だから

クースケ

雨の妖精さん

私は傘だ。そんな私を

小さなその手はギュッと

両手で、力いっぱい握っていた。

彼の手の温もりが私にとって心地よく

一緒にいたかった。

だけど降り頻る雨は嫌いだ。

そんな中、目にしたのは雨に負けず必死に進んでる。

小さな小さなカタツムリの親子だった。


「ほら ちゃんと、ついてくるんだよ」

そう言っているかのようだった

それ以来雨の日にしか現れない「雨の妖精さん」の

成長を見るのが楽しみになった


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