ここから、一歩まえに
「お腹が空いた」
口から出た自分の言葉に、思わず笑いがこみあげる
「はははっ」口では笑っているのに
心の底から笑えない
それに「可笑しいな?視界がボヤけて見える」
ツーーっと、一雫の水が私の頬を伝い地面に
ポトリ、、
ポトリと、また1つまた1つと一定のリズ厶を刻み落ちていく 数分の間に私の顔は腫れ上がり目も当てられない状態になっていた。
全てがどうでも良く感じていた。
私はいつもこうだ。
後先なんて考えず行動してしまう。バイトの先輩に振られ
居ずらくなったからと言って辞めてしまった。
「バカじゃないの?家賃は?生活費は?
私達上手くいってたと思っていたのに、、、」
彼の事を考えれば考えるほど
どこにもぶつけられ無い
そんな感情に押しつぶされそうになっていた。
それからというもの家に引きこもっていた。
だけど、彼との思い出が私の生活の中で垣間見える
そう、いつしか 彼が私の中心になっていた。
一日中家にいたから、
家の中にあった食料も底をつき
ついには空腹にも耐えれなくなり、
久しぶりの外だった。薄暗い景色に、安心感をおぼえた。
スウエットの上下で、ほぼひと月過ごしていたが、店内の光で、私のシミだらけのスウエットが、いっそう惨めさを醸し出していた。足速に買い物をすませレジ台に乗せると、彼が好きなものばかりだ。〇〇ラーメン、鶏サラダ、バナナ、グレープジュース。無意識下でも、彼を忘れていない。思わず、苦笑する。
帰り道、公園通りにさしかかった時に犬の鳴き声が、聞こえた。「わん、わん」人の匂いに反応してか、少しずつ、激しく大きくなっていく。気には、なったが
早足に通り過ぎる。
かかわるのは、やめよう。どうせ、今のアパートじゃあ。飼えない・・・どころか、仕事辞めてしまったから、急に現実世界に思考が戻る。
犬の声は、これが最後のチャンスとばかりに鳴くのを止めない。
突然「キャンキャン」と、おかしな鳴き声に変わる。
その声に反応して、急いで公園の中に入る。その声をおいながら、鉄棒のそばに置かれた箱にたどりつく。
そこには、子犬が箱からでようとして、前足が箱の外に出て、後ろ足だけ箱の中に残されてもがいている子犬が、いた。
「キミ、ずるいなー。」苦しんでる姿が、あまりに可愛いい。ひょいと、もちあげて箱に入れなおそうとする。(えっ、後ろ足が!!)そう 後ろ足が両方ともに、だらんと力なくぶら下がっていた。
(こ、これはやばい。こんな、状態で置いていたらこの子は、間違いなく死ぬ でも、でも )ええーい、頭の中の、葛藤を押さえつけて、携帯で近くの動物病院を探していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます