第131話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(49)

 さて、試運転はこんなものか。

 メイクを終えるとリビングに行き、パソコンと格闘しているハチに向かって成果を披露する。


「ハチ、どうだ?」

 なんかちょっと恥ずかしい。


 あれ、こっち見て固まってる・・・。


 ちょっと・・・。

 おい、何とか言ってくれ、と思った瞬間・・・絞り出すように。


「・・・ああ・・・すっげー綺麗だ、言葉が出なかったよ」


 よかった~!


 ホント、よかった!

 一瞬、マジで焦ったんだから。

 やっぱり、カノジョとしては彼氏に褒めてもらうのが一番だからな。


 あれ? 

 いつのまにか、そんなことばかり考えちゃっている・・・?

 綺麗に見せたいと思っちゃっているし、褒められたいって思っている。

 ◇◇

 妾とセクメトも、ここ数日で家事がこなせるようになったところで、ようやく現代生活にも慣れてきたかなって思う。

 今もシャワーを浴びているのだが、これとてもはや日常行為の一部に定着している。

 ・・・なんと、

 近くの川から摂水しているわけでもないのに、水量は安定しており、

 火を炊きもしないのに暖かい湯が出てくる。

 日常行為にはなったものの、やはり日々驚くばかりだ。


 生活に関する機械やインフラに慣れてみると、やはり電気の存在が大きい。

 なにより大きなパワーを簡単に(だって、コンセントに差し込むだけで給電を受けることが出来るのだぞ!)得ることが出来るし、なによりどんな機械でも動かすことが出来る汎用性がある。


 うう、これが妾の時代にあればなぁ・・・ローマなど一蹴し、世界を席巻することもたやすかったのに。

 ・・・などということを言っていても、しょーがないのだが。

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