茄子 アンダルシアの夏

あきかん

 

 好きなアニメは数あれど人に薦めるのならばこれ一択。『茄子 アンダルシアの夏』。

 本物の実力を持ったクリエイターが好きなスポーツのアニメを作ったら何が出来るのか。その答えがこの映画だ。

 ジブリの作画監督の初監督作品の今作品の作画の素晴らしさは語るまでもない。その圧倒的な作画を是非とも堪能してほしい。


 ロードレースを扱った本作品。主人公の故郷、アンダルシアで開催されてはいるが、そこには仕事を全うするという男の矜持が描かれ続ける。

「俺は遠くに行きたいんだ。」

と、内心で呟くが、そのためには自転車を漕ぎ続けるしかないのだ。

 ここからレースは動き始める。この展開が素晴らしい。スポーツのドラマ性はスポーツの中で完結するからこそ面白いのをこの監督はわかっている。相手を動揺させるためのアタック。ここで垣間見える主人公のスポーツ選手としての立ち位置とそれに続く心理戦。そして、勝負どころと見るや全力で仕掛ける主人公。その結果。この一連のシークエンスの熱さと無情さこそスポーツ観戦の醍醐味だ。これを最大限楽しめるのが本作の魅力だ。

 また、人間ドラマの部分も描かれている。結婚式を当日上げている兄がそれを担う。このドラマとレースが一瞬だけ交わる。ここが最高にエモい。


 語れば語るほど野暮な気がしてならない。45分で観賞し終えるのでとりあえず見てくれ。の一言で十分な気がする。スポーツ好きのツボを刺激してやまないこの作品は多くの人に見てほしい。これがスポーツアニメの最高峰であることは疑いの余地はないのだから。

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茄子 アンダルシアの夏 あきかん @Gomibako

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