第7話、禁則事項の解除

ノルン、右2時の方向。


「了解」


パシュ!


今日も元気に……いや、ノルンの様子がおかしい。


「どうした」


「わからないの……」


その夜、ノルンに導かれるまま、俺はノルンを抱いた。

まだ未成熟の胸をさわり、キスをしてキスをして……


最初の一発はOBだったが……


そして、ノルンは妊娠したらしい。

エルダから外出禁止を言い渡され、狩りには俺とスラリンだけで出かける。


狩りから戻ると、ハウスユニットが一台増え、土木ロボが敷地の拡張を行っていた。


「どうしたの?」


「本部に応援を要請しました」


「本部って?」


「王国の本部です」


「そんな情報なかったはずだけど」


「ノルンの妊娠で、ロックが解除されました。

エルダは、今後本部のコントロール下に入ります」


「どういうこと?」


「冷凍卵子を核としたホムンクルスが妊娠するのは初めてのことです。

そのため、本部はノルンの特別保護プログラムを発動いたしました。

ジャギーさんにも協力をお願いいたします」


「協力つーか、ノルンと俺の子供なんだから、俺が守る。当然だろ」


「日常のサイクルは変えないで結構です。

メカビースト、機械獣は、今後ジャギーさんの支援に動きます」


「じゃあ、機械獣狩りはできなくなるのか」


「狩っていただいてもかまいませんが、機械獣は抵抗しません」


「嫌だなそれ……弱いものいじめしてるみたいじゃん」


「スラリンに必要なものがあれば、こちらで手配します」


「スラリンは、飛行ユニットを希望します」


「おっ、スラリン、飛びたいのかよ」


「飛びます。

それと、小型核反応ユニットを用意してください」


「おいおい、要塞化するのかよ」


「私、リンゴが食べたいな」


「リンゴだな、ほかには?」


「リンゴだけでいい」


俺は町に出て、リンゴを買う。


「おっちゃん、機械化王国って、機能してんのか?」


「誰も入ったことがないからな。

だが、機械獣を出してくるってことは、機能してんじゃねえのか」


「機械獣もさ、人間に危害を加えるのって、悪いやつだけじゃねえのか?」


「確かに、機械獣の巣になってた跡地は、畑ができるっていうしな」


「機械獣ってなんだろう」


「それは、中の奴に聞いてみねえとな」


「そうか、聞いてみりゃあいいんだな」


俺は帰ってエルダに聞いてみた。


「エルダ、機械獣の役割はなんだ」


「禁則事項が解除されました。

機械獣は、塀の外の人々フリーパーソン…を保護するためのプログラムです。

脅威から保護するとともに、生存に必要な栄養素を提供します」

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