第13話、地引網漁
滞在するお年寄りと女性と子供たちに、睡眠学習で日本語をインストールする。
住まいは、ハウスユニットを10棟新設し、うちの並びにつなげる。
一方で、住宅建築に必要な工具類や機材を作り、運搬用に20人乗りのエアーリフターを作って相模川沿いに海岸まで飛ぶ。
そして、河口横に仮説住居を作る。
土木作業用のロボットは誰の命令でも聞くようにしてあるのだが、問題は金属などの素材だ。
ドームからは、これ以上提供できない。
俺は、相模川上流の津久井に仮設工場を作り、そこからセメントと金属類を搬出することにした。
輸送は川を使う。
3000年の間に、ダムなどは崩れており、障害となるものはない。
こうして平塚エリアでの村づくりが始まった。
まずは樹木の伐採である。
トムたちは俺の用意したチェーンソーを使い、俺はスラリンに指示して木を切り倒していく。
切り倒した木材は、住宅用に加工するのだが、まずは乾燥させなければならない。
続いて、根の掘り出しを行い、基礎部分を掘り下げてコンクリートを打っていく。
コンクリートが固まる前に、四隅に柱を立てる。
生乾きだが仕方ない。
同じ造りを20箇所に行う。
当面の目標は20棟建設だ。
丸太のまま使うものは、表面を焦がしておく。
虫よけになるらしい。
木材の乾燥を待って、ログハウスのように作りこんでいく。
最初の家らしき外側が完成したのは2か月後だった。
「すまんなジャギー」
「いずれ、俺たちもドームを出る。
その時のノウハウはできたから、お互い様さ」
ソーラーパネルを取付け、照明は確保できている
「家の次は漁だな。
地引網のできるでかい網と巻き上げる装置が要るな」
「そんなものまで用意できるのか?」
「ああ、だが原料がなくてな。
大昔使っていたペットボトルってのがあれば加工できるんだけど」
「ああ、それなら見たことがあるぞ。
わかった、それは俺たちで探してみる」
半年かかって20棟の家が完成した。
これにより、ドームで預かっていた人たちも合流。
そして、地引網のセットも完成した。
丸木舟3艘を使って網を投下し巻き上げ機と全員の力で網を引く。
時間をかけてしまうと魚が飛び出して行ってしまうので、全員必至だ。
このあたりで獲れるのはアジ・イワシがメインであとはその時々で変化する。
獲れた魚は、その場で食べるものと、干物にするものに分けて食べるものはメイドロボたちがさばいていく。
基本は刺身と塩焼きと鍋だ。
イワシを骨ごとすりつぶしてつみれ汁にする。
「かぁ、旨いな!」
「俺は刺身だな。アジのたたき最高!」
「スズキの刺身も旨いぞ」
こうして、初の地引網は成功した。
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