第2話 それ
僕には見える。
他人の気持ちが見えてしまう。
物心ついた時には『それ』は見えていたと思う。
僕の祖父は人の目をじっと見て話す人だった。
綺麗な青みがかった灰色の目で俺の話をよく聞いてくれた。
穏やかだけど何か見透かされているような包み込まれているような不思議な感覚があった。
父や母に聞いてもわからなかったので、
自分が他の人と違うのが分かった。
今だから分かることだけど
きっと祖父も僕と同じものが見えていたのかと思う。
僕は本当に臆病者なんだ。
好きな子の目すら見ることができない。
何年も前から僕は君の気持ちを知りたかったのに…君の気持ちだけはまだ分からない。
どうか今日こそ…
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