三猿詩集

文字化けな告白

鏡（かがみ）のまえにそそり立つぼく　くせ毛（げ）がすごい　もじゃもじゃ

とてもじゃないが直毛（ちょくもう）とは名乗（なの）れない　詐欺罪（さぎざい）がキュンキュンさ

それは櫛（くし）ではとかせない魔法　ぼくの佃煮（つくだに）をめちゃめちゃにして

秘密（ひみつ）の暗号（あんごう）と合言葉（あいことば）がキス　バリカンは　……あ・ば・れ・る……

歪（いびつ）ないわく付きだとしても　月並みな言葉は普通であります　ぼんぼん

複雑な情景（じょうけい）　絡み合った構造（こうぞう）　難解な分解が　後（あと）から後（あと）から湧（わ）いて出（で）る

見たままを言ってる　あるがままに生きてる　まんまの行動　心の笑顔

日本的な心　イエス　侘（わ）び寂（さ）び　オゥ　諸行無常（しょぎょうむじょう）　開示（かいじ）する頭の紀行文（きこうぶん）

季節（きせつ）がスキ　自然は神　滅（ほろ）びればなおグット　恥ずかしいの？　赤面（せきめん）？

花占（はなうらな）いは情緒（じょうちょ）がおかしい　頑固一徹（がんこいってつ）　首切り解釈（かいしゃく）ばらりずん　シャイ？

恥ずかしがってちゃあ何（なに）にもできないさ　それは何（なに）もしてないのと同じこと　おねむ？

誰かに言ってもらって　それで大満足？　えらい　えらいぞ　きみの前頭葉（ぜんとうよう）の赤ちゃん

だーだー　あぶあぶ　ぶーぶー　まんま　えらいね　遠回しなきみの文句（もんく）は素直（すなお）な乳首（ちくび）

そそり立つきみのアソコ　そっとモザイクを舐（な）めとる　それは卑劣（ひれつ）なあてこすりの膨張（ぼうちょう）

これだけ言っても　きみはまだ赤ちゃん？　伝言（でんごん）ゲームで大満足なんだね　それも人生

言いたいことがあるなら　ぼくに直接（ちょくせつ）言ってごらん　うん　その方がエクスタシー　頭（かしら）？

画面ごしの告白　きみがスキきみがキライ　籠（こ）もった声でシーハーハー　近（ちか）しい仲（なか）じゃん

いいかい？　きみたちの行為（こうい）　それでぼくの背中（せなか）はぞくぞくしてる　うん　首と声までね

これっていわば空間を越えた行（おこな）いなわけ　だからありがとうなの　感謝して指を舐（な）めるの

……いい？　きみの指とぼくの背中（せなか）がリンクしているの　気持ちいいからありがとうなの

間違えて腕（うで）を落とした　ざっくばらんに指が飛び散る　きみのアソコはコソコソしてる？

四方（しほう）に任（まか）せな　指切りは小指の専売特許（せんばいとっきょ）　きみだけのぬくみず　まだ恥ずかしいって？

骨抜きで　首ったけで　くちびるみたいにまばたくのであります　言ってごらんよ？

下手（へた）すぎるウィンク　びくびく震（ふる）える貝（かい）の肌色（はだいろ）みたいだね　さ　ぼくの目に点眼（てんがん）してよ

イエス　いいね　オゥ　感嘆（かんたん）の口臭（こうしゅう）　ふふ不服（ふふく）申し立て　きみの言いたい赤ちゃん言葉

ふざけんじゃねぇ　てめえ殺すぞ　開（あ）かない瓶（びん）に脅（おど）しをかける

ねぇ　どう　ぞくぞくしてる　産毛（うぶげ）の行（い）き先　もじもじしてる

文字化（もじば）けの大笑（おおわら）いです　と言いつつも　下半身（かはんしん）は聡明（そうめい）なお年頃（としごろ）

照（て）れちゃうのがよくて　すーすーしてる　見られているのが分かるんだ

マッチ売（う）りをストーカーする　花売（はなう）りの善良娘（ぜんりょうむすめ）　ラ行（ぎょう）がねっとりしてる

あらあら　ララバイね　控（ひか）え目にいって　興奮（こうふん）しちゃう　右目（みぎめ）と左目（ひだりめ）の審美眼（しんびがん）

そうと分かればそそくさと　跡（あと）をつけるよありがとう　果糖（かとう）さんと砂糖（さとう）さん？

きみとぼくの足音（あしおと）は同志（どうし）　傍目（はため）にはもう結（むす）ばれている　きみのかすれた揺籃歌（ようらんか）

海藻（かいそう）と海草（かいそう）と　岩塩（がんえん）が舐（な）めてほしくて光ってるよ？　折（お）り紙（がみ）の裏地（うらじ）が好印象（こういんしょう）さ

背走（はいそう）しながら控（ひか）えめに　配送（はいそう）するね　ぼくの心を　きみのおしゃれな外骨格（がいこっかく）に