第2話、居住ユニットにて
情報を買うのは、機械獣固有のパルスを把握できるからで、メタルパンサーの位置も一目瞭然だ。
俺はスラリンを連れて、メタルパンサーの元に向かい、ショックガンで仕留める。
「ちょっと待ってろ、視覚ユニットごと交換してやるからな」
「あ、ありがとうございます。
機械獣に襲われているところを助けていただいた上に、目まで直していただけるなんて」
「大したことじゃねえよ。
俺はジャギーってんだ」
「私はノルンです」
「何で、あんな所をフラフラしてたんだ」
「メイドロボが急に動かなくなってしまったので、食べるものを買いに行こうと思って」
「メイドロボか、これが終わったらそっちも見てやるよ。
ちょっとヘッドセットを外すぜ」
「あっ、はい。お願いします」
「ユニットごと交換だから、楽なもんだぜ。
はいよ、視覚の同調は自動でできるはずだけど、どうだい
「見えます。
ありがとうございました」
ノルンは綺麗な金髪で、体にピッタリしたレザースーツを着ている。
「で、メイドロボは?」
「あっ、寝室です」
その部屋は甘い香りで満たされていて、ちょっとドキッとしてしまった。
それに、この世界とは思えない白を基調とした綺麗な空間だ。
その白いベッドに寄りかかるようにメイドロボが倒れている。
俺はヘッドセットから中継ケーブルを伸ばしてメイドロボに接続する。
「ああ、バッテリー切れだな。
えーと、バッテリーのタイプは……
ああ、これなら安く買えるやつだから、町へ行って買ってくるよ」
「あの、私も一緒に連れて行ってもらえませんか。
とりあえず、食べるものを買いたいので」
「ああ、干し肉ならあるけど、食うか?」
「食べてみたいです!」
「干し肉は初めてみたいだな。まあ、こんな綺麗なとこに住んでるんだから当然か。
ちょっと癖があって硬いけど、噛んでると味が……
おい、スラリン、それを食べちゃ駄目だよ!」
「きゅい?」
スラリンがメイドロボを飲み込んだところだった。
「キュ?」
「そうそう、吐き出すんだって……、バイクの時もそうだったけど、お前、一度飲み込んだものを再生できるのか」
「キュイッ!」
「へえ、便利だな。
どれバッテリーの状態は……
おお、充電可能になってるじゃんか!」
メイドロボを、ユニットハウスの電源から充電してやると、再起動した。
「データが初期化されました。
マスター登録をお願いします」
「ほら、ノルン、認識させろよ」
「あ、はいノルンです」
メイドロボはノルンの全身をスキャンして登録した。
「二人目の登録をしますか?」
「あの、私はよくわからないので、ジャギーさんも登録してもらえませんか」
こうして、俺はメイドロボのマスター登録を行った。
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