第二章 きみを継ぐ者たち
第22話 動物型の〝残滓〟
「——そっち行ったぞッ、
「わかってる! それより
あの訓練の日から三日後、僕らは
意識を失っているエリ。
エリックから新たな〝
『——今回出現した〝残滓〟は動物型。呼称名は〝
『これからボクらの任務を説明する。本日
『……壊滅って、嘘でしょ?』
『
『せ、センパイ……!』
『ああ、すぐに向かおう』
基地を飛び出そうとする僕らに、しかし来栖くんはただひとり冷静だった。
『待てよエリック……動物型以上の〝残滓〟との戦いでは、最低でも魔法使いを二人以上含めた分隊が基本だ。
来栖くんの
『……残念だけど、今動けるのはこの基地にいるボクたちだけなんだ。君たちだけで行ってもらうしかない』
『チッ、ふざけやがって……俺たちは捨て
『……いや、行こう来栖くん』
『——幸人! お前、状況わかってるのか!? もう既に三人がやられてんだぞ!! 死にに行くようなもんだ!』
『……だとしても。……今彼らを救えるのは僕たちしかいない。僕らが行かなきゃ彼らは助からないんだ』
『その結果俺たちの誰かが死ぬとしても、か?』
頷いた僕に来栖くんは
『……
『……これがボクの限界なんだよ、来栖』
要請を受けたポイントへと到着した僕らはエリックから伝えられた情報をもとに周囲の
『——あっ! 見てセンパイ、あそこ!』
息のつまる時間が
僕は
『エリック。目標を発見した。これより救助にあたる』
『了解。くれぐれも気をつけて』
周囲の警戒を来栖くんに任せ、僕はエリと共に
『大丈夫かい?』
『ぐ……』
ひどい
『……に、逃げろ……わ、ワナだ……』
『え——』
『——危ないッ、センパイ!』
『——エリィィ!!!』
受けたのは
『クソったれがッ!』
『来栖くんッ!!』
『……ぐっ心配ねえ、
『——そっち行ったぞッ、
『わかってる! それより
飛び込んできた
コイツが〝BP〟——。
異様な迫力だ。さすがは動物型。昆虫型とは明らかに違う雰囲気に僕は知らず
雨に
ぐったりと地面に
状況を再認識するために僕は頭を
奇襲によりエリは
危ないのは
しかしいずれにしろ〝BP〟の意識を引き付けておく必要がある。いつまた気が変わるかしれない。来栖くんたちの
武器はある。あらかじめ身体強化も
だけどここは雨の降る森林の中。
まさに絶体絶命のピンチという最悪な状況に、僕は右手に
『幸人』と、端末から来栖くんの声が聞こえてくる。『エリは無事だ。目を覚ますまでなんとか耐えてくれ』
応急処置が終わりエリが目を覚ますまでに最低でも五分。それから魔法の詠唱が完了するまでさらに十五分。何の
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