NO2. 妖魔・アル
「オレだけで問題ないと思うがな。ってか全部やらせろよオレによ」
「そうしたらアル倒れるまでやるじゃん駄目」
「……ダメ」
提案をレンと白埜に即却下されたアルは不服そうに立ち上がった。
「大将はただの力勝負じゃないかもとか言ってたが、つまんねェよな。ようはそのルールとかいうのに違反しなけりゃ他は何やったっていいんだろ?」
「前々から思ってたがお前さん、結構悪役側の考え方するよな」
「……わるもの」
今度は白埜がじとっとした目でアルに人差し指を向ける。途端に白埜至上主義のアルはころっと態度を変えた。
「無論冗談だ、じょーだん。勝つためには手段を選ばないしあわよくば殺し合おうってとこ以外はぜーんぶ冗談だよ、白埜」
(さっき言ってたこと大半肯定してるだけじゃね?)
レンはあまりにもあっけらかんと言って見せるアルに突っ込もうと思ったが、その前に白埜が満足した顔で頷いて、
「……なら、いい」
とか言うものだから機を逸してしまった。何も良くはないのだが。
「……でも、ケガは、しないでね。むちゃも、ダメ」
「気が向いたらな」
(会話成立してなくね?)
怪我も無茶もする気満々の態度だった。
(まあ、まだ天目一箇の加護は残ってる…。天下五剣、神代三剣。今のオレでもある程度真には迫れるか)
かつての激闘、その数々を思い起こしながら、アルは来たる戦いに向けて戦意を尖らせていった。
アル
《人物詳細》
妖精種にして人外特有の現象『反転』によって悪魔へと半堕ちした
真名は北欧に起源を持つ『魔法の金属細工師』の異名で呼ばれる光の妖精アルヴ。
煤けたような赤茶色の頭髪、褐色の肌、ギラつく双眸とまるで妖精らしさが感じられないのは反転による種族転換の影響。
伝承になぞらえて五大属性の金行に特化しており、自然物・人工物に関係なく金属を自在に操る力に優れている。アルの場合はさらにその力を強化しており、主には金属から武装を生成することに尖った才能を見せた。
伝説・逸話・幻とされる数々の武具を創り、それに宿る性能をも模倣することが可能。ただし贋作である以上質と威力は大きく劣る。
語り継がれる武器の性質は人外のランクと同じく人々の畏怖畏敬の感情集積から変化するので、神話等に登場するような武具は生成に多大な体力を使う。ただしアルは北欧出身という関係上、北欧神話系列の武装は比較的少ないコストで生み出すことが可能。
悪魔の質が混じったことで元よりあった強い闘争心がさらに加速し、もはや戦闘狂とすら呼べるレベルにまで好戦的となっている。
自身と同等かそれ以上、そうでなくともやる気のある相手には喜び勇んで対戦を申し込む。だが無闇やたらに暴力を振りかざすことはせず、非戦を掲げる相手には積極的に絡むことはしない。あくまで両者合意の上での死闘を望む。
《能力》
・魔法の金属細工師
アル本来の性能が反転の現象によって悪魔と転じた際に強化されたもの。限定的とはいえ神域に近い威力を叩き出すことが出来るようになったものの、反動は大きく多用は出来ない。
そうだとされるもの、そうしたものだと語り継がれた武具の性能はその真偽に係わらず付随効果として生み出せる。
アルの練度で生み出される贋作は現象の再現に当たり数発分の解放で刀身(剣身)が耐え切れず自壊する。その都度作り直せばいいがその分の体力は消耗する。
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他にも多数の効果を備える武具のストックを有する。
・鍛冶神の加護
かつて一度だけその力を借り受けた縁で、天目一箇神の加護を僅かながら身に宿している。これにより神造の器たる〝
・〝日緋色金〟
地中より生み出す、現存しない神代の金属。この神鉄によって鍛え上げられた武装は威力と耐久を数段引き上げ、さらに鍛造に掛かるアルへの負担を限りなくゼロにする。今のアルが日に最大で三度まで行使可能な神格権限。
ちょっと紹介↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892405146/episodes/1177354054897489478
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