第129話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(47)
しばらくすると風呂から上がったクレオが、俺の隣に来た。
うわ。すっげーいい匂い。
石鹸か、シャンプーか・・・一瞬、眩暈がしたぜ。
と、そこへ唐突に、
「なあ、ハチよ。明日からメイクをしようと思うのだが・・・」
メイクって、化粧のことだよな?
「どした? 急に」
彼女はちょっと頬を赤くして、
「うむ。しばらくメイクをしていなかったのだが、やはり女子の嗜みだから・・・その、揃えてもらった現代の化粧品を使ってみようと思うのだ」
そうか。
クレオのやつ、男の俺が見てもホントに肌がキレイなんで、メイク無しでも問題ないんだよな・・・。
まじまじと隣の彼女を見る・・・うわぁ、やっぱり超美人だ。
「そうだな・・・おまえ、そのままでもかなり美人だけど、せっかく揃えたんだし」
お? 隣の彼女の眼の中に、お星さまがキラキラと出現しとる!
「そ、そうか。妾は美人か・・・そうかそうか」
おいおい、にやにやが止まらないって感じ、全開だぞ?
「カノジョとしては、そなたのためにも、もっと美しくならねばな!」
◇◇
そういうわけで妾は洗面台を占領し、メイク道具を並べる。
セクメトに手伝ってもらって一品ずつ確認し、ふたりでいっしょに使用法を復習する。
『しょっぴんぐもーる』とかいう所で受けた説明は、難しくて・・・正直「?」なところがいくつもあったのだ。
だが、セクメトのやつはわりと納得して聞いていたようなので、さすがと言わざるを得ない。
まあ、元々プトレマイオス朝においても妾の化粧の面倒を見てくれていたので・・・化粧品にも造詣が深かったからな。
その延長で覚えやすかったのだろう。
まず洗顔料で綺麗にして・・・次に化粧水、と。
これは肌の保湿や滑らかさを保ち、ベースを作る。
次は・・・美容液で整える。
化粧水の後、美容成分を補給するものだそうで。
うーむ、二千年たつとやはり進化が凄い。
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