11~20 キャラを作成する際、最初に考えるのは何ですか? 名前? 性格? 外見? それ以外?

11. 作品のネタ(キャラでもシーンでも、創作のちょっとした切っ掛けとなるもの)はどのようなときに思い付きますか?

▼「if」を考え始めたとき、というのは先述の回答からご存知かと思います。より具体的にいうと「現実世界の二次創作(変奏)としての小説」を考え始めたときにネタとして思い浮かぶ場合が多いです。前章で言及した「問い」にかかってきます。


12. ネタが出ないときはどうしますか?

▼好きなように日々を生きます。が、あまりに大ざっぱなのでもう少し深く掘り下げてみると、丁寧に日々を生きるということだと思います。それは習慣になっていることを日々きちんとこなすとか、目の前のことに集中するとか、いままでの生き方をおざなりにしないということです。と書くとなんだか大袈裟だなあとは思いますが、要するにいままでどおり好きなように日々を生きるということです。


13. これまでに作成したキャラは、主に人間ですか? それとも、人外や動物がメインですか? また、日本人と外国人のどちらが多いですか?(人間以外のキャラの場合は、その外見や名前などが、日本人と外国人のどちらに近いか教えてください。)

▼主に人間です。ほかにもトムとジェリーを意識した猫と鼠、人造人間、ロボット、合成生物、蒸気機関車、よくわからない不定形の存在、などがあります。外国舞台の作品が多いので必然的に外国人風の登場人物があてがわれる作品が多いですが、その人種民族は多種多様です。少し自作を読み返してその設定を見てみたら、東アジア、西欧、東欧、中央アジアや中東出身まで比較的ワールドワイドにご登場いただいております。南米やアフリカ出身設定の登場人物がまだいないので、いずれなにかの作品でご登場いただきたいと思います。


14. これまでに作成したキャラは、どういった年齢層が多いですか? 偏っていますか? 幅広い年代のキャラが登場しますか? その理由も教えてください。

▼10代から60代まで幅広いですが、主人公として多いのは20代から30代です。一般的に最も活動的な年齢層なので動かしやすい上に、それだけ行動している最中に過ちも犯しやすいからというのもあります。そもそもそういう作品はあまり書かないのですが、10代や未成年といった子どもが主人公の場合はあまり無茶なことをさせたくないので戦闘や暴力などは大人に任せてできるだけ避けるような展開にします。『青い魔女の通過儀礼』のエルネスティーは、外見こそ10代で止まっていますが実年齢は100歳を超えているので例外としています。それでも戦闘シーンはマルールに任せるような展開に意図しています。


15. これまでに作成したキャラは、男・女・Xジェンダーのどれが多いですか? どれかに偏っていますか? 大体同じくらい? その理由も教えてください。

▼女性が多いと思いますが、厳密に数えたわけではないので感覚的にそうだとしかいえないのがもどかしいです。偏っているのかもその意味ではわかりかねますが、たぶんバランスは取れていると思います。


16. 主役やメインキャラの人種や性別、年齢等はどのように決めますか? また、どのような傾向がありますか?

▼先述したネタの着想から執筆の順序のなかで、ストーリーラインとほぼ同じタイミングで登場人物も構成しますが、主人公に関してはわりと早いタイミングで決まったりすることも多いです。設定や舞台から主要なプロフィールはだいたい固まってきますし、ストーリーラインに応じて必要な年齢や性別も定まってきます。あとはある程度どんな経歴や性格か(主にセリフ回しや行動則に関係してくる要素で、物語全体に与える影響は小さめです)というのを決めるだけなので、傾向らしい傾向もないといったほうがいいかもしれません。


17. 主役やメインキャラに限らず、登場するキャラ全般において、年齢や性別だけでなく、性格なども含めて特徴に傾向はありますか?

▼前述のとおり主人公は作風に応じて意図している部分が大きいです。個人的に小説には『シャーロック・ホームズ』のホームズとワトソン、あるいは『ドン・キホーテ』におけるドン・キホーテとサンチョ・パンサの関係のように、「主人公」と「主役」がいると思っていて、これはそのまま「物語を牽引する役(主人公)」と「物語を語る役(主役)」に当てはまります。だいたいは両者が一致している作品が多いのですが、『カース・メイカー』は父イサが主人公(物語の牽引役)で息子アルは主役(物語の語り役)というわかりやすい役割が振られています。事実、物語の発端である民事訴訟を起こしたのは父イサですし、自ら顔面を殴って第二の民事訴訟を起こした原因も父イサです。息子アルはその顛末を簡潔に語っているだけで物語を牽引する能力はほぼありません。この「主人公(物語の牽引役)」と「主役(物語の語り役)」というメタ的な役割分担のなかで、登場人物たちがどのような立場に置かれてくるかに変化が生じてきます。『ターミナル』はこの点顕著で、主役だった蒸気機関車が最後には名前を授かり主人公になっている、という構図です。さらにあからさまなのは『科学博士のスキゾフレニア』で、これはドクターとトムがちょうど胡蝶の夢のような関係になっています。つまり、夢の中を舞う存在と夢を見る存在の関係が主人公と主役に交互に対応しているという構図です。


18. キャラを作成する際、最初に考えるのは何ですか? 名前? 性格? 外見? それ以外?

▼「はじめまして。あなたはだれですか?」ということから考えます。つまり大まかな外見とそれにともなう名前から考えます。とくに名前に関しては登場人物を構成するにあたって最も時間をかける要素でもあり、外国人名に関しては名前の由来を、日本人名であるならば漢字の由来等を調べます。たまに全編コードネームのようなもので人物名を記述する作品もありますが、その場合であっても名前にはなんらかの意味があるものにします。例えば『青い魔女の通過儀礼』におけるCold Boarのメンバー「エリク(=イェク)」「トワイズ」「ドリィ」「フォルジェロ」はそれぞれ数字に関する言葉を文字った呼び名になります。


19. キャラの名前は、割とよくある一般的なもの、今どきのキラキラネーム、キラキラネームも通り越した奇抜なもの(読み方・当て字)など、どのようなタイプが多いですか?

▼実際の命名方法とはやはり異なる部分ですが、「ありそうでない」くらいの感触がする名前にしています。5分で読める短編コンテストの「通学路、振り返るとそこには」部門に出品した『残滓』という作品では、テーマにちなんで主人公の名前を「寄り道」から「ヨリミチ」、友人の名前を「道草」から「ミチクサ」と面白半分で付けましたが、似たようにギャグ目的で付けたり、狙い過ぎたような奇抜な名前はほとんど付けません。


20. キャラの名前はどのように考えますか?

【日本人キャラの場合】

 響きと漢字のどちらから決めますか? それともそれ以外から? 有名人や他作品のキャラ名などを参考にしますか? それ以外にもこだわりの名付け方法があったら教えてください。

▼常用・非常用漢字含めてそれなりに日本人名として通じそうな名前にします。つまり名前の響きを先に決めて、作風や登場人物の設定とリンクするような漢字を探していくという手法です。有名人や他作品の登場人物から派生したりするようなことはありません。珍しい苗字を集めたサイトなどはよく眺めます。


【日本人でないキャラの場合】

 何か文献等を参考にしますか? それとも自分の頭の中だけで考える? 実在する国の人の場合、その国にあり得る名前を付けますか? それ以外にもこだわりの名付け方法があったら教えてください。

▼Google翻訳はもちろんのこと、すでにご存知の方が多いかもしれませんが、「BABEL~世界の言葉」http://www.tekiro.main.jp/というサイトと「欧羅巴人名語録」https://www.worldsys.org/europe/というサイトはかなりお世話になっています。また国籍や出身国を設定している場合は「○○人 名前」といったワードで検索したりします。国によって異なりますが、男性名・女性名といった違いもなるべく考慮して名付けています。ちなみに『青い魔女の通過儀礼』の「マルール」という名前はベルギービールから採用しました。作中で明らかにした意味とも少し違うので気になった方は各自お調べください。とてもポジティブで素敵な意味だと思います。

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