第14話、キャンプ座間

トムたちに提供した金属を確保するついでに、ドームの素材も増やしていった。

アルミやジュラルミン・鉄等の金属やセメントは、いくらあっても困らない。

ただ、プラスチックの原料が圧倒的に足りない。

俺は、PT回収のために専用のロボットを増産した。

カバのようなメカビーストだ。


子供であるノアも順調に育っているし、二度目のホムンクルスであるノーラも妊娠した。


俺は厚木口の森をどんどん切り開き、家畜を増やしていった。

それと同時に家も建てていく。

ある程度出来上がったら、有志を募ってドーム外での生活を提供するだ。

ここにきて、太陽光電池に使用するレアメタルの在庫が尽きかけていた。

俺は、埼玉ドームに出向き、使えるものは回収することにした。


大型のエアーリフターとメイドロボたちを使って埼玉ドームに残っている機材や資源を根こそぎ持ち帰る。


貴重な小型核融合ユニットや太陽光電池も大量に確保することができた。


千葉ドームは相変わらず沈黙している。


埼玉ドームから持ち帰った機器類でサーバーの処理能力と容量を2倍にアップする。


それと同時に、マイクロ波の無線鉄塔を立てて遠隔通信を可能とした。

これで、キャンプ平塚との通信手段が確保できた。


「トム、そっちの様子はどうだ」


「順調だ。土木ロボットもフル稼働してもらってるし、いうことはないね。

ジャギーもこっちで暮らせよ」


「まだ、準備ができてないよ。

それよりも、キャンプ座間の機材を回収してくるつもりなんだが、リクエストはあるかい」


「特にない、自由にしてくれ」


「了解。めぼしいものがあったら報告するよ」


「よろしく」



キャンプ座間にはPT素材が大量にあった。

古い太陽光電池はスラリンに吸収してもらい、再生していく。

小型核融合ユニットも複数確保できた。



「やあ、トム」


「キャンプ座間はどうだった?」


「PTくらいだな」


「使える飛行ユニットはなかったか」


「使えるのはなかったよ」


「そうか」


「飛行ユニットが必要なのかい」


「できれば、もっと沖合の魚を獲ったりしたいという意見が出てきた」


「まあ、アジとイワシだけじゃ飽きるよな」


「農業も始めたんだが、収穫は当分先だしな」


「飛行ユニットは、四人乗りくらいのやつでいいのか。

それ以上だと小型核融合ユニットが必要になってくるんだが」


「十分だ」


「ロボットの機能は必要かい」


「できれば頼みたい」


「了解。

作ったら届けるよ」

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