第9話 普通の高校生の生活とは程遠くて
理事長の説教は丸一日続きやっとAクラスに戻った。
ごめん、盛った方が面白いかなって思って嘘つきました。
本当は、説教は5分ほどで終わって残りの25分は、今後の俺の学校生活についての指示を出されてただけなんだけど…。
その指示というのは、学校が俺のために作った部室に住んで欲しいというものだった。
というのも、「養われたい君は家に帰るのも、そのあと家で家事をするのも嫌だろう? 部活動の一環だと思って養いたい部の子と住んでみるのもいいんじゃないかな? 」という考えに基づいたものらしい。
ここまで俺に有利な場を整えて貰ったこともあり断ることが出来なかったが、気がかりなことが一つあった。
うちの両親は二人とも医師で発展途上国の医療発展を目指しボランティア活動を三年前からしている。
汐里もよく家に来て家事を手伝ってくれるが基本は俺とねるの二人暮らしだ。
ねるはしっかり者だが、まだ中学三年生で独り暮らしができる年齢とは思えない。
てかあんなに可愛いんだぜ、誰かにストーカーされてもおかしくないだろ!!?? 正直この問題が解決しない限り俺は安心して眠ることができないだろう。
まあ、一番の問題は可愛いねると汐里と一緒に居られる時間が減ることなんだk、危な!!最後まで言ってないから自分最優先のクズって評価されないよね? ね??
もう一つの話は知名度ランキング上位五名の名前と学年とクラスについてだった。
一位 神宮寺拓夢 二年Aクラス
二位 寺田ラテ 二年Dクラス
三位 虹村水面 三年Bクラス
四位 白鷺愛 三年Cクラス
五位 二葉奏 一年Aクラス
の五名らしい。正直自分が一位であることが分かってたので全く気にしてなかったが、女子しかいないじゃん!! 男がいて養いたい部に入部みたいなよくわからない世界観を避けただけ上出来か…。
あとは一年の二葉奏は強者感が半端じゃない…。なんで高校入学して間もないこの時期にすでに五位なんだ? 中等部出身でもともと名が知れていたとしても五位は異常だ。
あとさあとさ、人気ランキングではないものの名前が知れ渡るほど有名な四人だ。きっと容姿もトップレベルなんだよね? きっと!!
い、いや、別に気になるとかそういうのじゃなくてさ…。
俺の中で一番はねる、二番は汐里と決まっている。この意思が揺らぐことはない。
高尚な俺が見境なく色んな女の子に気を取られるなんてことは断じて、断じてないから心配しないでくれ!!
それにしても汐里が知名度ランキングのTOP5にいないのは驚きだな。あのルックスに性格のよさなら確実に入ってくると思ったが…。
まあ、万が一本当に部室に住むなんてことになった時にねるを任せられるのは汐里くらいだしな、その辺に配慮した設定なんだろうか? また、メタ発言しちまった、てへぺろ👅
もの凄く嫌な予感はしたものの特に問題視することなく教室に入った。
「おっは~~~--」
「もう話は終わったんすか? 」
「おう、ものすごい展開が俺を待ち受けてるようだ…」
「そういう物語の主人公みたいな発言きもいんでやめた方がいいっすよ、鳥肌立ちすぎて鳥になれそうっす」
「鳥人間コンテスト応募してみたら?? 」
「そういう意味で言ったんじゃないし、鳥人間コンテストはそういうわけありな人を集める企画じゃないっす」
「なるほどね~♡ 瞬×拓夢カップルは瞬くんが攻めで拓夢くんが受けなのね♡ これは嬉しい ご・さ・ん♡ 」
時々出てくるこいつはマジで何者なんだ?? しかも恥ずかし気もなく…。
臭い物には蓋をする、ヤバいやつには触れない。これが最適解だろう。
社交的な俺だがここは無視を選択させてもらおう。
「おいおいたくむく~ん、妹ちゃんの連絡先まだ聞いてないんだけど早く教えてくれよ!! あの日からお前の妹を落とす作戦を夜の数だけ作ってきたんだぜ?? 」
過去回想で出てきた奴か…。てかクラスメイトの妹落とす作戦考えてきたって堂々と言ってるの大分ヤバいだろ。
一年の時から同じクラスなのに未だに名前も知らないし、ヤバ杉くんとでもあだ名をつけておこ。
「電話番号でいいか?? 」
「おう、いいのかよ! 助かるぜ!! 」
「0120‐○○○‐××× だった気がする」
モテる男は遊び心があるんだよな~、適当な電話番号言っちゃおっと
「そっか、サンキューな! 0120から始まるなんてなんか企業みたいだな笑 」
ごめん、ちょっと良いやつそうで罪悪感湧いてきた…。
けどあの子の連絡先どころか名前すら知らないしな。それがバレたら大分面倒なことになっちまうし尊い犠牲と割り切ろう。
「おう、そうなんだよ、妹と仲良くしてくれよ!! 」
「任せとけってじゃあ俺は席戻るわ」
本当、Cにしか興味ないんだな。ここまで露骨に俺に対して興味を持たれていない感があるのももなかなか癖に…いや別にMなわけじゃないよ??
この日の授業も無難に乗り切り汐里と抜け道付近で集まり帰宅することにした。
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