第3話 みどりいろ……///

「今日は幼稚園に行って、保育実習をしてもらいます!」

京子先生今日もかわええのォ。ほっぺで充電できるぐらいスリスリしたいわァ。

「佳奈さん、鼻血が出てますけど」

「ちょっとね、京子先生が可愛いから、かわええのォって思ってただけだよー。まさか、鼻血が出るなんて……」

隼人以外で鼻血が出るなんて……。

「先生、佳奈を保健室に持っていってもいいですか?」

「えぇ、助かるわ隼人くん。なるべく暴れない程度に持っていってくれると助かるわ」

「ははっ、ご注文殺到ですね、了解です」

やべぇ、京子ちゃんと長々話しちゃったァァァァァ!!!

可愛い、可愛い。すごく、か、わ、いぃぃぃぃ!

「佳奈、お前の気持ちも分かるよ」

「京子先生で興奮しないで」

隼人は、私のなんだから。


〜あかいろ〜


「じゃあ隼人くん、私一旦離れるから、その馬鹿を頼んだよ」

「分かりました」

保険のteacherは……、おっと、ドアが空いた音が。てことは……?

「隼人ーーーーー!!!」

私は隼人に抱きつく。

クンクン( ̄∞ ̄)

∑(ºωº`*)ハッ

「隼人昨日いつもと違うシャンプー使ったでしょ」

「お前そこまで来ると怖いってレベルじゃねーぞ」

あはは。にしても隼人、いつもよりテンションが低い……。

「隼人、もしかして、京子先生といつもより長く話せたからって、ちょっとウキウキしてない?」

隼人はさっきから私と目を合わせてくれない。

なんだか最近隼人、私に冷たいなー。

「な、なわけないだろ。京子先生はまぁ、可愛いけど……。そんなんじゃねーからな」

ぼそぼそ喋ってる。

私は隼人をベットの中に引きずり込む。

「なっ?!」

隼人がこんなに近くに……。

「隼人」

隼人はやっぱり私と目を合わせてくれない。

「隼人。……隼人!」

私は隼人の頬をつねって無理やりにも目を合わせる。

「最近隼人私にだけ冷たいよ! あの京子先生がそんなに好きなの? たしかに、胸のサイズは先生の方が100倍大きいし、可愛さだって、あっちの方が可愛いけど……。でも、私はそれに負けないくらい隼人を好きって思ってる! だからさ、隼人、私だけを……見て」

隼人は赤面する。旬の桃かってくらい、可愛いくらいに赤く照れてる。その顔を見ると、なんだか、もっと恋心が爆発してしまう。

「俺はさ、京子先生のことは、可愛いって思ってるけどさ、でも、それよりもっと、いや、1番大事に思っている人がいる。そいつはいつも俺にかまっては、うるさいやつで、面倒くさいやつで、でもそいつがいない時、ちょっと俺の心の中に、寂しいって思える部分ができるんだ。それを埋めたくて、どうにかしたくて、それでそいつが来ると、どれだけ嬉しいことか。そして思うんだ。俺は、そいつが好きなんだなって……」

もう確信してる。確信してるけど、どうしても隼人の口から聞きたい。自分の名前を。そして、好きって言ってもらいたい……。

「隼人、その人の、名前って、誰」

荒い呼吸の僅かな余裕の中、私は精一杯、答え探しをする。

「そいつの名前は……」


〜あかいろ〜


「起きろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

私は何者かに叩き起される。しかも、なにか逃したくない時に限って。

「痛ってぇな隼人! 私がそんだけ愛深いか! いいよ! それなら、存分に私を、めちゃくちゃに、するが……」

「しねーよ。学校に遅れる。お前、どんだけあの黄色い紙貰えば気が済むと思ってんだよ」

黄色い紙……。あれは私が、学校に無事到着したと知らせてくれる報告書。

「あの紙は私の命だ!」

「あれは遅刻書だよ!」

「そうなのぉぉ?!?」

あぁ、入学当初から貰ってるから気づかなかった。だおじなものかとおもって、今までの全て部屋に飾ってたのにぃ。

「いいから、起きろ、そして、学校にいくぞ」

「もちろん私のこともいかせて……」

隼人の、『何言ってんのこいつ』感に負け仕方なくベッドから起き上がり、脳内で任天堂のWiiの起動音を再生する。

「パーティーとカートしたい」

「それは放課後やれ」

なんかちょっと悔しい気持ちがあるのをイルミナティする。

ちょっと騒がしめな朝だけど、こんな朝が訪れるこの世界は、今日も緑を咲かしている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る