三猿詩集

まるで「こんにちは」をリクエストするように

我こそはみなの抱負（ほうふ）を司（つかさど）る神

ああ、おとのわれるのは音の割れる声

サドルのすっぽぬけの拍子（ひょうし）に尻餅（しりもち）のおごそか

ぼしそわかのそそっかしの爽（さわ）やかさ

讃（たた）えたまえ、叩いてみたまえ

お釣（つ）り勘定（かんじょう）はよこのけよこのけストロング

御霊（みたま）の輪郭（りんかく）、かくかくしかじか、確定申告（かくていしんこく）死後の世界

来年は儲（もう）かりまっか断頭台（だんとうだい）、まっかっかなのは末後（まつご）のお水

今年は良い年になりそうの定期（ていき）購読（こうどく）の解約手続き理解不能

我こそはみなの抱負を司る神

ああ、そこのわれるのは底の抜ける壺（つぼ）

うわばみのすっとぼけのお酌（しゃく）に泥酔（でいすい）のささやき

母指球（ぼしきゅう）のささくれのやぶさかさ

褒（ほ）めてくれ、少しでいいから

ロシア語の名前、陰陽道（おんみょうどう）に通じる何（なに）かを感じるわね

白黒の服を着ておけば無難（ぶなん）、無声（むせい）映画の陰口（かげぐち）がグレーゾーン

お前なんか、生きてるだけで筋肉痛だと言い切られる、それも真顔で

豚（ぶた）の貯金箱（ちょきんばこ）におでこを付けながら瞑想（めいそう）に耽（ふけ）る自称（じしょう）主婦の鑑（かがみ）

我こそはみなの抱負を司る神

ああ、ためらわれるのは民の割れる票

良い顔のピントボケが癪（しゃく）に抵触（ていしょく）のざわめき

菩提樹（ぼだいじゅ）の呵々（かか）大笑（たいしょう）の抜け目なさ

待ってくれ、時計の右回転

運動を勧（すす）める痩（や）せた姉に呪詛（じゅそ）を吐（は）く妹の無表情

志（こころざし）半（なか）ばで骨折（ほねお）り損（ぞん）を羽交（はが）い絞（じ）めする輩（やから）

歳暮（としく）れの端（はし）くれを横目でスルーするするすると

歳月（さいげつ）は追随（ついずい）を許さない、すっごい根に持ってるっぽい、ふとポイ捨て

我こそはみなの抱負を司る神

ああ、うらまれるのは人に敬（うやま）われる故（ゆえ）

放送部は地味（じみ）、その一言にガチギレした青春の輝き

忘年会（ぼうねんかい）の某（ぼう）ゲロの嘯（うそぶ）き