くるくる回るは思い出のメリーゴーランド3
天気は晴れ。空が青く、白い雲がぽこぽこと浮かんでいる。
遊園地はとても賑やかでまるでお祭りだ。
遠足できた遊園地。仲良い人と一緒に回れとは言われたが中々仲良い人がいない。というより璃音から拒否して壁を作っているところがある。
「色んな、乗り物があるんだな……」
カラフルで種類が豊富な乗り物に思わず目を奪われてしまう。
観覧車
メリーゴーランド
コーヒーカップ
沢山の乗り物があった。
トン、
璃音の肩に人がぶつかった。
わるい、と声をかける。
ぶつかった相手がその場にひょろひょろとよろけた。
思わず璃音が駆け寄る。
「おい、大丈夫か」
璃音はしゃがんでそのよろけた子に手を差し伸べる。
長い茶色の髪をハーフアップにし、そこに白いリボンの髪飾り。ひらひら、とした清楚系の白いワンピースを着た紫色の瞳の少女。顔つきは幼く、いかにも可愛らしい見た目をしている。
その可愛らしさに思わず目が奪われた。
「大丈夫……えっと、そっちは、大丈夫……?」
凛とした可愛らしい声が耳を駆け抜ける。
じ、と見つめる璃音に少女はこてん、と首傾げた。
はっ、とする璃音。
「大丈夫だ。悪いな、ぶつかっちまって」
申し訳なさそうに空いた方の手で少女の頭を撫でた。
「ううん、大丈夫ありがとう」
礼を述べて少女は璃音の手を取る。
「怪我はないか?」
申し訳なさそうにスカートに付いたホコリを手でぱっぱ、と払う。
そうすると少女はくるくるとその場で嬉しそうに舞った。
「大丈夫だよ。へへ、人と話せて良かった。僕、今日どうしてもパレードが見たくて一人で来たからちょっと不安だったんだ。ありがとう、お兄さん」
嬉しそうに少女は笑う。
「お、おう。どういたしまして。こちらこそ、だな。俺も話せる奴がいなかったからさ、話せて良かったよ」
サンキュ、と礼を述べる。そして再び少女へと手を差し伸べた。
「俺は璃音、橘璃音。よろしくな」
自己紹介に嬉しそうに少女は笑って璃音の手を握りしめる。それを己の胸元へと持ってこればふふ、と笑った。
「璃音お兄さん、よろしくね。僕、杏果、
にこり、と頬緩めて笑う杏果にまた、璃音は心を奪われる。
優しい風が吹き抜けた。
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