俺は恋をこじらせたいわけじゃない (こいこじ)

南雲ろった

第1話  学園の人気者

私の幼馴染の安達一路(あだちいちろ)は人気がある。



女性人気はもちろんのこと、先生方にも好意的で優しく授業中も真面目で好青年だと定評がある。




1人のゆるくふわふわの髪をした小柄な女子が彼に近づいていった。

「安達くん今日は家庭科でマフィン作るんだけど、いるう?」

「ん?…くれるのー?ありがとう!」



「いつも美味しいし…カナちゃんは良い奥さんになるよな〜」

「えっ?!ほんとに〜??嬉しいっ!!」



「あっ!安達先輩だーやば今日も尊い…

うちら見れてよかったね〜!!」



後輩にも隠れファンみたいなのがいるようだ。



「アダッチー今日あの店行く?」


「おー!行くー今週行くの何回目?」

「恥ず…やめろ」

「早くラインのIDでも聞けよなー」

「な"っ!!ワンチャン今日こそ聞くわいっ!!」


幼馴染目線で言っても顔は良いし、身長も高く、頭も良いようで、気がきくし要領が良いし、ノリも良いから交友関係は広い。



だけど、中学から現時点の高校まで話しかけても無視される。


私の前だと超がつくほど鈍臭いし、人の気持ちも分からないやつ。


最近は話してないから知らんが。

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