺特性のブラジャーはこの空間内で〝神速〟を誇り>>越えられない壁>>〝光速〟となる。
展開寸前の《魔法》と《魔術》を嗅ぎつけたブラはすぐに彼女たちにまとわりつき、喰らい尽くす。
まさしく九死に一生。
発動寸前に終わったそれらを食い荒らしたブラが『仮装自在』に舞う。
初見じゃなくなっていたこともあり、四人は仲良く「「「「チッ!」」」」と舌打ちし撤退。
俺に視認させない高速移動で『仮装自在』を爆ぜるように飛び回る。
視界の隅に入った対象に『仮装引裂』を試すものの、どうやら残像なのか、おパンツを見せてくれない。
なんのためにミニスカを穿かせたのか。ヒラヒラと揺れるチラリズムさえ目に入らぬ速さで飛び跳ねるなど言語道断だ!
俺をここまでキレさせるなんて本当に大したもんだ。
とっ捕まえて弾力が凄まじいであろうお尻をぺんぺんだ。ぺんぺんしてやる!
こうして俺と天才美少女による極級魔術とブラジャーの投げ付け合いという、前代未聞の二分間が始まった。
俺が
見ものだ。
面白くなってきたじゃねえか!
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