二十八章 大志を抱く事が出来なかった少年は
秋は天気が良い事が多い。
でも、台風が来て天気がとても悪くなることもある。
現在台風の真っ只中。
学校は休校になり生徒は皆、寮の部屋でゆっくりとくつろいだり、課題をしたり、と自由にしていた。
栄斗は自室でベットに寝転がりながら、足をゆっくりとばたつかせ本を読んでいる。
本の内容はミステリー。
とある記憶喪失の青年が、病院から退院する。病院から出ると、自分を助けたと言う女性に出会う。
その女性は探偵だそうだ。
そして自分を助けてくれたという探偵に青年は莫大な借金をしていたことを知らされた。
その費用が払えない青年は探偵と相棒になるという条件で借金をチャラにしてもらう。
その後、数々の難事件を解決していくというストーリーだ。
「へぇ、犯人はこの人なのか……」
興味深いなぁと栄斗が思わず声を零しながら次のページを捲る。
読書は好きだ。
その世界に浸れるから。
それに、強く人に左右されないから。
その道筋を辿るだけだから。
だから、好きだった。
栄斗は昔の事を思い出す。
それは、ある一人の守れなかった友人の事だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます