第3話 中庭の主に嫉妬



「ウラランまた今日も告われてるよ〜」

と友人のワタちゃんが座った窓からそんな言葉が降ってきた。

もう本当パンツ見えそうだよ、やめなよ。




自己紹介が遅れたけど私は漆木ララ(うるきらら)。

先程話した男の一応幼馴染と言うべきかな?




すでに知ってたけど、今日もまたやつは中庭で告白のようで、女の子が手紙を渡して二人でニコニコ笑いながら話してる。


教室から見えるあんなとこで渡したらやっかみを買いそうなものである。

それが、影響は何も無く交友関係も特に悪くないみたい。



中庭の柱の影にも何人かいて順番待ちしてるのを目の端で見た。

この学園の人はなぜこんなにやつに告白するのか。日常の事で驚く事はないけど、不思議。








「…あいつ俺本当嫌い。」






ガタッガタン!と前の空いてる席に乱暴に座られた。

ややつり目がちなアーモンドアイが中庭を目を細め睨む。


あっ?!キヨくん〜来た!おはよー!とワタちゃんからなんだか大量のお花が飛んで見えるよ。



「もう昼だけどな?」と私が切り捨てるように言ったらキヨもワタちゃんも笑ってた。



キヨくん安達王子のこと本当きらいだよね〜

優しいし良い人だけどねぇ?


「ねぇ?と私を見ても何も出ないよ。」

キヨがじとっとした眼を向けてくる。どうして欲しいのかこの子は…。



「キヨは可愛い。それが違ってとても良いと思う。」と机に頬杖をつきながらボソッと伝えたら顔を真っ赤にして手で顔を仰ぎだした。かわいくねえからってポソポソなんか言ってる








キヨはリスとかハムスターみたいに見えるんだよなぁ。

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