知りたがりニーニャ2

「調査する、とは言ったものの…」

全く宛がないね。

そう、葵が眉を下げながら笑う。

その言葉に要舞が頷いた。

「ほんとにね…一応図書館には来てみたけどさ、って感じ」

葵の言葉に同意する様に要舞はウンウン、と頷いた。

「それにしても…」

葵が要舞を見つめて口を開く。

要舞はどうしたのかと首を傾げた。

「大したことじゃないんだけどさ、正体を知れたのって凄く大きいなと思って」

嬉しいと、照れくさそうに笑う。

その言葉に要舞がほんのりと照れくさそうに頬を赤らめた。

思わず背を向ける。

「そう、だね。僕もよかったよ。葵を知れて」

あの時教えてくれてありがとう。

引かないでくれてありがとう。

嫌わないでくれてありがとう。

色んな気持ちが心の中で駆け巡る。

そんな要舞の姿に葵は笑った。

「ともあれ、ひとまずは手掛かりを探せたら良いんだけど…あ」

何かを思い出したのか葵が口を開いた。

その言葉に彼の方を向く。

首を傾げた。

「どうしたの葵」

葵は頷く。

そして図書館から見える施設を指刺せば何か思い出したのか要舞と目線を合わせる。

「確かこの学校、隣の施設と繋がりあるってメリル言ってなかったっけ?」

あっと要舞が瞳を大きく開いた。

そして、頷く。

「それって…!」

葵が真剣な瞳で要舞を見つめた。

「そう、隣の孤児院」

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