五十五章 知りたがりニーニャ
バン、と温室の扉が勢いよく開く音がした。
メリルが木々を掻き分けて走ってやってくる。
「みんな〜お待たせ☆遅くなっちゃってごめんね!」
てへっと星を飛ばしながらウィンクをした。
絶対に反省していないだろう。
この場にいた皆の心がひとつになる。
そんな皆を置いて、メリルは話を続けた。
「実はドリームイーターの討伐をしてくれる人にお願いされたんだけどね、ドリームワンダーワールドでコレを見つけて欲しいんだって☆」
そう言うとメリルはスカートの腰ポケットからゴソゴソと宝石の欠片の様なものを取り出した。
「メリル、それは何かしら?」
メルルが己の肩に頭を乗せたリリーの髪へと頬を寄せながら問いかける。
「うんうん☆メルルちゃんなら聞いてくれると思ったよ!」
待ってました!と言わんばかりにメリルが宝石の欠片を机に置いた。
「これは、魔法少女の『核』らしいんだよね〜」
詳しくはよくわらないけど、と笑いながら机に置いた宝石を突っついている。
「魔法少女の『核』…?ということは、僕らにとっても大切なものなのかな」
エイトが問いかけた。
隣にいたエンジェフラワーがエイトの手に指を絡めて遊んでいる。
「うーん…ワタシたちっていうよりもー『死んでしまった魔法少女』の、かな?」
その言葉にリリーがぴく、と身体を跳ねさせる。
メアリーがリリーの反応に心配そうに眉を下げた。
そんなメアリーの姿にジャック・ドロップは宥めるように頭を撫でた。
うんうん、と頷きつつメリルは続ける。
「まあ、と言っても詳しいことはわかんないんだよね☆だから、この中から二人に調査してもらいたくって!それでキミたちを呼んだってワケ☆」
後はよろしくぅ!そう弾むような声で叫んだ。
メルルが思わずツッコミを入れる。
「いや、アバウト過ぎでしょ。もっとちゃんと説明しなさいよ」
全く、とメルルが腕を組んだ。
あはは、とメリルが笑う。
「うーん…ごめんね☆でも、調べてくれたら分かることあると思うの!一年生や二年生達も使っていいからさ、分析してくれない?」
お願い〜、と懇願するようにメリルが手を手を合わせて擦り寄る。
一瞬引きつつも、決意したのかメルルは頷いた。
「………仕方ないわね」
分かったわとメルルが溜息を吐きつつ頷く。
他のメンツを考える限り自分がした方が良いとメルルは悟った。
「わ、私も」
メルルがするならとリリーが彼女の腕を握り締めながら立候補をする。
そんなリリーの姿に少し嬉しそうにメルルは微笑んだ。
「じゃあ、二人に頼もうかな☆あ、ジャックちゃんとメアリーちゃん、エンジェちゃんとエイトちゃんには別のこと頼ませてね?」
その言葉に全員が意義はないと頷いた。
「ところで____」
再びメリルが口を開く。
そのまま六人を見渡せば苦笑いした。
「キミたちの距離、前よりも近くなってない…?☆」
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