第115話トルコ料理店にて

トルコ料理店は、相当に豪華な内装。

「ここにも祖父母と来ました」

涼子も頷く。

「私も、連れられて、その時は主人も一緒で」

「それなら話が早いですね、何を頼みます?」

涼子

「ペイニルビベルドルマ、ピーマンのチーズ炒め、面白そうです」

翼は笑顔。

「そうですね、日本人ではない発想」

「肉料理は定番ですが、ドネル・ケバブにしましょう、牛肉を回転させながら焼くケバブ」


翼と母涼子の、すんなりとした掛け合いに押されていた心春が、ようやく口を開く。

「パトゥルジャン・ソスル、揚げナスのヨーグルトソースも」


翼は柔らかい笑顔。

「それも面白そうです」

「後は、炭水化物系で」


涼子

「トルコのピザも捨てがたいですね」

「ラフマージュン、肉と野菜の薄皮ピザが食べやすそうです」


翼は、デザートを見る。

「やはりライスプリンは欠かせないかな」

涼子の反応も早い。

「パイ菓子か、トルコ風アイスか、悩みます」

心春も懸命に反応。

「私も、ライスプリン」

「飲み物は、アップルティー」

翼の飲み物はザクロティー、涼子も同じになった。


料理は、「パトゥルジャン・ソスル、揚げナスのヨーグルトソース」から出された。

涼子

「ナスも、いろんな料理法がありますね」

「ナスの味付けにコクがあって。それをヨーグルトのさわやかな酸味と甘味が」

心春

「これ・・・家でも作れるかな、家庭料理風?」


次に「ペイニルビベルドルマ、ピーマンのチーズ炒め」

「これもピーマンに甘味が出ます、歯ごたえも、チーズも効いています」

涼子

「味覚の開拓、そんな感じです」

心春は食が進む。

「本当に美味しくて、止まりません」


「ドネル・ケバブ、牛肉を回転させながら焼くケバブ」

「ラフマージュン、肉と野菜の薄皮ピザ」

は、予想通りの味らしい。

やはり美味なので、全員、食が進む。


涼子は、満面の笑み。

「楽しく美味しく食べられます」

「和食と全然違うけれど、不思議に美味しくて」

「フレンチともイタリアンとも違う、南米風のエスニックとも違う」


「トルコは、一時世界最大の規模の領土」

「その時に、各地から名料理人を集めたとか」

「もともと、紀元前からの深く長い歴史があります」


心春は目が輝く。

「旅行してみたいなあ、面白そう」


翼は、それには反応しない。

黙々とライスプリンを食べている。

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