第7話 拓夢の過去part5 不登校生活に幕引きを!part4

Cって何者なんだ? まだ名前も知らないんだが…。まあ可愛いからオールOKなんだけど!!!!!!!!!!

とりあえずホームルームが終わる前に教室に戻ろう。


「おはようございまーす! 」


「拓夢が遅刻なんて珍しいじゃないか、何かあったのかい? 」


吉原静香は心配そうに尋ねてくる。


「いえ、ちょっと腹痛が…。」


わざとらしくおなかのあたりをさすっておいた。


「そんなはずないだろう、校門のところで女の子とハグして鼻の下伸ばしてたじゃないか」


ばれてる!? てかそこまで見ててあんなに自然に心配するような演技できるものなのか?? 女優になった方がいいよ、こんなナチュラルな演技人間国宝だよ!!

てか、クラスのみんなめちゃくちゃ睨んできてるんですけど…。

みんなで見てたのか?


「ごめんなさい。嘘つきました、妹の忘れ物を届けたら舞い上がっちゃったみたいであんな状況になったんです! 」


色々と苦しい言い訳だったがもうこれくらいしか思い浮かばなかった。


「そうか、まあその辺は理事長に説明してくれ」


「もう理事長にまで話が広まってるんですか? 」


「ああ、うちの理事長は噂好きなんだよ」


「乙女か、くそ理事長!! 間違えた、理事長のところに行ってきますね」


「今のは聞かなかったことにしておこう」


静香先生に感謝しながら、重い足取りで理事長室に向かった。


「失礼しまーす、朝の件で来ました」


「よく来たね、これから君は恋愛禁止ね! 」


唐突にすげえこと言うなこの人。


「はい? 恋愛禁止ですか? 」


「あ、君だけじゃなくて知名度ランキングの上位五名はみんな禁止~」


「え? なんで…ですか? 」


めっちゃバカな返しちまった~------!!!

というのも、理事長の話は耳を通っているだけで俺の脳で処理をできない発言だったのが原因だ。


「なんでってそれはさ、君のハグシーンを見て嫉妬した子たちがみんな早退しちゃったからだよ。今学校には君のクラスの子たちしか残ってないんだ」


待てよみんなに見られてたってこと? 恥ずかし、癖になる恥ずかしs…。危ない、口が滑るとこだった。

なるほどな俺のクラスの奴らには妹って説明してたから早退するまではいかなかったんだ。


「こんなこと狐ヶ丘高校始まって以来初めてだよ、まあ要件は伝えたしもう戻っていいよ」


「待ってください、一ついいですか? 」


「いいよ、どうした? 」


「理事長はこの話、誰から聞いたんですか? 」


「君がハグをしてた子が全クラスの生徒にホームルームの始業の鐘がなったタイミングに校門で凄いことが起こるって言いまわってたからね、それで私も見てたってわけさ」


「そうですか、ありがとうございました」


あいつ、まじで、まじで!! 何者なんだ? 策士にもほどがある。

そういえばごめんな、知名度ランキング上位者…。また変な校則に巻き込んじまった。




これが俺が不登校になった理由の数あるうちの3つだ。

1、2に対して3があまりに長すぎるって? それに関しては俺もビビってる。

なんでこんなに差が生まれたんだろうか…。

ちなみに汐里にはこのあと埋め合わせのデートをして許してもらった、このデートもいろいろあったがそれはまた今度話そう。



「にぃに起きて~~~~~」


「たっくん遅れちゃうよ~」


可愛い女の子二人の声で目を覚ます。

昨日昔話をしている間に寝落ちしていたらしい。


「遅れるも何も今日からまた学校休むって言っただろ? 」


あんな狂った校則作られてちゃ学校なんて行けるはずがない。


「なんかね、うちに静香先生から電話が来たのっ! それでたっくんに大事な話があるから今日だけは連れて来いってっ! 」


「昨日もそんな呼び出され方だったけど!? 大事な話あったなら昨日まとめて話してくれよ!! 」


「にぃにのことみんな心配してくれてるんだよ、ねるだって心配してるんだからね! 」


「よし、行こう」


「切り替え早すぎないっ? 」


「二人にここまで言われちゃ行くしかないだろ。ただ一緒に行くと何が起こるか分からないから先に学校に行っててくれ」


「そうだよね…。久しぶりにたっくんと登校できると思っt」


「一緒に行こう!! 」


ダメだ、意志が弱すぎる。周りの奴らちょろって思ってたけど類は友を呼ぶなんだろう。


まあ手は何個か打ったし多少は人気も落ちてるはずだ。一緒に登校してもそこまで騒がれないだろう。

不登校になった理由にはあの忌々しい校則のほかに俺の市場価値を落とす目的があった。これは昨日の下校時に対して効果がないことが分かった。

ただ、昨日の進路希望の養われたい発言。順調に広まっていれば俺の評価は急降下だ。

そして、不登校の過去がより一層現実味を持たせボディーブローのように徐々に効いてくるはず。

我ながら完璧なイメージダウン戦術だ。


「じゃあそろそろ行くか」


「うんっ」


昔のようにくっつきながら行くのは少し恥ずかしくてできなかったが、それなりに楽しんで登校していた最中。


「きゃ~~拓夢先輩かっこいい!! 」


「たくむくーんこっち見て~」


「何よ拓夢の隣のおんな!! 拓夢×瞬カップルの邪魔しやがって 」


うん一人変な奴いるぞ~お巡りさんこっちです!!!!!

俺の人気はまだまだ健在のようだ。


「じゃあ、先生のところ行ってくるわ」


「分かった、また一緒に登校しようねっ」



用事を済ませるため急いで静香先生のもとへ向かった












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