21~30 自分の気に入らない性格のキャラでも作成しますか? その場合、そのキャラを嫌にならずに書き続けることが出来ますか?

21. キャラの名前は最初からフルネームで考えますか?

▼フルネームが必要な作品はフルネームを、フルネームが不必要な作品はそのものズバリな名前を考えます。


22. 作中で、キャラ同士は互いの名前をどのように呼び合うことが多いですか?(呼び捨て、くん・ちゃん付け、あだ名、○○先輩…など)

▼これは登場人物すべてに当てはまることですが、人物同士の距離感に関してはお互いをどう呼びあっているかが第一印象になるのでかなりの差異が生じます。傾向としてはやはりそのまま名前呼び、あるいは人称代名詞を用いて、というかたちが多いですが、よく親しむ間柄ではあだ名や役職で呼ぶ登場人物もいます。(「エル姉」「可愛い猫のトーマス卿サー・トーマス・ザ・プッシーキャット=トム」「博士」「おじさん」など)


23. 作中で、他キャラからあだ名で呼ばれるキャラがいる場合、どのようにあだ名を考えますか?

▼「このキャラだったらこう呼びそうだな」という印象から決めます。ノリで決めることがあれば、よく考えて決めることもあります。ここはあまり肩肘張らずに考えています。


24. キャラの性格は、お話を書き始める前に詳細まできちんと決めますか? それとも、後付けするのを前提に、あまり細かく決めずに書き始めますか? その理由も教えてください

▼前章の回答をご覧いただくとわかるかなと思いますが、基本の性格を決めつつもそこまで詳細に詰めることはしません。後付けというよりは、あくまでストーリーの動向しだいで登場人物の性格は微妙に変化するものと考えています。書いているときは物語が流れる時間を共有しているという感覚で書いているので、ときおり登場人物が意図しない動きをし始めるのはこれが原因だと思います。


25. どのような性格のキャラが書きやすいですか? また、書きにくいのはどのような性格のキャラですか? それぞれ、理由も教えてください。

▼自分の感覚ではどんな性格の登場人物も書ける、という自負がありますが、おそらく読者からしてみればだいたい似たりよったりだと思われている可能性があります。それというのも自分が書く登場人物はなんだか薄暗い印象がしますし、影が濃すぎて二面性が強いという意味で感じる印象が似ていると思うからです。「人格が変わってるぞ」と思われるようなブレブレの登場人物を書くこともしばしばだと思うのですが、自分では読んでいてもよくわからなかったりします。


26. 自分の気に入らない性格のキャラでも作成しますか? その場合、そのキャラを嫌にならずに書き続けることが出来ますか?

▼登場人物にとっての悪役や気に入らない登場人物は登場させますが、自分自身そこまで毛嫌いするような人物は書かないので嫌にならずに書き続けることはできます。本当に作者が嫌いになってしまうような登場人物を書いてしまうと、「現実の二次創作としての小説」という枠から大きく逸脱してしまう上に、それでは小説を書くことが単なる憂さ晴らしになってしまう恐れもあるのでしません。反対にどんなにお気に入りの登場人物でも個人的に気に入らない部分はどこかしらあるので、書くことがすなわち単純な娯楽にもなりえないというのはそういうことです。そして、好きであっても嫌いであっても、付かず離れずの良好な関係で作品を書き上げ物語を終わらせるためには、どんな登場人物にもなんらかの理由があってそうしている、というのを作中で明らかにするしないかかわらず設定しておきます。ここにおいても登場人物は作者の投影でも読者の投影でもない、という大前提は貫徹させたいです。


27. 作品数が増えるにつれキャラ数も増えると思いますが、そのときに、性格の被るキャラが出来たことはありませんか? ある場合、どのように対処しますか? または、性格の被るキャラが出来ないよう気を付けていますか?

▼当然のことながら作品を書けば書くほど登場人物は増えるので、それにともない性格が被るキャラは無数に生み出されていくと思います。自分の場合は作品内で登場人物の外見情報もまとめて書くことがなかなかないと自覚しているので、外見的に想像しづらく読まれている読者さんは混乱しがちだろうな……というのはうっすら感じているところです。とくに同一作品内ではなるべく被らないように細かなセリフ回しや仕草の描写で区別できるようにしていますが、それでも似たりよったりな部分は醸し出されていると思います。あえて似ている性格のキャラを出す場合もありますが、だいたいの場合は実力不足なので今後鍛えていきます。まずはポジティブな性格の人を書けるようになりたいです。


28. 作品が長くなったとき(長編でも、短編が何作も続くシリーズでも)、キャラの性格が当初と変わってしまった(成長などにより性格が変化していく・事件等により性格が変わってしまう…など、作者の意図した変化でなく、いつの間にか違う雰囲気のキャラになっていた)ことはありますか? ある場合、どのように対処しますか?

▼拙作を読んだり前述した回答をお読みいただいた方はわかるかと思いますが、それはしばしばあります。というよりも、自分の作品に限ってそれはないと断言するのは不可能かもしれません。人間の性格が年月を経るにつれて変わりゆくのはごく自然なことですし、その人が何歳であろうと未知の経験を経ることによって新しく発見される性格もあると思います。ですのでこれまでと異なる性格や雰囲気の登場人物になることに対して「対処」という対応はとりません。あくまでもそうなったことについての理由や原因を掘り下げて、むしろ今後の物語展開に変化した性格をどう活かすかを考えていきます。それに起因して『青い魔女の通過儀礼』の完結が遅くなってしまったのもあります。


29. キャラの外見(顔つき、体つき、髪型、ファッションなど)は、どの程度まで考えますか? 実際にお話を書く上では関係しない設定まで考えますか? その理由も教えてください。

▼登場人物としてキャラを立たせたい人は自分で絵を描いて細かい部分まで設定することもあります。そうでない場合は外見上の特徴よりも「その物語のなかでどういう立ち回りをするか」が最も重要になってくるので、とくに設定を詰めることはしません。第一部で言及したように、例えばメガネキャラを登場させるならそのメガネが人物設定に関わってくるといったような(ある意味面倒くさい)話になってくると思うので、あまり細かく外見や容姿を詰めないのはそれが理由かもしれません。それに関わる話になりますが、2019年の映画『JOKER』で主人公アーサーの友人に小人症の方が出てきますが、出番が少ない作劇上その友人が小人症である必要はないよなあ、などと思っていた矢先、彼を起用した理由が終盤明らかにされたシーンは劇中一ハラハラしてしまいました。登場人物の設定というのは、なにも作品全体にかかる必要は全くないのだなと思わず唸らされたシーンでした。アカデミー賞にノミネートされた素晴らしい作品なので残酷描写が苦手でなければぜひ観てみてください。


30. キャラの外見は、お話を書き始める前に考えておきますか? 書き始めてから付け足していきますか? その理由も教えてください。

▼おおよそ書き始める前に考えておく場合が多いです。ただ、これも作品内で季節や気候の移り変わりがあるとか、登場人物の心の変化や経年、不慮の事故などで、服装、髪型、傷の痕、身体的な欠損等の外見上の変化が起こりうることは容易に考えられます。このあたりは28問目の質問と同様に、この変化を今後の物語展開にどう活かしていくかという点を重視して考えていきます。

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