31~40 キャラの外見について、作品の中でどの程度描写しますか? ストーリーに直接関係ないことでも書きますか? それとも、必要な場合にだけ描写しますか? その理由も教えてください。

31. キャラの外見について、作品の中でどの程度描写しますか? ストーリーに直接関係ないことでも書きますか? それとも、必要な場合にだけ描写しますか? その理由も教えてください。

▼ほとんど書きませんが、季節が移り変わって衣替えしたとか、身体的な変化が生じた場合は描写します。例えば『青い魔女の通過儀礼』の第一部冒頭で主人公のマルールが崖から滑落して大変な怪我を負うのですが、そのときに左目がよく見えなくなるという後遺症を負ったことをちらっと描写しています。物語を牽引する役割としては全く関係ない部分なのですが、マルールが第一部劇中で怪我や致命傷を負うのはつねに左半身という因果関係を持たせています。第二部では怪我そのものが治ってしまったのでその因果関係はありません。外見について詳しくはメガネキャラの件にて。


32. 日本人なのに、日本人とはかけ離れた外見の(髪を染めた、整形したなどではなく、もともとの外見がかけ離れている)キャラはいますか? いる場合、そうしたキャラを作成した理由を教えてください。(日本人以外の場合は、その国の人に読み替えて答えてください。)

▼その区分がよくわからないのでなんともいえませんが、区分がよくわからないからこそ外見にあまり頓着しないのかもしれません。登場人物の文化的背景が明らか(髪の毛が赤毛であるとか、目の色が青いとかで迫害されている、など)である場合はしっかりと理由を明記して印象付けるような書き方をすると思います。『カース・メイカー』で「父イサ」はアメリカ永住権を獲得している元移民という設定のなかその特徴を名前だけで済ませていますが、アメリカという移民国家の柄、外見にそこまで文章を割く必要性もあまり感じなかったというのもあるかもしれません。あとは企画の文字数制限もあったので……(1万5千字ギリギリです)。やはり外見描写が映えるのはファンタジーやSF、ホラーなどの「既存の認識に収まらない存在」が出てくる作品なのではないかと思います。


33. キャラの口調はどのように決めていますか?

▼ごくふつうの話し言葉としてなるべく違和感のない口調にします。厳かな人物は口調も厳かに長文に、尊大な人物はいかにも偉そうな口調で、陽気な人物は感動詞が多かったり短文で歯切れよく、といった感じです。セリフ回しは登場人物の印象に大きく影響する部分ですが、そこまで特徴的な口調にはしません。個人的に悩ましいのが「酒を飲んでへべれけになった人」です。フィクションではよく舌足らずでなにを喋っているのかよくわからないといった口調になりますが、実際そこまで舌足らずな口調になってしまう人はほぼいませんし、その口調になる前に寝てしまう方が多いんですよね。自分が書く作品で酒を飲む登場人物とシーンは何度か出てきますが、みなさんたしなむ程度に飲むだけです。もちろん口調も多少歯切れが悪くなるだけで舌足らずにはなりません。飲酒シーンを書くことは多いので、そういうわけで「酒を飲んでへべれけになった人」の口調はもう少しバリエーションを持たせたいな、と思うところであります。泣き上戸や笑い上戸など、そういった面でタガが外れた登場人物は書いてて楽しそうですしね。


34. キャラの口調について、何か意識していますか?

▼しらふの場合あくまで一般的な話し言葉を意識しています。世界観を突き詰めれば文化的な違いを口調で表現(階級や身分差を語尾や人称で表現するなど)することもできますし、それはそれで面白そうだなと思うこともあります。


35. 通常の会話では使われないような口調(特殊な語尾、過度な敬語、お嬢様口調など)を使うキャラはいますか? いる場合、それはどのような口調ですか? また、そうしたキャラを作成した理由を教えてください。

▼「よ・わ・ね」「~かしら」「~じゃ」「~ぜ」といった「役割語」と呼ばれるものですね。「よ・わ・ね」に関してはふつうに用います。ただ、単に役割語と一言でいっても、言葉には音の高低などがあるので、例えば女性的な役割語と認識されている「よ・わ・ね」を男性が用いることも一般的にありますし(「~だよね?」「~したわ」)、逆に女性が「~ぜ」といった男性的な役割語を用いることもあります。個人的にはそうした役割語を用いる登場人物はつくるものではなく、必要に応じて登場人物からその言葉が出てくる、といったほうがしっくりきます。


36. 創作の中では割と一般的な『~わよ』『~だわ』といった女性口調は、現代の特に若い女性の間では、実際にはあまり一般的に使われない口調ですが、作品の中で女キャラの口調として使用しますか? 使用する場合、その理由を教えてください。

▼上記のとおり、ふつうに使います。老若男女問わず役割語にそこまで違和感を覚えないのは、子どものころに読んでいた単行本の『ドラえもん』で「~かしら」という言葉づかいを男女問わず用いてくれたからではないかなと勝手に思っています。例えば鎌池和馬さんの『とある魔術の禁書目録』シリーズにおける登場人物の語尾なんてすごいですよね。いまはもう読んでいませんがあれも無数に存在する登場人物をどう区別化するか作者なりに突き詰めた技術だと思います。


37. 男キャラの一人称は、『僕』『俺』『私』などのうち、どれが多いですか? また、どのように使い分けていますか?

▼「僕」と「俺」は幅広い登場人物に使っています。社会人以上になると「私」が多くなってきます。良くも悪くもフォーマルとインフォーマルを使い分けていると思います。


38. 女キャラの一人称は、『私』『あたし』などのうち、どれが多いですか? また、どのように使い分けていますか?

▼「あたし」は少しやんちゃな性格の一人称に使う場合は多いです。「私」あるいは「わたし」は上記と同様、基本的にはフォーマルな一人称として使いやすく定着している感じです。


39. 現実にはあり得ないほどの身体能力を持つキャラはいますか? それはどのような身体能力ですか? また、そうしたキャラを作成した理由を教えてください。

▼あくまで病気という扱いにはなりますが、不老不死(死んでもよみがえる)というある意味究極の身体能力を身につけてしまった登場人物がいます。これは例のごとく『青い魔女の通過儀礼』のマルールとエルネスティーなのですが、実はこのシリーズを書き始めたのがもう10年近く前になるので、最初にどうしてこの設定にしようとしたのかほとんど覚えていないのが正直なところです。当時まだ日本中が東日本大震災で混乱していたなかで、自分も大きな余震が起こる岩手県にひとり暮らししていたので、つねに頭のどこかしらで人の生き死にについて考えていたのかもしれません。『青い魔女の通過儀礼』三部作を完結させたのはいまから2年と少し前ですが、文章が稚拙ながらいまでもときおり読み返してはあらためて考えさせられることが多いと感じる作品です。


40. 特殊能力や超能力を持っているキャラは登場しますか? それはどのような能力ですか? また、そうしたキャラを作成した理由を教えてください。

▼特殊能力、超能力を有した登場人物は書いたことがありますが、その作品はボツにしてしまっているのでもうこの世にはありません。うっすら思い出せるのは「ヤマアラシのジレンマ」を能力として取り扱ったものだと思います。今後は特殊能力や超能力などを有した存在が登場するような作品も書いてみたいなあと切に思います。

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