第5話 拓夢の過去part3

「たっくん! ねえ、たっくんてばっ! 早く起きないと授業遅れちゃうよっ? 」


「にぃに~早く起きなよ! ねるも汐里ちゃんも遅れちゃうんだけど~」


俺は少し前から起きていたが、ねるの馬乗りの心地よさと汐里の豊満な胸を押し当てながら耳元で呼びかけてくれる仕草の破壊力が抜群すぎて寝たふりを続けていた。

それにしても汐里が昨日から胸をよく押し当ててくるが趣味なんだろうか、ただ俺も女心のわかるモテ男だ。そんなことを尋ねることはしない。殴られるに決まっているからな。

とりあえずここでの最適解は…。うん!! 美少女二人に起こしてもらう夢のシチュエーションをすぐに手放すなんて罰当たりに決まっている! もう少し寝たふりしてよーーっと。


「本当に遅れちゃうから汐里ちゃんと先に家出るね♡ 」


「ごめんごめん、急がなきゃだよな!! 」


俺の腹の内を見透かしたようにねるが声をかけてくる。


「もうたっくんたら寝たふりしてたでしょ! バレバレだよっ」


「美少女二人に起こしてもらう夢のシチュの余韻に浸りたかったんでしょ! にぃには本当に変態さんだな~~--」


さすが妹と幼なじみだ、俺の思考を完全に読んでいるらしい。


「余韻に浸って何が悪いんだよ!! 浸らないやつなんて男じゃねーよ! 」


「けどたっくんはただの男の子じゃなくってロリコン変態野郎さんだからな~。だから寝たふりなんてしちゃうんじゃないのっ?? 」


「それとこれとはかんけいないから! 絶対男はみんなこうするから!!! 」


「にぃにロリコン変態野郎ってどういうこと? まさかねるのこと大好きとか?♡」


「あ、ああそうだ! ねるのことが大好きだって日頃から汐里に言ってるからな。きっとそのことだろう、う、うん。そうに決まっている! 」


「そっかぁ! そうだよね! こんなかわいい妹だもん!! 」


ねるも満更でもないといったような表情だ、あんな演技で騙せるなんて。

ねるが変な男に捕まるんじゃないかと心配になったが、とりあえずこの場を切り抜けられてよかった…。


それよりも汐里は昨日許してくれたんじゃなっかたのか…。ちょろいって評価を改めなきゃかもしれないな。

貸し1だからねっと聞こえてくるような汐里のドヤ顔を見てそんなことを考えていた。


支度を終え三人で学校へ向かう。狐ヶ丘高校は中高一貫校でねるはその中等部に通っているので登校はいつもこの三人だ。


「にぃに腕組みたい~」


「あっ! ずるい!! 私も~~~~---」


「はいはいどうぞ」


両手に花登校、ここ二年は基本的にこの方式で登校している。馴れは怖いものというが全くその通りだと思う。周りの人の目が全く気にならないのだ。人前でいちゃいちゃしているカップルを軽蔑していた俺だったが、俺たちは今それ以上のことをしている。はたから見たら二股を堂々と行う変態男だ。そのうち自重しよう、そのうち、何年先になるかは分からないけど!!!


「んでさ汐里」


「どうしたのっ? 」


「昨日からよく胸当ててくるじゃん? あれって趣mmmmmmぃぃ うぐっ! 」


「信じられないっ」


「にぃにそれはねるでもひく、きもちわるっ」


俺としたことがとんでもないミスをしてしまった!!!!!!!!

分かってたのに! こうなるって知っていたのに!!! ほんの出来心、まさに脊髄反射。考えるより先に体が動いていた…。某 僕のヒー○ーアカデミア の名言のような行動(某の意味が全く無い)

当然二人に殴られたがご褒美だ、いや間違えた、痛かったが、うまく受け身を取ることで僥倖にもミニスカートの奥に眠るひとつなぎの大秘宝 ワンピースをこの目で確認することが出来た。


特別にお教えしよう。汐里のワンピースは白で中央にくmぁぁぁ、思考すら妨げられる勢いで何かに殴られた。

これ回想だよね???????どっから殴られてんの?????


痛みを伴ってまでワンピースについて伝えたんだ。どうか読者の方々に最後まで伝わっていますように!!!!

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