ダズリン・エンジェル4

メールの内容に書かれた通り、恐る恐る温室の扉へと手を伸ばす。

この先に何が待っているのだろうか。

魔法少女サロンって何なのだろう。

メリルには出会えるのだろうか。

そんなことが頭に過ぎる。

扉へと手をかければ、ゆっくりと押した。

季節外れの温かな風がエイトへと吹き込む。

琥珀色の瞳と目が合った。

瞳の中に入った紫色に咲いた花に心惹かれる。

「あ…」

思わず言葉が零れ落ちた。

椅子に座りながら、お茶を飲んでいたであろう黄緑色の髪を束ねた少女がこちらを見つめていた。

「あら、新しい魔法少女ですかぁ?」

甘く優しい声。心に響くその声にエイトは照れくさそうに笑った。

「え、と…うん、そうだよ。えっと…君がメリルくん…?」

その言葉に少女はくすくすと笑う。

そして首を横に振れば席から立ち、エイトの元へと駆け寄った。

そして、エイトへと顔を近づければにこりと笑う。

「違いますよぉ。私、エンジェフラワーって言うんです。エンジェって呼んでくださいね。アナタよりもちょっと先輩の魔法少女ですよ。よろしくお願いします」

名前、なんて呼んだらいいですか?

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