ダズリン・エンジェル3
栄斗は森の奥へと魔法少女エイトの姿で足を踏み入れる。
学園の敷地内にある森は校舎裏なので、人目につかない。しかし、いつ誰に見られるか分からなくて、この魔法少女の姿で森へと向かうのはとても緊張をした。
そんなエイトの緊張とは裏腹に、彼女は誰にも出会う事はなかった。
何事もなく森の奥へと歩んでいく。
森の中は思っていた以上に薄暗い。
時折、木々の間から木漏れ日が差していた。
そんな光る木漏れ日を頼りに、ゆっくりと足を進めていく。
ヘンゼルとグレーテルみたいだななんて思って、一人で楽しくなった。
この先に一体何があるのだろう。
好奇心と不安が入り交じる。
何メートル歩いただろうか、道の奥の方に光が見えた。
エイトは手を伸ばすようにその光へと駆ける。
「わぁ」
エイトの口から思わず声がこぼれた。
「こんな場所にこんなものがあったなんて…」
エイトの目線の先に写るガラス張りの大きな建物。
中はカーテンがかかっていて、状況は分からないが、温室のようだった。
ピロンピロン♪
スマートフォンの音が鳴る。
エイトはスマートフォンを取り出した。
『魔法少女サロンへようこそ!中に入ってね☆』
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