特別編  甘い誘惑に誘われて蜂は花へと止まる

甘い甘いふわふわとしたそれは

柔らかい生地に包まれて

一口食べてみれば

あまりの美味しさに

目を輝かせる

「うっま!」

標が思わず声を上げる。

学校終わりの放課後。

学校にクレープ販売のワゴン車が来ていた。

流石は私立、といった所だろうか。

本当は男子校だからもっとガッツリしたものが良い人もいるかもしれない。

でも、甘いものが好きな標にとってはとても魅力的なワゴン車だった。

クレープ生地に包まれた。紅くて可愛い苺や、チョコレートソース。

思わずがぶり付いてしまうくらいに食欲をそそられる。

実は、皆には秘密で来ている。

だって、可愛いモノや甘いもの。女の子らしいものが好きと言うのがプライド的に許さなかったからだ。

たまにはこういう日も悪くねぇな。

ワゴン車の近くのベンチに座りつつ空を仰ぐ。

沢山の渡り鳥が空を駆けていた。



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